退職届を出した後、次の日から会社に行かなくても退職できるのでしょうか。有給休暇、欠勤扱い、即日退職、民法627条の2週間、会社からの電話、貸与品返却、内容証明による退職通知の進め方を行政書士が解説します。
退職についてお悩みの方へ
会社と直接やり取りせずに、
退職手続きを進めたい方へ
「会社に連絡したくない」「引き止められるのが不安」という段階でもご相談いただけます。
現在の状況を確認し、内容証明による退職通知で進められるかをご案内します。
ご相談のみでも問題ありません。まずは現在の状況をお聞かせください。
退職届を出した後、会社に行かなくていいのか
「退職届を出したので、次の日から会社に行かなくてもよいのか」
「退職すると伝えたが、もう職場へ行くのがつらい」
「上司と顔を合わせずに辞めたい」
このような状況で、退職届を提出した後の出社について悩んでいる方は少なくありません。
結論からいうと、退職届を出しただけで、翌日から自動的に出社義務がなくなるわけではありません。
退職届を提出しても、記載した退職日までは雇用契約が続くことがあるためです。
ただし、退職日まで年次有給休暇を取得する、会社と出社不要で合意する、欠勤として取り扱われることを踏まえて出社しない旨を伝えるなど、退職届を提出した翌日以降、会社へ行かずに退職手続きを進める方法はあります。
重要なのは、何も伝えずに出社しなくなるのではなく、退職の意思、退職日、出社しない期間の扱いを明確にすることです。
これらを文書で整理して会社へ通知すれば、直接のやり取りを抑えながら退職を進めやすくなります。
退職届を出しただけでは出社不要にならない
退職届は、会社へ退職の意思を伝えるための書面です。
しかし、退職届を提出した日と、雇用契約が終了する退職日は必ずしも同じではありません。
例えば、4月1日に「4月15日をもって退職いたします」と記載した退職届を提出した場合、原則として4月15日までは在籍している状態です。
そのため、退職届を出したという事実だけで、4月2日から当然に出社しなくてよいことにはなりません。
一方、在籍している期間中でも、有給休暇を取得していれば出社する必要はありません。会社が早期の退職や出社不要に同意している場合も、合意した内容に従って手続きを進められます。
有給休暇がない場合には、退職日までの所定労働日が欠勤扱いとなる可能性があります。
つまり、確認すべきなのは「退職届を出したか」だけではなく、退職日はいつか、その日までの所定労働日をどのように処理するかという点です。
退職日と最終出社日は別に考える
会社へ行かずに辞めたい場合は、退職日と最終出社日を分けて考えることが重要です。
退職日は、雇用契約が終了する日です。
最終出社日は、実際に職場へ出勤する最後の日を意味します。
例えば、退職日が4月30日であっても、4月15日以降に有給休暇を取得すれば、最終出社日を4月14日とすることができます。
さらに、会社に退職意思を伝えた時点から出社が困難な場合には、通知が届いた日以降を有給休暇または欠勤として整理し、退職日まで一度も出社しない形を検討することもできます。
このように、翌日から会社へ行かないことと、翌日付で雇用契約を終了させることは同じではありません。
会社の同意によって翌日付で退職する場合もあれば、一定期間在籍したまま、有給休暇や欠勤によって出社しない場合もあります。
この違いを整理しておけば、「即日退職でなければ会社へ行かなければならない」と思い込む必要はありません。
退職の申入れから2週間というルール
期間の定めのない雇用契約では、民法627条により、退職の申入れから原則として2週間が経過することで雇用契約が終了するとされています。
そのため、会社が退職を承諾しない場合には、退職の意思が会社へ到達した日を基準として、2週間後を退職日とする方法が考えられます。
ここで注意したいのは、退職届を作成した日や郵送した日ではなく、会社へ退職意思が到達した日が重要になる点です。
退職届を自宅で作成しただけでは会社に意思が伝わっていません。郵送した場合も、会社へ配達されるまでには時間がかかります。
