夜に退職を決めた場合、翌朝どうすればいいか|会社に電話せず退職手続きを進める方法

夜に退職を決めたものの、翌朝会社へどう連絡すればよいか不安な方へ、退職意思の伝え方、出社しない場合の有給・欠勤扱い、内容証明による退職通知、会社から電話が来た場合の対応まで行政書士が解説します。

夜に退職を決めて、翌朝が不安な方へ


夜になって、急に退職を決めることがあります。

日中は何とか耐えていた。

仕事中は退職のことを考える余裕もなかった。

でも、帰宅して一人になった瞬間に、「もう無理だ」とはっきり感じる。

このような流れで、夜に退職を決意する方は少なくありません。

ただ、夜に退職を決めたあと、多くの方が不安になるのは翌朝のことです。

朝になったら会社に電話しなければならないのか。

上司に何と言えばよいのか。

明日も出社しなければならないのか。

退職を伝えたら怒られたり、引き止められたりしないか。

このような不安で、夜に眠れなくなることもあります。

特に、会社と直接話したくない方にとって、翌朝の電話連絡は大きな負担です。

しかし、退職の意思は、必ず電話で伝えなければならないものではありません。

会社に行けない状態でも、退職の意思、退職日、有給休暇、欠勤扱い、貸与品返却、今後の連絡方法を文書で整理して伝える方法があります。

夜に退職を決めた場合こそ、勢いで短いLINEを送ったり、何も伝えずに朝を迎えたりするのではなく、翌朝どう動くかを整理しておくことが大切です。

翌朝すぐに電話しなければならないとは限らない


退職を決めた翌朝、必ず上司に電話しなければならないと思っている方は多いです。

もちろん、会社に電話して冷静に退職意思を伝えられるのであれば、それも一つの方法です。

ただ、上司と話すこと自体が強いストレスになっている場合や、電話で引き止められると断れない場合、無理に電話で退職を伝えることが安全とは限りません。

電話では、その場の空気に押されやすくなります。

「一度会社に来て話そう」

「今日だけは出てほしい」

「退職日は相談しよう」

このように言われると、本当は辞める意思が固まっていても、曖昧な返答をしてしまうことがあります。

退職の意思表示は、会社に明確に届くことが大切です。

電話でうまく話せない場合は、退職通知書を郵送する方法があります。

会社と揉めそうな場合や、退職意思を伝えた記録を残したい場合は、内容証明を使う方法もあります。

翌朝すぐ電話できないからといって、退職できないわけではありません。

電話で無理に説明するより、退職に必要な内容を文書で整える方が、結果的に安全な場合があります。

まず決めるべきことは「退職日」と「出社の有無」


夜に退職を決めた場合、最初に整理すべきことは、退職理由をどう説明するかではありません。

まず決めるべきなのは、退職日と翌朝以降の出社の有無です。

退職日は、雇用契約が終了する日です。

一方で、翌朝会社に行くかどうかは、退職日までの勤務や有給休暇、欠勤扱いの問題です。

この二つを混同すると、会社との間で認識がズレます。

「明日から行きません」

「もう辞めます」

「退職します」

このような短い連絡だけでは、会社は、明日だけ休みたいのか、退職したいのか、退職日はいつなのか判断しにくくなります。

退職の意思が固まっている場合は、「〇年〇月〇日をもって退職いたします」と退職日を明確にすることが大切です。

そして、退職日まで出社しない場合は、その期間を有給休暇として扱うのか、欠勤扱いになる可能性があるのかも整理します。

会社が即日退職や早い退職日に同意すれば、早期に退職処理されることもあります。

ただし、会社の同意がない場合、常に翌朝の時点で雇用契約が終了するわけではありません。

夜に退職を決めた場合でも、退職日と出社しない期間を分けて考えることが重要です。

翌朝何も伝えずに欠勤するリスク


翌朝、会社に連絡したくないからといって、何も伝えずに欠勤するのはおすすめできません。

本人としては、もう退職するつもりかもしれません。

しかし、会社に退職意思が届いていなければ、会社は正式に退職の申出を受けたとは判断できません。

