退職を考え始めたときに確認すべきポイントを一覧化。状況・緊急度・会社の体質に応じて、内容証明退職を選ぶべきかどうかの判断軸を行政書士が解説。出社不要にしたい方や、会社と話したくない方に最適な選択肢がわかります。
1.退職を考えたとき、まず確認すべき5つの項目
「辞めたい」
「今日もう会社に行きたくない」
そう感じたとき、感情が強くなる一方で、
何から手をつければ良いかわからなくなる方は多くいます。
そこでまず確認すべきなのは、次の5項目です。
■① 緊急度
- 今日行けないレベルなのか
- あと数日は出社できるのか
→ 緊急度により、選ぶ退職スキームは変わります。
■② 会社との距離感
- 話し合える会社なのか
- 連絡すら取りたくないのか
→ 電話連絡・対話できるかどうかが分岐点。
■③ 法的リスクの有無
- 未払い残業・ハラスメント
- 懲戒処分の示唆
→ 内容証明で対応できる範囲か、弁護士案件かを最初に判断。
■④ 有給・貸与物・シフトの状況
- 社員証・制服など返却物の整理
- 有給休暇の残数
→ 内容証明の文面に盛り込むべき要素が変わります。
■⑤ 退職日の希望
- 本日付
- 到達日退職
- 有給消化後退職
→ 設計により、出社の要否や会社からの連絡頻度が変わります。
2.【チェックリスト】今の状況を整理するための15項目
以下の15項目は、行政書士が相談を受ける際に確認する“必須ポイント”です。
このチェックリストを埋めるだけで、退職の準備状況が一瞬で可視化できます。
■基本情報
- 雇用形態(正社員・契約社員・パート等)
- 勤続年数
- 就業先名・部署
■実務状況
- 有給休暇の残数
- 貸与物の有無(PC/制服/鍵/社員証)
- 引き継ぎ状況(未完了・対応中・済み)
- 書面での退職届提出歴
■トラブルの有無
- パワハラ・モラハラ
- 未払い残業・給与遅延
- 懲戒処分の示唆
- 退職拒否の発言の有無
■心理的・体調面
- 出社できる精神状態か
- 電話対応が可能か
■今後のスケジュール
- 希望退職日
- 今日・明日出社可能か
この15項目が整理できれば、
どの退職スキームを選ぶべきかが明確になります。
3.退職方法の選択肢は大きく3つある
退職方法は次の3つに大別できます。
■① 自分で会社に伝える(通常退職)
メール・紙・口頭で退職意思を伝える方法。
- 会社と対話できる人向け
- トラブルが少ないケースで有効
■② 退職代行(民間サービス/弁護士)
電話で会社に連絡してもらう方法。
- 会社と話したくない
- 交渉が必要なケース
ただし民間代行は 非弁リスク があるため注意が必要です。
■③ 内容証明による退職(行政書士対応)
書面で退職意思・退職日・貸与物の扱いを明確化し、
出社不要 にできる実務上もっとも安全な方法。
- 電話したくない
- 出社したくない
- 記録を残したい
というニーズに最も適合します。
4.内容証明退職が向いているケースとは?
行政書士が実務で見てきた中で、
内容証明が最適といえるケースは次のとおりです。
■① とにかく今日・明日がつらい
もう出社できない、電話もしたくない人に最適。
■② 会社が感情的で、言った言わないが起きそう
記録を残すことでトラブル予防になります。
■③ 退職日を明確に確定したい
「到達日退職」「本日付退職(効力は到達日)」など、
法的根拠を持ったスキームが構築できます。
■④ 実務上の手続き(貸与物・社会保険)まで整理したい
書面にまとめることで、曖昧さがなくなります。
5.内容証明が向かないケース(弁護士案件)
次の場合、行政書士では限界があるため、
弁護士へつなぐべきです。
■① 未払い給与・残業代の請求をしたい
→ 内容証明は可能ですが、交渉・請求は弁護士領域。
■② 会社が損害賠償を明確に示唆している
→ 法的紛争に発展している可能性が高い。
■③ 退職拒否を超えた「強行」対応が想定される
→ 法的介入が必要。
内容証明はあくまで「事実整理と記録の保全」。
交渉は行わない点が行政書士の特徴であり、
ここに線引きを置くことで安全性が担保できます。
6.今のあなたが選ぶべき退職方法の判断軸
退職スキームを選ぶ際の判断軸は以下の4つです。
■① 緊急度
- 今日・明日が限界 → 内容証明
- 1〜2週間持つ → 通常退職も可
■② 対話できるか
- 電話・話し合いが可能 → 通常退職
- 電話したくない → 内容証明 or 退職代行
■③ トラブルの有無
- トラブルなし → 内容証明または通常退職
- トラブルあり → 内容証明+弁護士連携
■④ 記録の必要性
- 証拠を残したい → 内容証明
- 不要 → 通常退職
7.退職準備をスムーズに進めるためのコツ
退職準備は次の“3ステップ”で進めると効率的です。
■ステップ① 状況の整理(チェックリスト活用)
前述の15項目を埋めれば、方向性が明確になります。
■ステップ② 退職日の設計
- 到達日退職
- 本日付退職(効力は到達日)
- 有給消化後
この3つから、心理的・実務的に無理のないものを選びます。
■ステップ③ 書面で一気に整理する
内容証明では、
- 退職意思
- 退職日
- 貸与物
- 連絡のお願い
- 今後の対応
をすべて書面化できます。
これにより、出社不要・電話不要の状態にスムーズに移行できます。
8.まとめ|“出社したくない日”に備えるために
退職を考えた瞬間、
多くの人が「何から始めればいいのか」がわからず迷います。
しかし、
- 状況整理(チェックリスト)
- 退職スキームの選択
- 書面での整理(内容証明)
この3つを押さえるだけで、
退職は驚くほどスムーズになります。
特に、会社と話したくない方や、
「今日もう行けない」という方にとって、
内容証明退職は もっとも負担の少ない“合法的な出口” となります。
あなたが一歩踏み出すために、
行政書士としてできる限りのサポートを行います。


