ブログ

取引先とのトラブルを防ぐ契約条項ベスト5【行政書士が実例解説】

取引先とのトラブルを防ぐ
契約条項ベスト5
【行政書士が実例解説】
ビジネス契約で“思わぬトラブル”や“後悔”を未然に防ぐために、「契約書の中身」は絶対に疎かにできません。

「とりあえず雛形で済ませた」「重要な部分が抜けていた」——こうした“うっかり”が、代金未払い・納期遅延・著作権トラブル・突然の契約解除など、多くのビジネスリスクにつながります。
特に近年は、クラウド契約やリモート取引の拡大、業務委託・アウトソースの増加に伴い、「契約書の精度」がますます問われる時代となっています。

本記事では、行政書士実務の視点から、「取引先とのトラブルを防ぐ契約条項ベスト5」を、具体的な条文例・注意点・現場の失敗談・成功体験とともに徹底解説します。
BEST1 目的・業務範囲(スコープ)の明確化条項
  • 業務内容・成果物・納品物の範囲を「具体的」に記載(別紙明細推奨)
  • 追加作業・仕様変更は「書面合意」で実施、を必ず明記
条文例:
本契約における業務内容は、別紙業務範囲表記載の内容に限るものとし、追加業務は双方の書面合意により実施する。
  • NG事例:「開発一式」「デザイン作成」など曖昧な記載のため、どこまでが契約範囲か分からず、納品後に「これもやってくれるはず」と追加作業を強いられ揉める。
  • 成功事例:「成果物一覧」「修正回数」「納品形式」まで具体化し、追加業務は「追加費用・書面合意」でトラブルを回避。
コラム:スコープ条項があれば、“タダ働き”や“無限修正地獄”を回避できます。
取引先との力関係で曖昧になりやすい部分こそ、事前に文書化しましょう。
BEST2 報酬・支払条件条項
  • 報酬額、支払時期、分割・中間金、振込先、請求方法まで明記
  • 支払遅延時の「遅延損害金」「支払催促方法」も盛り込む
条文例:
報酬は、請求書発行日から30日以内に甲指定口座へ支払うものとし、遅延時は年14.6%の遅延損害金を加算する。
  • NG事例:納品後「経理処理待ち」「担当者不在」等で支払いが2か月遅延、催促するも契約に支払期日記載がなく泣き寝入り。
  • 成功事例:「支払期日」「分割・中間金」「振込手数料負担」「遅延損害金」まで明記し未払い・遅延ゼロ。トラブル時も法的根拠で交渉優位に。
コラム:特にフリーランス・個人事業主は、「報酬条項の明記」が自分の身を守る武器となります。
支払いが曖昧なまま取引を始めるのは非常に危険です。
BEST3 契約解除・中途解約・損害賠償条項
  • 契約解除の「事由」「方法」「予告期間」まで具体的に規定
  • 一方的な解除の際の損害賠償・キャンセル料も明記
条文例:
甲または乙は、やむを得ない場合は30日前通知で契約解除でき、損害発生時は賠償する。
  • NG事例:突然の「来月で契約終了」と一方的通知、準備していた材料・外注費が無駄に。解除条項がないため補償も受けられず泣き寝入り。
  • 成功事例:解除時の「精算方法」「違約金」まで明記し、損害補填や円滑な契約終了ができた。
コラム:中途解約・一方的解除リスクに備えることで、下請・外注の立場でも自衛が可能です。
BEST4 秘密保持(NDA)・情報管理条項
  • 秘密情報の範囲、開示・利用制限、管理・返却方法を詳細に
  • 契約終了後も秘密保持義務が継続する旨を明記
条文例:
本契約に基づき知り得た秘密情報は第三者に開示せず、契約終了後も秘密保持義務を負う。
  • NG事例:受託先からの顧客リスト・ノウハウを、別案件に流用して損害賠償請求を受ける(NDAなし)。
  • 成功事例:「秘密保持・漏洩時の損害賠償」「契約終了後の返却・廃棄義務」まで契約書に明記し、外部流出を未然防止。
