建設業許可を自分で申請する場合と行政書士へ依頼する場合の違いを解説します。費用、手間、許可取得までの期間、補正リスクなどを比較し、どちらが向いているのかをわかりやすく説明します。
建設業許可は自分でも申請できる
建設業許可について調べ始めると、「行政書士に頼まないと取れないのでは?」と思われる方もいます。
しかし、建設業許可は行政書士へ依頼しなければ取得できない許可ではありません。
申請者自身が必要書類を集め、申請書を作成し、行政庁へ提出することも可能です。
実際に自力で許可を取得している事業者も存在します。
そのため、「自分で申請する」「行政書士へ依頼する」のどちらかを選ぶことになります。
ただし、この選択は単純に費用だけで決めるべきものではありません。
建設業許可は会社ごとに状況が大きく異なるため、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で判断することが大切です。
自分で申請する最大のメリット
自分で申請する最大のメリットは費用を抑えられることです。
行政書士報酬が発生しないため、基本的には法定手数料と各種証明書の取得費用だけで済みます。
特に創業間もない会社や一人親方の場合、少しでも出費を抑えたいという考えは自然なことでしょう。
また、自分で申請することで建設業法や許可制度への理解が深まるという側面もあります。
今後の更新申請や変更届を見据えると、一度自分で手続きを経験することには一定の価値があります。
そのため、
- 時間に余裕がある
- 書類整理が得意
- 勉強しながら進めたい
という方には、自力申請が向いている場合もあります。
実際には書類作成より資料集めが大変
建設業許可を自分で申請する際、多くの方が誤解していることがあります。
それは、申請書作成が大変だと思っていることです。
実際には、申請書を書く作業よりも、必要資料を集める作業の方が圧倒的に大変です。
特に問題になるのが、
- 経営業務管理責任者の経験証明
- 専任技術者の実務経験証明
- 営業所関係資料
です。
経験はあるものの、「どの資料を使えば証明できるのか分からない」「資料はあるが不足している」「工事内容が読み取れない」というケースは非常に多くあります。
建設業許可では「経験がある」ことよりも、「経験を証明できる」ことが重要になります。
行政書士へ依頼するメリット
行政書士へ依頼する最大のメリットは、要件確認から申請完了までを効率的に進められることです。
建設業許可では、「経営業務管理責任者が成立するのか」「専任技術者として認められるのか」「どの資料を提出すべきか」といった判断が必要になります。
行政書士へ依頼すると、これらを事前に確認しながら進めることができます。
また、申請書作成だけでなく、補正対応や行政庁とのやり取りも任せられるため、本業への影響を最小限に抑えられます。
建設業者にとって最も重要なのは現場と営業です。
許可申請に何十時間も使うより、その時間を本業へ充てた方が利益につながることも少なくありません。
行政書士へ依頼するデメリット
一方で、行政書士へ依頼すると当然ながら費用が発生します。
愛知県内の建設業許可新規申請では、行政書士報酬として10万円から15万円程度が一つの目安になります。
法定手数料と合わせると、それなりの金額になるため、できるだけ費用を抑えたいという方には負担に感じることもあるでしょう。
また、依頼したからといって全て丸投げできるわけではありません。
資料の所在を知っているのは会社自身です。
そのため、
- 契約書を探す
- 請求書を探す
- 資格証を準備する
といった作業は依頼者側にも発生します。
どんな会社なら自分で申請しやすいのか
自力申請に向いているのは比較的シンプルな案件です。
例えば、
- 代表者自身が経営業務管理責任者になる
- 国家資格で専任技術者要件を満たす
- 法人設立からの資料が整理されている
- 営業所も明確
というケースです。
このような案件であれば、比較的スムーズに準備できる可能性があります。
また、急ぎではなく時間に余裕がある場合も自力申請に向いています。
役所へ相談しながら進めることもできるため、費用を優先するのであれば十分選択肢になるでしょう。
行政書士へ依頼した方がよいケース
反対に、次のようなケースでは専門家へ依頼するメリットが大きくなります。
- 法人成りしたばかりの会社
- 実務経験で専任技術者を証明するケース
- 親族会社での経験を利用するケース
- 経営業務管理責任者の経験証明が複雑なケース
- 許可取得を急いでいるケース
このような案件では、「どの資料を使うか」「どう説明するか」によって結果が変わることがあります。
申請書作成そのものよりも、証明方法の選択が重要になるためです。
費用だけで判断すると失敗する理由
建設業許可を検討している方の中には、行政書士報酬がもったいないという理由だけで自力申請を選ぶ方もいます。
しかし、本当に比較すべきなのは報酬額だけではありません。
例えば、「何日も資料整理に時間を使った」「何度も役所へ足を運んだ」「補正対応でさらに時間がかかった」という場合、その時間的コストは決して小さくありません。
建設業者の場合、その時間で現場管理や営業活動を行った方が利益につながることもあります。
そのため、支払う費用だけでなく、失う時間も含めて考える必要があります。
結局どちらが得なのか
結論としては、会社の状況によって変わります。
要件がシンプルで時間に余裕があるのであれば、自分で申請することも十分可能です。
一方で、
- 許可取得を急いでいる
- 実務経験証明が必要
- 資料整理に不安がある
- 本業が忙しい
という場合は、行政書士へ依頼した方が結果的に効率的なことが多いでしょう。
実際には、「費用を節約するために自力申請を始めた」「途中で断念して専門家へ依頼した」というケースも少なくありません。
まとめ
建設業許可は自分で申請することも可能です。
費用を抑えられるという大きなメリットがあります。
しかし、建設業許可で本当に大変なのは申請書作成ではなく、
- 経営業務管理責任者の証明
- 専任技術者の証明
- 添付資料の整理
です。
そのため、「時間を優先するのか」「費用を優先するのか」によって最適な選択は変わります。
要件がシンプルな案件であれば自力申請も十分可能です。
一方で、急ぎ案件や証明が複雑な案件では、行政書士へ依頼した方が結果的に早く、確実に許可取得へつながることも少なくありません。
建設業許可は取得後も長く付き合う制度です。目先の費用だけでなく、自社にとって最も効率的な方法を選ぶことが大切です。
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