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建設業許可の実務経験証明書|証明者は誰?本人・元勤務先・第三者の考え方

建設業許可の実務経験証明書は誰に証明してもらうのでしょうか。本人による証明の可否、元勤務先・代表者、一人親方、勤務先が倒産・廃業した場合の第三者証明、必要資料を行政書士が解説します。

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建設業許可の実務経験証明書における証明者とは


建設業許可では、営業所技術者等の要件を実務経験によって満たす方法があります。

資格や学歴によって要件を満たせない場合には、許可を受けたい建設業について、原則10年以上の実務経験を証明する方法が検討されます。

このときに作成するのが、様式第九号の「実務経験証明書」です。

実務経験証明書には、経験した工事の内容、経験期間、使用者の商号または名称などを記載します。さらに、その内容が事実であることを証明する「証明者」が必要です。

証明者は、単に申請者と知り合いであればよいわけではありません。被証明者が対象となる工事に従事していたことを把握し、その内容を責任をもって証明できる立場であることが求められます。

そのため、建設業許可の実務経験証明では、経験年数だけでなく、誰に証明してもらうのかを早い段階で確認することが重要です。

証明者は本人でもよいのか


実務経験証明書について、「自分の経験なので、自分で証明すればよいのではないか」と考える方もいます。

しかし、本人が「私はこの工事に従事していました」と申告するだけでは、客観的な実務経験証明として十分ではありません。

会社に勤務していた期間の経験を利用する場合は、通常、その勤務先の会社が証明者となります。申請者本人ではなく、勤務先の代表者名で証明を受ける形です。

一人親方や個人事業主として働いていた場合には、勤務先の代表者が存在しないため、元請会社や取引先など、経験内容を把握している第三者による証明を検討します。

ただし、証明者の取扱いは提出先や申請者の状況によって異なります。本人と証明者が同一になる事情がある場合は、自己判断で作成するのではなく、申請先の取扱いを確認したうえで進めることが大切です。

会社勤務時代の経験は誰に証明してもらうのか


会社員として建設工事に従事していた期間を利用する場合、基本的には当時の勤務先が証明者になります。

具体的には、勤務していた法人の商号、所在地、代表者名などを実務経験証明書に記載し、その会社が被証明者の経験を証明します。

当時の直属の上司が証明者になると思われることもありますが、通常は上司個人の名前だけで証明するのではなく、会社として代表者名で証明を受けます。

当時の上司や工事担当者には、工事内容や在籍状況を会社内で確認してもらう役割を担ってもらえる場合があります。最終的な証明方法については、勤務先の社内手続きも確認しましょう。

複数の会社で経験を積んでいる場合は、会社ごとに実務経験証明書を作成し、それぞれの勤務先から証明を受ける方法もあります。

例えば、前々職で4年、前職で6年の対象工事経験がある場合には、それぞれの勤務先から証明を受け、合計期間によって要件を確認することが考えられます。

「証明者との関係」欄には何を書くのか


実務経験証明書には、「被証明者との関係」を記載する欄があります。

この欄には、証明者の立場から見た被証明者との関係を記載します。

会社が従業員の経験を証明する場合であれば、「社員」「従業員」「元従業員」「役員」など、実際の所属関係に合った表現を使用します。

「上司」と記載すべきか迷う方もいますが、この欄で確認したいのは、上司と部下という個人的な関係よりも、証明者の会社と被証明者がどのような関係にあったのかという点です。