コラム:DX・クラウド全盛時代、情報漏洩リスクは年々高まっています。
NDA未締結は「会社の信用問題」や「損害賠償」の直接原因になりえます。
BEST5 知的財産権・著作権・成果物帰属条項
  • 成果物の著作権・利用権・二次利用可否・帰属先を明記
  • ソースコード・データ・ノウハウの「再利用・流用・提供」についても記載
条文例:
本契約による成果物の著作権は乙が甲に全額支払後、甲に移転する。
  • NG事例:納品後に「どこまで使える?改変OK?」でもめて信頼関係が破綻。著作権未記載で訴訟リスクに発展。
  • 成功事例:利用範囲・権利帰属・禁止事項まで契約書に明記し、再利用や派生開発でも紛争ゼロ。
コラム:IT・クリエイティブ系・Web制作では著作権・利用範囲の明記がトラブル防止の生命線。
「著作権帰属」「納品物の再利用禁止」など具体的に定めましょう。
+α:条項を活かす“契約の流れ”
  • ①事前ヒアリング・要件定義:最初の打合せ段階から「業務範囲」「報酬」等の論点を整理・確認
  • ②契約書ドラフト作成:雛形流用でなく、案件ごとにカスタマイズ
  • ③両者レビュー・修正協議:不明点・懸念点は全て文書化、納得できるまで協議
  • ④署名・押印・控え保存:電子契約にも対応、控え保存とバックアップ徹底
  • ⑤運用・管理:契約書は締結後も「トラブル時の武器」として必ず保管
現場Q&A:
Q. 小規模取引でも契約書が必要ですか?
A. 金額や規模にかかわらず、後日の“認識齟齬”や“言った・言わない”を防ぐため、簡易な合意書でも必ず交わすのがベストです。
行政書士活用のメリット・実例
  • 「契約の抜け・漏れ」「リスクポイント」「不利な条項」の洗い出し・アドバイス
  • 最新法改正や業界動向・判例に基づくカスタマイズ支援
  • 訴訟や紛争時の「証拠力」向上
  • 業種別テンプレ・過去トラブル事例の提供による“実効性重視”の契約作成
  • 実際に、契約内容見直しで年間数十万円の未払い・損害を防げたケースも多数
行政書士の契約サポートは「コスト削減」「時間短縮」「安心材料」となり、中小企業や個人事業主こそ活用メリット大。
まとめ:契約書は「リスク回避」と「信頼構築」の両輪
  • 契約書の“中身の精度”こそが安心・安全な取引のカギ
  • 具体的・明確な条項で「後悔しない契約」を
  • トラブル事例を他人事と思わず、「自社の契約書は大丈夫か?」を定期点検
  • 不安や疑問は専門家に早めに相談することが最大のトラブル防止策
  • 「どんな小さな契約も、必ず書面に残す」習慣を
坂下行政書士事務所では、契約書の新規作成・チェック・カスタマイズまでサポート可能です。
「自社の契約書で大丈夫?」と感じたら、LINE・メールで無料相談をご利用ください。
「事前の備え」が「後日の大損」を確実に防ぎます。
どんなに小さな取引でも、契約書は「将来の安心」と「信頼」の証です。
トラブル予防・信頼構築のための契約書作成は、ぜひ当事務所にご相談ください。

関連記事

  1. フリーランス・個人事業主が契約書でトラブルを防ぐための重要チェッ…

  2. 行政書士に契約書を頼むメリットとは?名古屋市で安心できる依頼先・…

  3. 契約書を作成しないとどうなる?想定されるリスクと実際のトラブル事…

  4. 契約書の保存期間は何年?法律・実務で変わる保存義務と管理方法を徹…

  5. 【雛形契約書のリスク】ネットのテンプレートは危険?失敗しないため…

  6. 【保存版】顧問契約書の作り方とよくある落とし穴|業務範囲・報酬・…

  7. 契約書チェックを行政書士に依頼する理由~リスク回避×信頼構築×全…

  8. 【完全保存版】売買契約書の落とし穴・注意点と安全な作り方|名古屋…

PAGE TOP