会社から見ると、本人が体調不良なのか、寝坊なのか、事故に遭ったのか、退職したいのかが分かりません。

そのため、朝から電話が来ることがあります。

LINEやメールが届くこともあります。

本人が連絡に出なければ、緊急連絡先や家族に確認される可能性もあります。

会社から貸与されている物がある場合は、その返却について連絡が来ることもあります。

会社と関わりたくないから何も伝えなかったのに、結果として会社からの連絡が増えてしまう。

これは避けたい状態です。

翌朝会社に行けない場合でも、退職の意思が固まっているなら、退職意思と退職日を会社へ伝える必要があります。

電話が難しいなら、電話以外の方法を考えましょう。

大切なのは、無断欠勤のように見える状態を避け、退職に必要な事項を記録が残る形で整理することです。

電話が怖い場合は書面で退職意思を伝える


翌朝会社に電話することが怖い場合、退職意思を文書で伝える方法があります。

退職の意思表示は、必ず電話や対面で行わなければならないものではありません。

会社に退職の意思が明確に届く方法であれば、書面で通知することもできます。

上司に電話したら怒られそう。

退職理由を問い詰められそう。

引き止められたら断れる自信がない。

このような状態で無理に電話をすると、相手の勢いに押されてしまうことがあります。

「一度会社に行きます」

「退職日は相談します」

「もう少し考えます」

本当は退職する意思が固まっているのに、このように答えてしまうと、退職意思が曖昧になってしまいます。

書面で退職意思を伝える場合は、「退職したいです」ではなく、「〇年〇月〇日をもって退職いたします」と明確に記載することが大切です。

退職理由を長く書く必要はありません。

会社への不満を細かく並べる必要もありません。

退職通知では、退職意思と退職日を中心に、有給休暇、貸与品返却、退職書類、今後の連絡方法を整理します。

電話できないことを責めるより、退職意思を確実に伝える方法へ切り替えることが大切です。

内容証明で退職通知を送る方法


会社と直接話したくない場合や、退職意思を伝えた記録を残したい場合は、内容証明で退職通知を送る方法があります。

内容証明は、いつ、どのような内容の文書を、誰から誰宛てに差し出したかを記録に残しやすい方法です。

普通郵便で退職届を送った場合、会社から「届いていない」と言われる不安があります。

電話で退職を伝えた場合も、録音などがなければ、後から内容を確認しにくいことがあります。

内容証明では、退職の意思、退職日、有給取得希望、欠勤扱いの可能性、貸与品返却、退職書類の送付依頼、今後の連絡方法を一つの文書に整理できます。

ただし、内容証明を作成した日や発送した日と、会社に到達する日は同じではありません。

退職の意思表示は、会社に到達してから効力が問題になります。

そのため、夜に退職を決めて翌朝すぐに内容証明を準備したとしても、会社にいつ届くのか、退職日をどう設定するのかを分けて考える必要があります。

内容証明は、会社を攻撃するための文書ではありません。

翌朝の電話で感情的なやり取りをする代わりに、退職に必要な事項を冷静に通知するための方法です。

有給休暇・欠勤扱い・翌朝の出社しない期間を整理する


夜に退職を決め、翌朝から出社しない場合、有給休暇が残っているかどうかは重要です。

有給休暇が残っていれば、退職日までの期間について年次有給休暇を取得し、そのまま出社せずに退職日を迎える形を検討できます。

文言としては、次のような形が考えられます。

退職日までの期間につきましては、残存する年次有給休暇を取得いたします。

有給休暇が残っている場合でも、退職日までの所定労働日が何日あるかを確認する必要があります。

会社の休日には通常、有給休暇は使いません。

そのため、カレンダー上の日数だけでなく、出勤予定日を確認することが大切です。

一方で、有給休暇がない場合や、退職日までの日数に対して有給が足りない場合もあります。

その場合は、欠勤扱いになる可能性があります。

欠勤扱いになれば、その期間の給与は発生しないのが通常です。

状況に応じて、次のような文言を検討することがあります。

