貸したお金や売掛金が支払われず、内容証明を送ろうとしている。
元本だけでなく、支払いが遅れている期間の遅延損害金も請求したい。
このような場合、遅延損害金を請求できる状況であれば、元本とあわせて内容証明で支払いを求めることができます。
ただし、遅延損害金は自由に金額を決めてよいものではありません。
契約書に定めがあるのか、いつから支払いが遅れているのか、どの利率を使うのかを確認したうえで計算する必要があります。
この記事では、内容証明で遅延損害金を請求するときに確認したいポイントを分かりやすく解説します。
内容証明で遅延損害金を請求したい方へ
請求書の支払期限を過ぎているのに代金が支払われない。
貸したお金の返済期限を過ぎても返してもらえない。
何度催促しても、
「もう少し待ってほしい」
「来月には支払う」
と言われるだけで、支払いが先延ばしになっている。
このような場合、元本だけでなく遅延損害金についても確認することがあります。
遅延損害金は、金銭の支払いが遅れたことによる損害について支払われる金銭です。
そのため、一定の条件を満たしていれば、未払いになっている元本とあわせて内容証明で請求することができます。
ただし、
「半年遅れているから〇万円追加する」
というように自由に金額を決めることはできません。
まずは契約内容、支払期限、適用する利率を確認する必要があります。
遅延損害金とは何か
遅延損害金は、約束した期限までに金銭が支払われなかった場合に発生する損害賠償です。
たとえば、
売買代金。
業務委託料。
貸したお金。
請負代金。
その他の未払い金。
などについて、支払期限を過ぎても支払われていない場合に問題になります。
利息と似ていますが、意味は異なります。
利息は、お金を貸している期間について発生するものです。
一方、遅延損害金は、支払うべき期限を過ぎた後の期間について発生するものです。
そのため、貸金の場合には、
返済期限までは利息。
返済期限を過ぎた後は遅延損害金。
という形になることがあります。
内容証明を作成するときは、元本・利息・遅延損害金を混同せず、それぞれの根拠を確認することが大切です。
契約書に遅延損害金の定めがある場合
まず確認したいのが契約書です。
契約書には、
「支払期日を過ぎた場合、年〇%の割合による遅延損害金を支払う」
といった条項が設けられていることがあります。
このような定めがある場合は、まずその内容を確認します。
たとえば、
遅延損害金の利率
どの債務について適用されるのか
いつから発生するのか
などです。
ただし、契約書に利率が書かれていれば、どのような数字でもそのまま請求できるとは限りません。
貸金であれば利息制限法、事業者と消費者との契約であれば消費者契約法など、契約の種類によって上限が問題になることがあります。
そのため、契約書に書かれている数字だけを見て計算するのではなく、その利率を請求に使用できるかまで確認することが重要です。
遅延損害金の定めがない場合
契約書に遅延損害金について何も書いていないケースもあります。
「遅延損害金を書いていないから、元本しか請求できない」
と思われることがありますが、必ずしもそうではありません。
金銭債務の支払いが遅れている場合、契約で別の定めがなければ、法定利率による遅延損害金が問題になります。
2026年4月1日から2029年3月31日までの法定利率は年3%です。
ただし、法定利率は将来変動する仕組みになっています。
また、どの時点の法定利率が適用されるかは、支払いが遅れた時期などによって確認する必要があります。
そのため、
「現在は年3%だから、すべて年3%で計算すればよい」
と単純に判断しないことも大切です。
契約時期や支払期限、遅滞が始まった時期を確認して計算します。
遅延損害金はいつから発生するのか
遅延損害金を計算するときに重要なのが、いつから支払いが遅れているのかという点です。
たとえば、
「令和〇年〇月31日までに50万円を支払う」
と期限が明確に決められている場合は、その期限を基準に考えます。
民法では、確定した期限がある債務については、その期限が到来したときから遅滞の責任を負うとされています。
一方、
「返済期限を決めずにお金を貸した」
「支払日について明確な約束をしていない」
というケースでは考え方が異なることがあります。
期限を定めていない債務については、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負うという民法上の規定があります。
そのため、遅延損害金を請求するときは、
元本はいくらか。
支払期限はいつだったか。
期限が決まっていなければ、いつ請求したか。
を確認することが重要です。
内容証明を送ること自体が、明確な支払期限を定めた請求として意味を持つケースもあります。
遅延損害金の計算方法
遅延損害金は、一般的には、
元本 × 遅延損害金率 × 遅延日数 ÷ 365日
という考え方で計算します。
たとえば、元本50万円について年3%の遅延損害金が発生し、100日間支払いが遅れている場合は、