また、2週間という期間は、雇用契約がいつ終了するかという問題です。2週間すべてについて、必ず職場へ出社しなければならないという意味ではありません。
会社が早期退職に同意すれば、2週間を待たずに退職することも可能です。会社の同意がない場合でも、有給休暇や欠勤の扱いを整理することで、退職日まで出社しない形を検討できます。
有給休暇を使って出社せずに退職する方法
年次有給休暇が残っている場合は、退職日までの所定労働日に有給休暇を取得する方法があります。
例えば、退職意思が会社へ到達してから退職日までの間に所定労働日が10日あり、有給休暇も10日以上残っていれば、その期間について有給休暇を申請することで、到達後に出社せず退職日を迎えられる可能性があります。
必要な有給休暇の日数は、単純に14日分とは限りません。
民法上の2週間には、土曜日、日曜日、祝日などの公休日も含まれます。実際に必要となる有給休暇の日数は、その間の所定労働日数によって決まります。
有給休暇を希望する場合は、「残っている有給休暇を取得したい」とだけ伝えるのではなく、退職日までのどの日に取得するのかを明確にしておくことが大切です。
退職通知書には、次のような趣旨を記載します。
退職日までの所定労働日につきましては、残存する年次有給休暇を取得いたします。
有給休暇の残日数が分からない場合は、給与明細、勤怠管理システム、会社から交付された資料などを確認します。正確な残日数を確認できない場合には、残存する有給休暇の全部を退職日までに取得する旨を記載する方法もあります。
有給休暇がない場合の退職方法
有給休暇が残っていない場合や、退職日までの所定労働日数に足りない場合でも、会社へ行かずに退職手続きを進める方法はあります。
この場合、出社しない日については欠勤扱いとなり、通常はその期間の給与が発生しません。
ただし、何も伝えずに出社しなくなると、会社には退職の意思が伝わらず、単なる無断欠勤や安否不明として扱われる可能性があります。
本人は辞めたつもりでも、会社から電話が続いたり、緊急連絡先へ確認が入ったりする原因になります。
そのため、有給休暇がない場合でも、退職の意思と退職日を通知したうえで、心身の状態などから出社が困難であることを文書で伝えておくことが大切です。
体調不良によって勤務が難しい場合は、無理に出社を続けず、必要に応じて医療機関を受診することも検討します。会社に病気休暇や休職制度がある場合は、その利用を確認できることもあります。
会社が到達日や希望日での退職に同意すれば、その日で雇用契約を終了させることも可能です。
契約社員・パート・アルバイトの場合
退職のルールは、「正社員」「パート」「アルバイト」という名称だけで決まるものではありません。
重要なのは、雇用契約に期間の定めがあるかどうかです。
パートやアルバイトでも、契約期間が定められていない場合は、期間の定めのない雇用契約として民法627条の考え方が基本になります。
一方、契約社員など、契約期間が明確に定められている場合は、契約期間の途中で退職する際の考え方が異なります。
やむを得ない事情がある場合、会社と退職日について合意できる場合、一定期間を超えて勤務している場合など、契約内容や勤務状況によって整理が変わります。
そのため、契約社員や有期契約のパート・アルバイトが会社へ行かずに辞めたい場合は、雇用契約書や労働条件通知書の契約期間を確認したうえで、退職通知の内容を組み立てることが重要です。
会社から電話や出社を求められた場合
退職届を提出した後、会社から電話が来たり、一度出社して説明するよう求められたりすることがあります。
退職理由を詳しく聞かれることもあれば、引き止めや退職日の変更を求められることもあります。
しかし、退職意思を明確に伝えている場合、電話や対面で何度も説明し直す必要があるとは限りません。
電話では記録が残りにくく、相手の勢いに押されて、退職日や出社の有無について曖昧な返答をしてしまうことがあります。
直接のやり取りが負担になる場合は、今後の連絡方法を書面またはメールに限定したい旨を伝える方法があります。
退職手続きに関する今後のご連絡につきましては、記録保持および行き違い防止のため、書面またはメールにてお願いいたします。