元請会社などの第三者が証明する場合には、「元請負人」「取引先」など、実際の取引関係に沿って記載することが考えられます。

証明者、使用者、被証明者との関係、在籍期間の内容が食い違わないように整理しておくことが大切です。

退職後でも元勤務先に証明してもらえるのか


退職後であっても、元勤務先から実務経験の証明を受けられる可能性があります。

実務経験証明書は、現在の雇用関係ではなく、過去にどのような工事へ従事していたのかを証明する書類だからです。

退職から何年か経過していても、会社に当時の在籍記録や工事資料が残っており、経験内容を確認できれば、証明を受けられることがあります。

ただし、退職から長期間が経過すると、担当者の交代、書類の保存期間、会社の合併や商号変更などにより、確認に時間がかかることがあります。

元勤務先へ依頼する前には、証明してほしい業種、期間、工事内容を整理しておくと、相手方も確認しやすくなります。

建設業許可の業種区分を誤ったまま証明を依頼すると、取得したい許可に利用できない可能性があります。まず対象業種と必要な経験期間を確認してから依頼する方が、手戻りを防ぎやすくなります。

一人親方・個人事業主の場合の証明者


一人親方や個人事業主として工事を請け負っていた場合、会社員のような勤務先はありません。

そのため、自分自身の申告だけでなく、実際の取引内容を把握している元請会社や継続的な取引先などに証明を依頼できるかを検討します。

例えば、同じ元請会社から長期間にわたって塗装工事を受注しており、元請会社が工事内容や取引期間を確認できる場合には、証明者の候補となる可能性があります。

一人親方としての経験を利用する場合は、証明者だけでなく、当時の事業実態を確認できる資料も重要です。

請求書、注文書、注文請書、工事請負契約書、入金が確認できる通帳などを整理し、証明しようとする業種・工事内容・期間との整合性を確認します。

資料が多く残っていても、許可を受けたい業種と工事内容が一致していなければ、そのまま実務経験として利用できるとは限りません。どの資料をどの期間に使用するかを先に整理しておくことが重要です。

元請会社などの第三者による証明


元勤務先が存在しない場合や、一人親方としての経験を利用する場合には、元請会社などの第三者による証明を検討します。

第三者証明では、証明者が被証明者の工事経験を十分に把握し、証明内容を理解したうえで証明することが必要です。

愛知県知事許可において、以前の勤務先が倒産している場合には、本人の実務経験を証明できる、現在建設業許可を有する第三者が証明者となる取扱いが示されています。この場合、証明者の許可番号や連絡先電話番号も必要です。

したがって、単に昔の知人や元同僚へ署名を依頼すればよいわけではありません。

どの工事について、いつからいつまで、どの立場で従事していたのかを説明し、証明者自身が内容を確認できる状態にしておく必要があります。

証明を依頼する前に、工事資料や取引記録を整理しておくと、相手方にも検討してもらいやすくなります。

勤務先が倒産・廃業している場合


以前勤務していた会社が倒産・廃業している場合、元勤務先の会社名で証明を受けることは難しくなります。

それでも、直ちに実務経験を利用できなくなるとは限りません。

愛知県知事許可では、本人の経験を証明できる、現在建設業許可を有する第三者による証明を検討します。元請会社、取引先、当時の工事内容を把握している許可業者などが候補になる可能性があります。

この場合も、請求書や注文書が残っているだけで証明者が不要になるわけではありません。

第三者による証明と、契約書、注文書、請求書、入金記録などの裏付け資料を組み合わせ、証明内容が一致するように整理することがポイントです。

勤務先が廃業している場合でも、別の勤務先での経験や個人事業時代の経験を組み合わせられることがあります。最初から一つの会社の経験だけに限定せず、これまでの職歴と工事歴を全体で確認しましょう。

