建設業許可の欠格要件について解説します。前科がある場合、破産した場合、暴力団関係者との関係、許可取消処分など、許可取得ができなくなるケースをわかりやすく説明します。
欠格要件とは
建設業許可を取得するためには、経営業務管理責任者や専任技術者(営業所技術者)、財産要件などの許可要件を満たす必要があります。
しかし、これらの要件を満たしていても建設業許可を取得できないケースがあります。
それが「欠格要件」です。
建設業許可の相談を受けていると、
「資格もあるし実務経験もある」
「財産要件も問題ない」
「それなら許可は取れますよね?」
と言われることがあります。
ところが、欠格要件に該当している場合は話が変わります。
欠格要件とは、簡単に言えば、建設業を営む者として適切ではないと法律で定められている事由です。
どれだけ他の要件を満たしていても、欠格要件に該当している場合は建設業許可を取得することができません。
そのため、建設業許可申請では経管や専任技術者だけでなく、欠格要件の確認も非常に重要になります。
なぜ欠格要件が設けられているのか
建設業は社会インフラを支える重要な産業です。
住宅やマンションだけでなく、
- 道路
- 橋
- 学校
- 病院
- 公共施設
など、人々の生活に直結する工事も数多く行われています。
もし法令遵守意識が低い事業者や反社会的勢力が自由に建設業へ参入できると、発注者や消費者に大きな被害が発生する可能性があります。
そのため建設業法では、一定の問題がある者については許可を与えないという仕組みを設けています。
これが欠格要件です。
欠格要件は単なるペナルティではなく、建設業界の健全性を維持するための制度と言えます。
欠格要件に該当するとどうなるのか
欠格要件に該当している場合、建設業許可は取得できません。
また、すでに許可を取得している会社であっても、後から欠格要件に該当した場合には問題になる可能性があります。
ここで重要なのは、行政庁の裁量ではないという点です。
例えば、
- 経管要件は満たしている
- 専任技術者もいる
- 財産要件も問題ない
という会社であっても、欠格要件に該当していれば許可は下りません。
つまり、欠格要件は建設業許可の足切り条件のような位置付けになります。
前科がある場合は建設業許可を取れない?
相談で特に多いのが、「昔の前科があるのですが許可は取れますか?」という質問です。
まず知っておきたいのは、前科がある=絶対に許可が取れないではないということです。
重要なのは、
- どのような罪なのか
- いつの出来事なのか
- 刑の執行がいつ終わったのか
です。
建設業法では一定の犯罪について欠格要件が定められています。
また、刑の執行終了後や執行猶予期間終了後から一定期間が経過しているかどうかも重要になります。
そのため、「前科があります」という情報だけでは判断できません。
実際の相談では個別に確認する必要があります。
破産した場合はどうなる?
これも非常に多い質問です。
結論から言うと、破産したこと自体が永久に欠格要件になるわけではありません。
建設業法では、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者が欠格要件の対象とされています。
つまり重要なのは、現在復権しているかどうかです。
実際には、過去に破産したが現在は復権しているという方も少なくありません。
その場合は許可取得が可能なケースもあります。
一方で、
- 破産手続中
- 復権前
という状況であれば注意が必要です。
許可取消処分を受けた場合
過去に建設業許可の取消処分を受けた場合も注意が必要です。
特に、
- 重大な法令違反
- 虚偽申請
- 不正行為
などによって許可取消処分を受けたケースでは、一定期間欠格要件に該当する可能性があります。
実際には、
- 以前会社役員だった
- 過去に別会社で問題があった
というケースもあります。
建設業許可では現在の会社だけでなく、過去の経歴も確認されることがあります。
そのため、過去に建設業許可を取得していた経験がある方は注意が必要です。
暴力団関係者は許可を取得できるのか
建設業法では暴力団排除が強く求められています。
そのため、
- 暴力団員
- 暴力団員でなくなってから一定期間経過していない者
- 暴力団の支配を受けている者
などは欠格要件の対象になります。
また、
- 名義上は別人が代表者
- 実質的には反社会的勢力が経営している
というケースも問題になります。
近年は行政庁による確認も厳格化しており、反社会的勢力との関係については特に慎重に審査されています。
法人の場合は誰が審査対象になるのか
欠格要件は代表取締役だけを確認するわけではありません。
法人の場合、
- 取締役
- 相談役
- 顧問
- 一定の支配力を持つ株主
などが確認対象になることがあります。
そのため、代表者本人は問題ないけれども役員の一人が欠格要件に該当していたというケースもあり得ます。
実務上も、
- 法人設立時の役員構成
- 親族の役員就任
などによって思わぬ問題が見つかることがあります。
許可申請前には役員全員について確認しておくことが重要です。
実務上よくある相談事例
実際の相談では、
「昔、交通事故で罰金になったことがある」
「若い頃に前科がある」
「自己破産したことがある」
という内容がよくあります。
しかし、これらは内容や時期によって結論が大きく変わります。
一方で、「前科があるから絶対に無理だと思っていた」ものの、実際には許可取得できたケースもあります。
逆に、本人は問題ないと思っていたけれども役員の経歴で問題が見つかったというケースもあります。
欠格要件はインターネットの断片的な情報だけで判断するのが難しい分野です。
そのため、不安な事情がある場合は申請前に確認しておくことをおすすめします。
まとめ
欠格要件とは、建設業許可を取得できない事由として建設業法で定められているものです。
経営業務管理責任者や専任技術者などの要件を満たしていても、欠格要件に該当している場合は許可を取得できません。
ただし、
- 前科がある
- 破産経験がある
というだけで直ちに許可取得が不可能になるわけではありません。
重要なのは、
- 内容
- 経過期間
- 現在の状況
です。
また、法人の場合は代表者だけでなく役員等も確認対象になるため注意が必要です。
建設業許可申請では経管や専任技術者に意識が向きがちですが、欠格要件も同じくらい重要な確認事項です。
過去の経歴に不安がある場合は、申請準備の早い段階で確認しておくことをおすすめします。
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