会社からの連絡をすべて拒否するのではなく、退職手続きに必要な連絡は受ける前提で、記録が残る方法に切り替えるのがポイントです。
貸与品返却と退職書類の受取り
出社せずに退職する場合でも、会社から借りている物は返却する必要があります。
社員証、制服、鍵、入館証、パソコン、スマートフォン、健康保険の資格確認に関する書類など、手元にある貸与品を確認します。
会社へ持参することが難しい場合は、内容証明とは別便で、追跡できる方法により郵送返却する形が現実的です。
発送前に返却物の写真を撮り、同封物と追跡番号を控えておけば、返却記録を残せます。
内容証明郵便には文書以外の物を同封できないため、退職通知書には「貸与品は別便で返却する」と記載します。
あわせて、離職票、源泉徴収票、雇用保険関係書類など、退職後に必要となる書類を自宅へ郵送してほしい旨も伝えておくと、会社へ取りに行く必要を減らせます。
内容証明で退職意思を伝える方法
退職届を手渡すために会社へ行けない場合や、上司が退職届を受け取ってくれない場合には、内容証明郵便による退職通知を検討できます。
内容証明は、いつ、どのような内容の文書を、誰から誰宛てに差し出したかを記録できる郵便制度です。
配達証明を付けることで、会社へ配達された事実と日付も確認しやすくなります。
内容証明による退職通知には、主に次の事項を整理します。
- 退職する意思と退職日
- 退職日までの有給休暇取得希望
- 到達日以降に出社しない旨
- 貸与品の返却方法
- 退職関係書類の送付依頼
- 今後希望する連絡方法
内容証明を送るだけで、記載した退職日が無条件に確定するわけではありません。
一方で、退職意思、退職日、出社しない期間の扱い、退職後の手続きまで一つの文書に整理できるため、会社との認識の食い違いを防ぎやすくなります。
会社へ行きたくない場合ほど、「今日から行きません」とだけ連絡するのではなく、必要な事項を文書で整えて通知することが重要です。
まとめ|出社しない期間まで書面で整理する
退職届を出しただけで、次の日から自動的に出社義務がなくなるわけではありません。
退職届を提出した日と雇用契約が終了する日は異なることがあり、退職日までは在籍している状態が続くためです。
ただし、退職日と最終出社日を分けて考えれば、退職届を提出した翌日以降、会社へ行かずに退職手続きを進める方法はあります。
有給休暇が残っていれば、退職日までの所定労働日に取得する方法があります。
有給休暇がない場合や日数が足りない場合には、欠勤扱いとなることを踏まえ、出社が困難である旨を会社へ明確に伝えます。
会社が早期退職に同意すれば、申入れから2週間を待たずに雇用契約を終了できる場合もあります。
大切なのは、何も伝えずに会社へ行かなくなることではありません。
退職意思、退職日、有給休暇、欠勤、貸与品返却、退職書類の送付、今後の連絡方法を整理し、記録が残る形で通知することです。
「退職届を出したが、もう会社へ行きたくない」
「明日から出社することが難しい」
「会社と電話や対面でやり取りしたくない」
このような場合は、無断で出社を止める前に、内容証明による退職通知で進められるかを確認することが大切です。
現在の雇用契約、有給休暇の残日数、希望する退職日などを整理すれば、会社へ出社せずに退職手続きを進められる方法を検討できます。
退職についてお悩みの方へ
会社と直接やり取りせずに、
退職手続きを進めたい方へ
「会社に連絡したくない」「引き止められるのが不安」という段階でもご相談いただけます。
現在の状況を確認し、内容証明による退職通知で進められるかをご案内します。
ご相談のみでも問題ありません。内容をご確認いただいたうえで正式にご依頼いただけます。
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内容証明による退職通知で進められるかをご案内します。
退職日や今後の連絡方法などを整理して文書を作成します。
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