建設業許可でよくある「附帯工事とはどこまで?」の疑問をわかりやすく解説。名古屋・愛知の審査傾向を踏まえ、附帯と独立工事の判断基準・書類の整え方を行政書士が詳しく説明します。
目次
1.附帯工事とは?なぜ判断が難しいのか
建設業の現場では、「この作業って附帯工事に含まれるの?」と迷うことがよくあります。
特に500万円未満の工事や複数業種が関わる案件では、附帯か独立かの判断があいまいになりがちです。
附帯工事は、「主となる工事に付随して行う軽微な作業」とされていますが、
実際には“付随”の範囲をどう見るかで見解が分かれるケースが多いのです。
2.建設業法上の附帯工事の考え方
建設業法第2条では、附帯工事について次のように定めています。
主たる工事に附帯して行う軽微な工事であって、その主たる工事の完成に必要なもの。
つまり、主となる工事の機能や完成を補う目的で行う工事であり、
「別の目的を持つ独立した工事」ではない、という点がポイントです。
◎ 附帯工事とされる例
- 電気工事における配線溝の軽微なコンクリート補修
- 塗装工事に伴う下地処理や部分補修
- 屋根工事に伴う板金の小規模加工
✖ 附帯ではなく独立とされる例
- 外構工事のついでに行う給排水設備工事
- 内装工事の一部としての電気配線や空調設置
- 建築工事の際に別契約で行う足場組立
3.よくあるグレーゾーン事例
名古屋・愛知でも多い相談が、この“グレーゾーン”です。
| ケース | 判断が分かれるポイント |
|---|---|
| 外壁塗装と同時に行うコーキング補修 | 一体的な工程か、別目的か |
| 外構工事に含めたフェンス基礎のコンクリート打設 | 主従関係が明確か |
| 材料販売+設置工事 | 契約書上、販売か請負か |
| 電気配線の取替工事+照明器具設置 | 付随作業か、新規設置か |
これらは、金額の多寡や工事内容よりも、「目的の一体性」と「責任範囲」で判断されます。
4.附帯か独立かを分ける3つの判断基準
附帯工事かどうかを判断する際の基本的な考え方は次の3つです。
① 主従関係
主となる工事の完成に欠かせない作業であれば附帯。
逆に、それ自体が独立して成立する内容なら、別工事(=許可必要)になります。
② 工程の一体性
同じ現場・同じ時期・同じ目的で行うかどうか。
期間が離れていたり、別契約で発注されている場合は独立と判断されがちです。
③ 金額の比率・軽微性
附帯工事の金額が全体のごく一部であれば附帯として扱われやすいです。
逆に、金額が大きくなれば「主従が逆転」して独立扱いになります。
5.書類で「附帯」を証明するポイント
附帯か独立かを明確にするには、契約書・見積書・工程表で証拠を残しておくことが大切です。
- 契約書に「附帯工事として実施」と明記する
- 見積書では、附帯部分を主工事の内訳として表示
- 工程表や写真で一体的な作業であることを示す
- 分割契約の場合は、合理的な理由(工区・仕様差など)を記載
愛知県庁では、審査時にこれらの整合性を見て「附帯として認めるか」を判断します。
つまり、書面で主従関係を説明できることが重要です。
6.名古屋・愛知の審査で見られる視点
名古屋・愛知では、附帯工事に関して次のような審査傾向があります。
- 工種間の関係(例:電気+建築)を重視
- 附帯の範囲を超えた独立作業に厳しい
- 複数の工事が同一住所・同一発注者の場合、合算で評価
- 契約書・請求書・工事写真の整合性を重視
つまり、「附帯」として認められるかは、“実態”と“書面”の両面から判断されるということです。
7.まとめ:附帯工事は“主従関係”を明確に
附帯工事の判断でトラブルになる多くのケースは、
「契約書に附帯の位置づけが明記されていない」ことにあります。
附帯か独立かで、建設業許可の要否が変わることもあります。
あいまいなまま進めると、後に「無許可工事」と指摘されるリスクも。
不安がある場合は、契約前の段階で専門家に確認し、
主従関係・金額・範囲を明確に整理することが最も確実な対策です。