退職日までの期間につきましては、出社が困難であるため、欠勤としてお取り扱いくださいますようお願いいたします。

この文言を入れるかどうかは、状況によって慎重に判断します。

翌朝会社に行かない場合でも、退職日までの扱いを文書で整理しておくことで、会社からの確認連絡を減らしやすくなります。

会社から朝に電話が来た場合の対応


夜に退職を決め、翌朝会社に行かない場合、会社から電話が来る可能性があります。

「今日どうしたのか」

「なぜ出社していないのか」

「退職するなら直接来て話してほしい」

「今からでも会社に来られないのか」

このように言われると、不安になる方も多いと思います。

しかし、退職の意思を文書で通知する方針を決めている場合、会社からの電話に必ず出なければならないわけではありません。

電話に出ると、相手の口調に押されて、退職日や有給休暇、欠勤扱いについて曖昧な返答をしてしまう可能性があります。

会社からの連絡は、書面またはメールでの対応に切り替える方が安全です。

内容証明には、次のような文言を入れることがあります。

今後の退職手続きに関するご連絡につきましては、記録保持および行き違い防止のため、書面またはメールにてお願いいたします。

この文言は、会社からの連絡を完全に拒否するものではありません。

必要な事務連絡は受ける前提で、電話や対面ではなく、記録が残る方法にしてほしいという整理です。

朝の電話は、どうしても感情的になりやすいです。

慌てて出てしまう前に、自分が退職通知で何を伝える予定なのかを確認しましょう。

電話で話すことが難しいなら、無理に電話で説明しようとせず、文書で退職意思を整える方向に切り替えることが大切です。

貸与品返却と退職書類の送付依頼も準備する


翌朝から会社に行かない場合でも、会社から貸与されている物があれば返却する必要があります。

社員証、制服、鍵、名札、入館証、パソコン、スマートフォン、その他会社から貸与されている備品などがある場合は、退職に伴って返却します。

会社に持参したくない場合は、追跡可能な方法で郵送返却する形が現実的です。

レターパック、宅配便、簡易書留などを利用し、発送日、追跡番号、同封物を控えておくと安心です。

内容証明には貸与品を同封できません。

退職通知は内容証明で送り、貸与品は別便で返却します。

また、退職後に必要となる書類の送付依頼も入れておきましょう。

離職票、源泉徴収票、社会保険関係書類などは、退職後の生活や手続きに関わる重要な書類です。

自宅宛てに送付してほしい旨を文書で伝えておけば、退職後のやり取りを減らしやすくなります。

退職意思だけを伝えても、返却物や退職書類の扱いが曖昧だと、会社から確認の連絡が来ることがあります。

会社に行かずに退職したい場合ほど、会社が確認したくなる事項を先回りして整理しておくことが大切です。

まとめ


夜に退職を決めた場合、翌朝どうすればよいのか不安になると思います。

ただ、翌朝すぐに上司へ電話しなければ退職できないわけではありません。

電話で冷静に伝えられるならそれも一つの方法ですが、電話で引き止められたり、退職意思が曖昧になったりする不安がある場合は、書面で退職意思を伝える方法を検討できます。

大切なのは、退職日と翌朝以降の出社しない期間を分けて考えることです。

会社が同意すれば早い退職日で処理されることもありますが、会社の同意がない場合は、退職日までの期間を有給休暇や欠勤扱いとして整理し、出社しない形を取ることがあります。

内容証明を使えば、退職の意思、退職日、有給取得希望、欠勤扱い、貸与品返却、退職書類の送付依頼、今後の連絡方法を文書で整理できます。

「夜に退職を決めた」

「翌朝会社に電話したくない」

「明日から会社に行かずに退職したい」

このような場合は、何も伝えずに朝を迎える前に、退職通知として何を伝えるべきかを整理しましょう。

退職は、会社と感情的に話し合うよりも、必要な意思表示と事務手続きを文書で整える方が安全です。

坂下慶門
執筆・ご相談対応 坂下 慶門 特定行政書士
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