退職を伝えた後に、会社から「最後の給料は取りに来てください」「給料を受け取りに会社へ来い」と言われることがあります。
しかし、すでに上司と顔を合わせることがつらい、退職についてまた説教されたくない、会社へ二度と行きたくないという方にとって、給料を受け取るためだけに出社するのは大きな負担です。
最後の給料について会社から来社を求められても、すぐに「行くしかない」と決める必要はありません。
これまでの給与の支払方法や会社から言われている内容を確認し、給与の支払い、貸与品返却、退職書類、今後の連絡方法を整理して対応することが大切です。
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最後の給料を取りに来いと言われて困っている方へ
退職を伝えた後、会社から突然、
「最後の給料は会社まで取りに来てください」
「直接渡すから来社してください」
「退職するなら最後くらい顔を出してください」
と言われることがあります。
普段から給与を手渡しで受け取っていた会社であれば、これまでと同じ方法として案内されることもあります。
一方で、これまで銀行振込だったにもかかわらず、退職を伝えた途端に「最後だけ取りに来い」と言われるケースもあります。
すでに会社との関係が悪くなっている方にとっては、かなり大きなプレッシャーです。
会社へ行けば、また退職理由を聞かれるかもしれない。
上司や社長から説教されるかもしれない。
退職を撤回するよう迫られるかもしれない。
書類に署名するよう求められるかもしれない。
そう考えると、給料は欲しいけれど会社には行きたくないという状態になります。
しかし、最後の給料を受け取るために、何も確認せず会社の言うとおりに動く必要はありません。
まずは、これまで給与がどのように支払われていたのか、会社がなぜ来社を求めているのかを確認しましょう。
会社と直接話したくない場合には、退職通知の中で給与の支払方法について希望を整理する方法もあります。
退職したからといって給料を受け取れなくなるわけではない
退職するときに忘れてはいけないのが、退職日まで働いた分の給与です。
退職したからといって、それまで働いた分の給与がなくなるわけではありません。
「急に辞めたから給料は払わない」
「引き継ぎをしていないから最後の給与は渡さない」
「会社に謝りに来るまで給料は支払わない」
という話と、すでに発生している給与の支払いは分けて考える必要があります。
給与は、働いたことに対する対価です。
退職時に会社との関係が悪くなっていると、
「本当に給料を払ってもらえるのだろうか」
「取りに行かなかったら没収されるのではないか」
と不安になる方もいます。
しかし、会社から「取りに来い」と言われたからといって、受け取りに行かなければ給与そのものが消滅するわけではありません。
まずは支払日、金額、支払方法を確認することが重要です。
会社へ行くことが難しい場合には、その事情を踏まえて支払方法を整理していきます。
退職後に給与を請求した場合の7日ルール
退職後の給与については、覚えておきたい重要なルールがあります。
労働基準法では、退職した労働者から請求があった場合、会社は原則として請求から7日以内に賃金を支払う必要があります。
たとえば、会社の通常の給料日が翌月25日だったとしても、退職後に給与の支払いを請求した場合には、「次の給料日まで待ってください」と必ずしも処理できるわけではありません。
退職後の給与について早めの支払いを希望するのであれば、会社へその意思を明確に伝えることがポイントです。
何も請求しなければ、通常の給与支払日に処理されることもあります。
そのため、
「最後の給与をいつ支払ってもらえるのか」
「会社へ取りに行かなければならないと言われている」
という場合には、会社の言葉だけで判断せず、支払日と支払方法を確認しましょう。
特に、会社へ行くことが難しいのであれば、その点も最初から伝えておくことが重要です。
退職後まで何度も会社とやり取りを続けるより、退職通知の段階で給与についても整理しておく方がスムーズです。
これまで銀行振込だった場合は支払方法を確認する
普段の給与が銀行振込だったにもかかわらず、退職時だけ、
「最後の給与は現金で渡すから取りに来てください」
と言われることがあります。
この場合は、すぐに来社を約束する前に、これまでの給与支払方法を確認しましょう。
給与の銀行振込は、労働者の同意など一定の条件のもとで認められている支払方法です。
これまで毎月同じ口座へ給与が振り込まれていたのであれば、
「最後の給与についても従来どおり指定口座への振込を希望します」
と伝えることを検討できます。
会社が必ずその希望に応じると断言できるものではありませんが、会社へ行くことが難しいのであれば、まず振込による支払いを希望する意思を明確にすることには意味があります。
特に、
退職について上司と揉めている。
会社へ行くと長時間の面談になりそう。
社長や院長と顔を合わせたくない。
すでに出社していない。
このような場合は、最後の給与のためだけに安易に来社を約束する前に、別の支払方法で対応できないか整理しましょう。
給料を受け取るためだけに会社へ行くのが怖い場合
会社から、
「給料を渡すだけだから来てください」
と言われても、本当に給料を受け取るだけで終わるのか不安になることがあります。
退職時の関係が悪くなっている場合には、
「なぜ急に辞めるんだ」
「迷惑をかけたことを分かっているのか」
「一度みんなに謝れ」
「この書類にサインしてください」
など、別の話をされるのではないかと考えてしまうからです。
そのため、会社へ行くこと自体に強い抵抗があるのであれば、無理にその場で来社日を決める必要はありません。
まず確認したいのは、
本当に給与受取だけが目的なのか。
給与はいくらなのか。
振込では対応できないのか。
貸与品返却など別の用件もあるのか。
何らかの書類への署名を求められているのか。
という点です。
会社とのやり取りがすでにつらくなっている場合、一人で電話をして交渉する必要はありません。
現在の状況を整理し、退職通知の中で必要な事項を文書にまとめる方法があります。
