退職時に会社から損害賠償を請求されそうで不安な場合に、内容証明で退職意思や今後の連絡方法を通知できるのかを解説します。違約金、研修費、欠勤、急な退職、貸与品破損などを理由に会社から金銭請求を受けそうな場合の注意点を行政書士が説明します。
内容証明の作成を検討中の方へ
「この内容でも送れる?」という段階でも、まずは文案整理からご相談いただけます。
内容証明は、感情的に書きすぎたり、必要な事実が整理されていなかったりすると、かえってトラブルが大きくなることがあります。
契約解除通知・催告通知・返還請求・退職通知などについて、現在の状況を確認したうえで、内容証明として整理できるかをご案内します。
※ご相談のみでも問題ありません。内容・相手方・送付目的を確認したうえで、進め方と費用の目安をご案内します。
会社から損害賠償を請求されそうで不安な方へ
会社を辞めたいが、「今辞めたら損害賠償を請求する」と言われている。
急に退職したら、会社から費用を請求されるのではないかと不安。
退職を伝えたところ、研修費、制服代、代替要員の費用、売上損失などを請求すると言われた。
このような場合、退職通知を内容証明で送ってよいのか、どのような文面にすべきか悩む方がいます。
会社から損害賠償請求を示唆されている場合は、通常の退職通知よりも慎重に整理する必要があります。
退職の意思を伝えることと、会社からの金銭請求に対応することは、同じ問題ではありません。
退職意思や退職日を会社へ通知することはできます。
一方で、会社からの損害賠償請求について、金額の妥当性を争ったり、支払う・支払わないという交渉をしたりする場合は、行政書士の内容証明作成とは対応範囲が異なる可能性があります。
内容証明でできることは、退職意思、退職日、今後の連絡方法、貸与品返却、必要書類などを文書で整理して通知することです。
また、会社から金銭請求を受けている場合に、請求内容や根拠を文書で確認したい旨を記載することがあります。
ただし、損害賠償請求そのものに対する反論や交渉が中心になる場合は、対応を分けて考える必要があります。
退職時に会社から金銭請求を示唆されるケース
退職時に、会社から損害賠償や費用負担を示唆されるケースがあります。
たとえば、次のような場面です。
・急に辞めるなら損害賠償を請求すると言われた
・後任が決まるまで辞められないと言われた
・人手不足でシフトに穴が空くから損害だと言われた
・研修費や教育費を返せと言われた
・制服代や備品代を請求すると言われた
・営業上の損失を請求すると言われた
・貸与品の紛失や破損を理由に請求されそう
・無断欠勤や突然の退職を理由に請求されそう
このようなことを言われると、退職できないのではないかと不安になる方もいます。
特に、会社から強い口調で「損害賠償になる」「裁判になる」「費用を払ってもらう」と言われると、退職意思を伝えること自体が怖くなってしまうことがあります。
しかし、会社から金銭請求を示唆されたからといって、すぐに全額を支払う必要があるとは限りません。
また、会社が言っている金額や理由が、当然に正しいとも限りません。
まずは、何を理由に、いくらを、どのような根拠で請求しようとしているのかを整理する必要があります。
退職通知を内容証明で送る場合も、会社からの請求を安易に認める文面にしないことが大切です。
「辞めたら違約金」と「実際の損害賠償」は分けて考える
退職時の金銭請求では、「辞めたら違約金を払う」という話と、「実際に発生した損害を請求する」という話を分けて考える必要があります。
たとえば、雇用契約書や誓約書に、次のような記載があるケースがあります。
・入社後〇か月以内に退職した場合は〇万円を支払う
・研修後〇年以内に退職した場合は研修費全額を返還する
・無断退職した場合は違約金として〇万円を支払う
・会社に損害を与えた場合は一律〇万円を支払う
このように、あらかじめ一定額の違約金や損害賠償額を定める内容には注意が必要です。
労働契約では、労働者の退職を過度に制限するような違約金や賠償予定が問題になることがあります。
一方で、会社が「現実に発生した損害がある」と主張して請求してくる場合は、別の問題になります。