50万円 × 3% × 100日 ÷ 365日
という形で計算します。
ただし、実際には、
契約で別の利率を定めている。
途中で一部入金があった。
複数の支払期限がある。
分割払いになっている。
複数回に分けて貸している。
といったケースがあります。
その場合は、単純に現在の残額へ一定期間の利率を掛けるだけでは正確に計算できないことがあります。
内容証明に具体的な遅延損害金額を書く場合は、元本・利率・起算日・計算期間を確認してから記載することが大切です。
また、送付後も支払いまで遅延損害金が増えていく場合は、
「〇年〇月〇日から支払済みまで年〇%の割合による遅延損害金」
という形で請求内容を整理する方法もあります。
一部入金がある場合の確認ポイント
未払い金の一部だけ支払われている場合は、遅延損害金の計算にも注意が必要です。
たとえば、
元本80万円。
返済期限後に20万円の入金。
その後は支払いが止まっている。
というケースです。
この場合、
「現在の残額は60万円だから、最初の日から60万円について計算する」
だけで正しいとは限りません。
いつ20万円が支払われたのか。
その支払いをどの債務へ充当するのか。
それまでに利息や遅延損害金が発生しているのか。
などを確認する必要があります。
分割払いの場合も同様です。
毎月10万円ずつ支払う約束で、一部の回だけ滞納しているのであれば、それぞれの支払期限を確認します。
内容証明を作る前には、入金日・入金額・現在の残額を時系列で整理することが重要です。
振込履歴や通帳、領収書などを確認してから請求額を確定しましょう。
遅延損害金を請求する内容証明に何を書くか
遅延損害金を含めて内容証明を送る場合は、相手方が請求内容を理解できるように整理します。
基本的には、
元本となる請求金額
元の支払期限
現在の未払い額
遅延損害金の利率
遅延損害金の起算日
今回の支払期限
振込先
などを記載します。
たとえば、
「令和〇年〇月〇日を支払期限とする代金50万円について、現在まで支払いが確認できていません。」
と対象となる債務を明確にします。
そのうえで、
「つきましては、上記50万円および令和〇年〇月〇日から支払済みまで年〇%の割合による遅延損害金を、本書到達後〇日以内にお支払いください。」
というように請求内容を整理します。
遅延損害金を一定の日まで具体的に計算して請求する場合は、その金額を記載する方法もあります。
重要なのは、元本と遅延損害金を区別し、何を根拠としていくら請求しているのか分かる文面にすることです。
遅延損害金を含む内容証明を弊所に依頼する場合
未払い金について遅延損害金まで請求したい場合、
「契約書に遅延損害金の記載があるが、この利率でよいか分からない」
「契約書には何も書いていない」
「いつから遅延損害金を計算すればよいか分からない」
「途中で一部だけ支払われている」
「元本と遅延損害金を含めた内容証明を作ってほしい」
ということがあります。
坂下行政書士事務所では、契約書、借用書、請求書、振込履歴、LINE・メールなどを確認しながら、未払い金と遅延損害金の請求内容を整理した内容証明の文案を作成します。
まず、
何についての未払いなのか。
元本はいくらなのか。
支払期限はいつだったのか。
遅延損害金についてどのような合意があるのか。
途中で入金があったのか。
といった内容を確認します。
そのうえで、適用する利率や起算日を整理し、相手方へ請求する内容を文面にまとめます。
「遅延損害金も請求できるのか分からない」という段階から、手元の資料を確認して進めることができます。
まとめ
貸金、売掛金、業務委託料などの支払いが遅れている場合は、状況に応じて遅延損害金を元本とあわせて内容証明で請求することができます。
ただし、遅延損害金を請求するときは、
元本はいくらか。
支払期限はいつだったのか。
契約で遅延損害金率を定めているか。
どの利率が適用されるのか。
いつから計算するのか。
を確認することが重要です。
契約で遅延損害金について定めていない場合でも、法定利率による請求が問題になることがあります。
一方、契約書に高い遅延損害金率が書かれていても、そのまま全額を請求できるとは限りません。
また、一部入金や分割払いがある場合は、計算が複雑になることもあります。
内容証明では、元本・利率・起算日・支払期限を整理し、相手方に何を請求しているのか明確にすることがポイントです。
「元本だけでなく遅延損害金も請求したい」
「契約書に書かれた利率で請求してよいか確認したい」
「いつから遅延損害金が発生するのか分からない」
「未払い金と遅延損害金をまとめて内容証明で請求したい」
このような場合は、契約内容と支払状況を確認しながら、遅延損害金を含む内容証明の文案を整理するところからご相談いただけます。
内容証明の作成・発送|全国対応
内容証明を送りたい方へ、
まずはご相談ください。
送付目的とこれまでの経緯を伺い、文案作成から内容証明郵便の発送まで対応します。