代表者が死亡・交代している場合


勤務先の会社は現在も存在しているものの、当時の代表者が死亡している、または代表者が交代している場合もあります。

実務経験証明は、必ずしも当時の代表者個人に依頼しなければならないものではありません。

現在の代表者が、会社に残る在籍記録や工事資料を確認し、会社として証明できるのであれば、対応できる可能性があります。

代表者が交代している場合には、当時の担当者、在籍記録、工事台帳、契約関係資料などをもとに、会社が証明内容を確認できるかが重要になります。

一方、会社自体が存在しない場合は、現在建設業許可を有する第三者による証明を含め、別の方法を検討することになります。

証明者と併せて確認される裏付け資料


実務経験証明書に証明者の記載があれば、それだけで経験のすべてが認められるとは限りません。

行政庁は、証明者だけでなく、工事内容、経験期間、使用者、裏付け資料などを総合的に確認します。

会社勤務時代の経験であれば、在籍していた事実と対象工事への従事を確認できる資料が必要になります。一人親方・個人事業主としての経験であれば、請負契約や工事代金の入金など、事業として工事を行っていたことを確認できる資料を整理します。

愛知県知事許可では、実務経験証明書に、直近の年から暦年ごとに従事した工事内容を具体的に記載して証明を受ける取扱いとなっています。

どの資料が必要になるかは、勤務形態、証明期間、取得したい業種、証明者との関係などによって変わります。

最初に利用する期間と工事を決め、その内容に対応する資料を集める方が効率的です。

証明内容が一致していることが重要


実務経験証明では、証明者が確保できても、証明書と裏付け資料の内容が一致していなければ確認や補正が必要になることがあります。

例えば、証明書には塗装工事と記載しているのに、提出する請求書からは内装工事しか確認できない場合です。

証明期間と在籍期間が合っていない場合や、証明者が工事内容を把握していない場合も、追加確認につながります。

また、複数業種の実務経験を証明する場合には、原則として同じ期間を重複して算入できない点にも注意が必要です。

重要なのは、証明者を探すことだけではありません。

取得したい許可業種、必要な経験年数、具体的な工事内容、在籍・営業期間、裏付け資料を一つの流れとして整理することが重要です。

証明者が決まっていない段階でも相談できる


建設業許可を取りたいものの、「誰に証明を頼めばよいか分からない」という段階でも、準備を始めることはできます。

まず確認するのは、取得したい許可業種、営業所技術者等になる予定の方の職歴、勤務先ごとの在籍期間、担当してきた工事、現在保管している資料です。

これらを整理すると、元勤務先へ証明を依頼する方法、複数の勤務先の経験を組み合わせる方法、一人親方時代の経験を利用する方法、資格による要件充足を検討する方法などが見えてきます。

証明者へ依頼した後で対象業種や必要期間が違っていたと判明すると、再度の依頼が必要になることがあります。

そのため、元勤務先や元請会社へ連絡する前に、申請に必要な経験と証明方法を確認しておくとスムーズです。

当事務所では、証明者が確定していない場合や、書類がすべて揃っていない場合でも、現在の状況から申請に利用できる経験と必要資料を整理しています。

「10年の経験はあるが証明できるか分からない」という段階でも、まずは勤務先、工事内容、期間、手元の資料をお聞かせください。

まとめ|証明者と資料を申請前に整理する


建設業許可の実務経験証明書では、対象となる工事へ従事していたことを確認できる証明者が必要です。

会社勤務時代の経験は、通常、現在または以前の勤務先から会社名・代表者名で証明を受けます。退職後であっても、会社が経験内容を確認できれば証明を受けられる可能性があります。

一人親方・個人事業主の場合や勤務先が倒産・廃業している場合には、元請会社など、経験内容を把握している第三者による証明を検討します。

愛知県知事許可で倒産した勤務先の経験を利用する場合には、現在建設業許可を有する第三者による証明が必要となり、許可番号と連絡先電話番号も記載します。

また、証明者が見つかれば手続きが完了するわけではありません。

証明する業種、工事内容、経験期間、在籍状況、請求書や契約書などの裏付け資料が一致していることが重要です。

証明を依頼する相手が決まっていない場合でも、これまでの経験と保管資料を整理することで、申請に向けた進め方を検討できます。

建設業許可を取得できる可能性を確認したい場合は、元勤務先へ証明を依頼する前に、対象業種と必要な証明方法を整理しておきましょう。

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