つまり、「契約書に書いてあるから必ず払わなければならない」と単純には言えません。
同時に、「会社からの損害賠償請求はすべて無視してよい」とも言い切れません。
会社から金銭請求を受けている場合は、契約書、誓約書、就業規則、会社からの請求書、LINEやメールなどを確認し、何を根拠に請求されているのかを整理することが重要です。
内容証明を作成する場合も、退職通知と損害賠償請求への対応を混同しないようにしましょう。
内容証明でできること・できないこと
会社からの損害賠償請求が不安な場合でも、内容証明で退職意思を通知することは検討できます。
内容証明でできることとしては、次のようなものがあります。
・退職の意思を通知する
・退職日を明確にする
・今後の連絡方法を指定する
・貸与品の返却方法を通知する
・退職後書類の送付を求める
・会社からの請求内容について文書での説明を求める
・請求の根拠資料や内訳の提示を求める
たとえば、会社から「辞めるなら損害賠償を請求する」と言われている場合、退職通知の中で、退職意思と退職日を明確にしつつ、金銭請求については具体的な根拠や内訳を文書で示してほしい旨を記載することがあります。
ただし、内容証明でできないこと、または注意すべきこともあります。
・会社との金額交渉を代理すること
・損害賠償請求の法的な勝敗を断定すること
・相手方に対して請求を放棄させる交渉をすること
・訴訟や労働審判を代理すること
・会社からの請求に対する全面的な紛争対応をすること
行政書士が対応できるのは、退職通知書や内容証明の文案作成が中心です。
会社から金銭請求を受けていて、具体的な反論や交渉が必要になる場合は、対応できる範囲が異なります。
そのため、内容証明を作成する前に、今回の目的が「退職意思を通知すること」なのか、「会社からの損害賠償請求に反論すること」なのかを整理することが大切です。
退職意思と退職日を明確に通知する
会社から損害賠償を請求されそうで不安な場合でも、退職意思と退職日は明確にする必要があります。
不安があるからといって、退職意思を曖昧にしたままにすると、会社からの連絡が続いたり、退職日をめぐって認識違いが起きたりする可能性があります。
内容証明で退職通知を送る場合は、次のような表現で退職意思と退職日を整理します。
・本書により、退職する意思を通知いたします
・令和〇年〇月〇日をもって退職いたします
・令和〇年〇月〇日を退職日として、退職する意思を通知いたします
退職日を決めるときは、雇用契約の内容を確認します。
期間の定めのない雇用契約なのか。
有期雇用契約なのか。
試用期間中なのか。
就業規則に退職申出期間が定められているのか。
このような事情によって、退職日の考え方は変わります。
特に、有期雇用契約や業務委託に近い契約形態の場合は、契約内容を慎重に確認する必要があります。
会社から損害賠償を示唆されている場合ほど、退職通知の文面は冷静に整える必要があります。
「会社の請求は不当です」「一切支払いません」といった表現を退職通知の中心にするのではなく、まず退職意思と退職日を明確にすることが大切です。
損害賠償請求については安易に認めない
会社から損害賠償請求を示唆されている場合、退職通知の文面で安易に責任を認めないよう注意が必要です。
たとえば、次のような表現は避けた方がよい場合があります。
・会社にご迷惑をおかけしたので損害を負担します
・損害賠償については後日お支払いします
・請求金額については退職後に対応します
・自分の責任で損害が発生したことは認めます
このような表現を入れると、後から会社に「本人も責任を認めている」と受け取られる可能性があります。
退職時に申し訳ない気持ちがあっても、金銭請求については慎重に扱うべきです。
会社から具体的な請求を受けている場合は、まず請求内容を確認します。
何を理由に請求しているのか。
請求金額はいくらか。
どのような計算根拠なのか。
契約書や就業規則のどの条項に基づくのか。
実際に発生した損害なのか。
このような点を整理する必要があります。
内容証明では、必要に応じて、次のような趣旨を入れることがあります。
・損害賠償請求がある場合は、請求内容、金額、算定根拠および資料を文書でご提示ください