「給料を取りに来いと言われたから行かなければならない」と思い込み、怖い会社へ無理に出向く前に、一度退職手続き全体を整理してください。
貸与品の返却と最後の給料は分けて整理する
最後の給与について来社を求められる場面では、会社から貸与品の返却も求められていることがあります。
社員証。
制服。
鍵。
名札。
入館証。
パソコン。
スマートフォン。
その他会社から借りている備品。
これらは退職に伴って返却する必要があります。
ただし、貸与品の返却と最後の給与の支払いは、それぞれ整理して進めることが大切です。
「制服を返しに来ないから給与も支払わない」
「会社の物を返却するまで最後の給料は渡さない」
と言われた場合には、給与と貸与品を一緒くたにせず、それぞれの処理を確認する必要があります。
会社へ直接行きたくない場合は、貸与品を追跡可能な方法で郵送返却することも検討できます。
返却する際には、発送日、追跡番号、何を入れたのかを記録しておくと安心です。
会社へ行かなくても返却できる物まで、給料を受け取るために直接持参しなければならないと決めつける必要はありません。
退職時は、
給与の支払い。
貸与品の返却。
退職書類の受領。
今後の連絡方法。
を一つずつ整理することが重要です。
内容証明で給与の支払いについても整理する
会社と直接話すことが難しい場合には、内容証明で退職通知を送る際に、最後の給与についても整理して伝えることができます。
退職通知では、退職意思と退職日だけではなく、状況に応じて、
有給休暇の取得希望。
貸与品の返却方法。
退職書類の送付依頼。
最後の給与の支払い。
今後の連絡方法。
などをまとめることができます。
たとえば、これまで給与が銀行振込で支払われており、最後の給与についても振込を希望する場合は、次のような内容を検討します。
未払となっている賃金につきましては、従前の給与振込口座へのお振込みをお願いいたします。
また、退職後に早めの支払いを求める場合には、現在の給与の締日や支払日なども確認したうえで文案を整理します。
内容証明は、会社を攻撃するために使うものではありません。
退職後に、
「聞いていない」
「そんな希望は知らない」
「本人が何を求めているのか分からない」
という行き違いを減らすために、必要な事項を文書で明確にするための方法です。
会社へ行くことが怖い方ほど、口頭だけでやり取りを続けるのではなく、書面で整理することを検討してください。
会社から電話や面談を求められた場合
給与について書面で希望を伝えても、会社から電話が来ることがあります。
「振込はできない」
「とにかく会社へ来てください」
「社長と話してから給料を渡します」
「退職の説明をしてください」
と言われることも考えられます。
このような連絡が来ると、
「やっぱり行かなければ給料をもらえないのか」
と焦ってしまうかもしれません。
しかし、その場ですぐに来社を約束する必要はありません。
まず、会社が何のために来社を求めているのかを確認しましょう。
給与の受け取りだけなのか。
貸与品返却のためなのか。
退職書類の手続きなのか。
それとも退職について話し合うことを求めているのか。
目的が分からないまま会社へ出向くと、想定していなかった話を求められる可能性があります。
電話でのやり取りが負担になるのであれば、退職手続きに関する連絡を、書面やメールなど記録が残る方法でお願いすることもできます。
退職した後まで、会社とのやり取りに振り回される必要はありません。
必要な事務手続きを一つずつ整理していきましょう。
会社へ行く約束をする前に確認したいこと
最後の給料を取りに来るよう言われた場合は、すぐに、
「分かりました。明日行きます」
と返事をする前に、現在の状況を整理してください。
確認しておきたいのは、
これまで給与が現金手渡しだったのか、銀行振込だったのか。
最後の給与の金額はいくらになる予定なのか。
通常の給与支払日はいつなのか。
会社から貸与されている物があるのか。
会社へ行けば何か書類を書くよう求められているのか。
すでに退職意思を会社へ伝えているのか。
会社へ行くこと自体に強い不安があるのか。
という点です。
会社からLINEやメールで、
「最後の給料は取りに来い」
「来社しなければ給料を渡せない」
などと言われている場合は、そのやり取りも保存しておきましょう。
自分で会社に言い返す必要はありません。
会社へ何と返せばいいのか分からない状態でも相談できます。
むしろ、会社へ行く約束をした後で困るよりも、返事をする前に退職手続き全体を整理した方が進めやすい場合があります。
まとめ
会社から「最後の給料を取りに来い」と言われても、すぐに会社へ行く約束をする必要はありません。
退職したからといって、それまで働いた分の給与を受け取る権利がなくなるわけではありません。
また、退職した労働者から給与の支払いについて請求があった場合には、原則として請求後7日以内に支払うというルールがあります。
これまで給与が銀行振込だったのであれば、最後の給与についても振込を希望することを検討できます。
会社から貸与品の返却を求められている場合も、給与の支払いと貸与品返却を分けて整理しましょう。
会社へ行くことが難しければ、貸与品を追跡可能な方法で郵送返却する方法もあります。
「給料を取りに来いと言われた」
「会社へ行けばまた怒られそうで怖い」
「社長や上司と顔を合わせたくない」
「最後の給料だけ振り込んでもらいたい」
「貸与品もあるが、会社へ直接持って行きたくない」
このような場合に、会社の指示だけを見て一人で対応方法を決める必要はありません。
退職意思、退職日、給与の支払い、貸与品返却、退職書類、今後の連絡方法まで整理し、内容証明で会社へ通知する方法があります。
会社へ行くことが大きな負担になっているのであれば、最後の給料のためだけに無理をして出向く前に、まず現在の状況を整理してください。
会社と直接やり取りする負担を減らしながら、退職後に必要な手続きまでまとめて進めることができます。
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