・金銭請求に関するご連絡は、記録に残る方法でお願いいたします
・具体的な請求内容が確認できない段階で、支払義務を認めるものではありません
ただし、このような表現は、事案によっては会社との対立を強める可能性もあります。
会社からすでに具体的な金銭請求を受けている場合は、内容証明でどこまで書くかを慎重に判断しましょう。
会社から請求された内容・証拠を整理する
会社から損害賠償を請求されそうな場合、まず証拠や資料を整理しましょう。
不安だけで文面を作ると、必要以上に強い内容になったり、逆に重要な点が抜けたりすることがあります。
整理しておきたい資料は、次のようなものです。
・雇用契約書
・労働条件通知書
・就業規則
・誓約書
・研修費に関する書類
・貸与品に関する書類
・会社からの請求書
・会社からのLINEやメール
・上司や人事担当者とのやり取り
・退職届や退職通知書の文案
・出勤簿やシフト表
・欠勤や退職に関する連絡履歴
会社が「損害賠償を請求する」と言っているだけなのか。
具体的な金額を請求しているのか。
請求書や文書が届いているのか。
LINEや口頭だけで言われているのか。
この違いによって、対応方法が変わります。
口頭で強く言われているだけの場合は、まず退職意思や今後の連絡方法を内容証明で整理することがあります。
一方で、すでに会社から具体的な請求書や内容証明が届いている場合は、単なる退職通知ではなく、金銭請求への対応が中心になる可能性があります。
会社からの請求内容が不明確な場合は、慌てて支払うのではなく、まず請求内容と根拠を確認しましょう。
貸与品・引き継ぎ・退職後書類も整理する
会社から損害賠償を請求されそうで不安な場合は、貸与品や引き継ぎ、退職後書類も整理しておきましょう。
会社からの金銭請求が、貸与品の紛失や破損、返却遅れに関係していることがあります。
たとえば、次のようなものです。
・社員証
・名札
・制服
・鍵
・入館証
・パソコン
・スマートフォン
・会社資料
・その他会社から貸与されている物
手元に貸与品がある場合は、返却方法を明確にすることが大切です。
郵送で返却するのか。
会社から返却先を指定してもらうのか。
すでに返却済みなのか。
返却物の写真や発送控え、追跡番号を残しているのか。
このような点を整理しましょう。
また、会社から「引き継ぎをしないなら損害賠償」と言われている場合もあります。
この場合も、感情的に反論するのではなく、退職日、業務状況、引き継ぎ資料の有無、会社とのやり取りを整理することが重要です。
退職後の書類についても、必要に応じて文面に入れることがあります。
源泉徴収票、離職票、退職証明書、資格喪失証明書などが必要な場合は、会社へ送付を求める内容を整理します。
ただし、損害賠償請求への対応、貸与品返却、退職後書類の請求を一つの文書に詰め込みすぎると、目的が分かりにくくなることがあります。
今回の内容証明で何を一番伝えたいのかを決めてから文面を作成しましょう。
行政書士に相談する場合の確認ポイント
会社からの損害賠償請求が不安な場合は、行政書士に退職通知書や内容証明の文案作成を相談できることがあります。
行政書士は、退職意思、退職日、今後の連絡方法、貸与品返却、退職後書類の請求などを整理した通知書の作成を中心にサポートできます。
また、会社から金銭請求を示唆されている場合に、請求内容や根拠を文書で確認するための文面を検討することがあります。
相談時には、まず現在の状況を整理します。
会社から本当に損害賠償請求を受けているのか。
口頭で言われただけなのか。
LINEやメールで言われたのか。
請求書や文書が届いているのか。
金額はいくらなのか。
何を理由に請求されているのか。
退職日はいつにしたいのか。
雇用契約の期間はどうなっているのか。
貸与品や私物はあるのか。
このような事情によって、内容証明の文案は大きく変わります。
相談時に準備しておくとよい資料は、次のようなものです。
・雇用契約書
・労働条件通知書
・就業規則
・誓約書
・会社からの請求書
・会社とのLINEやメール
・退職届や退職通知書の文案
・退職希望日が分かる資料
・欠勤や退職に関する連絡履歴
・貸与品の一覧
・返却済みの物が分かる資料
・退職後に必要な書類の一覧
行政書士に相談する場合は、まず内容証明による退職通知や確認文書の作成で対応できる段階か、それとも金銭請求への本格的な対応が必要な段階かを確認しましょう。
まとめ
会社からの損害賠償請求が不安な場合でも、退職意思を内容証明で通知することは検討できます。
ただし、通常の退職通知よりも慎重に文面を作成する必要があります。
会社から「辞めたら損害賠償を請求する」「研修費を返してもらう」「シフトに穴が空くから損害だ」と言われると、不安になるのは当然です。
しかし、会社が言っているからといって、当然に全額を支払わなければならないとは限りません。
まずは、何を理由に、いくらを、どのような根拠で請求しようとしているのかを整理することが大切です。
退職通知の内容証明では、退職意思と退職日を明確に書きます。
また、今後の連絡方法、貸与品の返却方法、退職後書類の送付依頼なども必要に応じて整理します。
会社から損害賠償請求を示唆されている場合は、退職通知の文面で安易に責任を認めないよう注意しましょう。
「損害を負担します」「後日支払います」といった表現は、後から不利に受け取られる可能性があります。
必要に応じて、損害賠償請求がある場合は、請求内容、金額、算定根拠、資料を文書で示してほしい旨を記載することがあります。
「退職したら損害賠償を請求すると言われて不安」
「会社から金銭請求されそうだが、退職意思は文書で伝えたい」
「内容証明でどこまで書いてよいか分からない」
このような場合は、雇用契約書、労働条件通知書、就業規則、会社からの請求内容、LINEやメール、貸与品、退職希望日を整理し、内容証明で対応できる範囲か確認するところから始めましょう。
ご相談から内容証明作成・発送までの流れ
内容証明は、ただ強い言葉を書けばよいものではありません。
送る目的、相手方との関係、請求内容、証拠の有無などを確認したうえで、文案を整理して進めます。
無料相談・状況確認
まずは、どのような相手に、何を伝えたいのかを確認します。契約解除、催告、返還請求、退職通知など、内容証明を検討している理由を整理します。
資料・事実関係の確認
契約書、請求書、LINE、メール、領収書、相手方とのやり取りなど、文案作成に必要な資料を確認します。
対応範囲・費用のご案内
内容証明として整理できる内容か、行政書士として対応できる範囲かを確認したうえで、費用の目安をご案内します。
文案作成
感情的な表現を避け、通知したい内容、請求内容、期限、今後の対応などを内容証明に適した形で整理します。
内容確認・修正
作成した文案をご確認いただき、事実関係や希望内容に合わせて必要な修正を行います。
発送手続き・控えのご案内
内容証明の発送方法、配達証明、控えの保管方法などをご案内します。発送サポートが必要な場合もご相談いただけます。
送付後の注意点のご案内
相手方から連絡が来た場合、すぐに感情的に返信せず、内容を確認したうえで次の対応を整理することが大切です。
※相手方との交渉、紛争対応、訴訟対応、損害賠償請求の代理などが必要になる場合は、対応できる範囲が異なります。当事務所では、内容証明の文案作成・通知書作成を中心にサポートします。
全国対応
全国からご相談・ご依頼いただけます
坂下行政書士事務所では、全国からのご相談・ご依頼に対応しています。
LINE・メール・郵送等を利用して手続きを進められるため、遠方の方もお気軽にご相談ください。
※手続内容によって対応方法が異なる場合があります。詳しくはご相談時にご案内します。
内容証明の作成でお困りの方へ
「この内容でも送れる?」「どう書けばよいか分からない」という段階でも構いません。
契約解除通知・催告通知・返還請求・退職通知などについて、
現在の状況を確認したうえで、内容証明として整理できるかをご案内します。
内容証明作成
16,500円~(税込)
※内容・ボリュームにより変動します。正式な費用は事前にご案内します。
「どこまで書いてよい?」「この内容でも送れる?」という段階でも、感情的な表現を避け、内容証明に適した形で文案を整理します。
※ご相談のみでも問題ありません。現在の状況を確認したうえで、進め方をご案内します。


