建設業許可業者の広告表示について解説します。ホームページ、名刺、チラシ、看板、会社案内に建設業許可番号を表示する際の注意点、未許可業種の誤認表示、更新後の修正までわかりやすく説明します。
建設業許可業者の広告表示とは
建設業許可業者の広告表示とは、ホームページ、名刺、チラシ、会社案内、看板、見積書、契約書などに、建設業許可に関する情報を表示することをいいます。
建設業許可を取得すると、会社の信用力を示す材料になります。
元請会社や発注者にとって、建設業許可を持っているかどうかは重要な確認事項です。
そのため、建設業許可番号や許可業種を広告・営業資料に表示することは、受注活動において有効です。
しかし、広告表示は自由に何を書いてもよいわけではありません。
許可を取得している事実を正しく表示することは問題ありませんが、持っていない許可を持っているように見せたり、対応できない業種まで許可があるように見せたりすると、誤認を招くおそれがあります。
特にホームページは、多くの人が確認する媒体です。
一度公開すると、古い情報や不正確な情報がそのまま残りやすい特徴があります。
建設業許可業者として広告表示を行う場合は、「信用を高めるための表示」と「誤解を招かないための表示」の両方を意識することが重要です。
許可番号を表示する意味
建設業許可番号は、許可業者であることを示す重要な情報です。
一般的には、
「愛知県知事許可(般-〇〇)第〇〇〇〇〇号」
「国土交通大臣許可(特-〇〇)第〇〇〇〇〇号」
のように表示します。
この表示により、どの行政庁から許可を受けているのか、一般建設業なのか特定建設業なのか、どの許可年度の許可なのかが分かります。
発注者や元請会社は、許可番号をもとに許可の有無や許可業種を確認できます。
そのため、広告表示に許可番号を入れておくことは、取引先に安心感を与える効果があります。
特に500万円以上の工事を受注したい会社や、元請との取引を増やしたい会社では、許可番号の表示は信用材料になります。
ただし、許可番号だけを表示すれば十分というわけではありません。
どの建設業の許可を受けているのか、許可業種も併せて表示した方が分かりやすい場合があります。
例えば、塗装工事業の許可を持っている会社であれば、許可番号とともに「許可業種:塗装工事業」と表示すると、発注者にも伝わりやすくなります。
ホームページでの表示方法
建設業許可業者が広告表示を行ううえで、最も重要な媒体の一つがホームページです。
現在では、発注者や元請会社が取引前にホームページを確認することが一般的です。
そのため、会社概要ページやサービスページに建設業許可番号を表示しておくことは有効です。
表示する場所としては、会社概要、フッター、建設業許可に関する業務案内ページ、施工実績ページなどが考えられます。
会社概要欄に、
「建設業許可:愛知県知事許可(般-〇〇)第〇〇〇〇〇号」
「許可業種:内装仕上工事業、塗装工事業」
のように記載しておくと分かりやすいでしょう。
ただし、ホームページでは表現に注意が必要です。
許可を受けていない業種について「許可対応」「許可業者として施工可能」といった表現を使うと、誤解を招く可能性があります。
例えば、内装仕上工事業の許可しか持っていない会社が、防水工事業や管工事業まで許可業者として対応できるように見える表現をしている場合は注意が必要です。
施工できる工事と、許可業種として取得している工事を区別して表示することが大切です。
名刺・会社案内・チラシでの表示
名刺や会社案内、チラシにも建設業許可番号を表示することがあります。
営業時に渡す資料に許可番号が記載されていれば、許可業者であることを簡潔に伝えられます。
特に建設業許可を取得したばかりの会社にとっては、名刺やチラシに許可番号を入れることで、従来よりも信用力を高めやすくなります。
ただし、紙媒体は一度印刷すると修正が難しいという問題があります。
許可更新後、業種追加後、商号変更後、代表者変更後に古い情報が残りやすいのが名刺や会社案内です。
大量に印刷したチラシやパンフレットをそのまま使い続けると、古い許可番号や旧商号が残ってしまうことがあります。
広告表示では、表示している情報が最新であることが重要です。
許可番号の年度部分、許可業種、会社名、代表者名が現在の情報と一致しているか確認しましょう。
名刺にスペースがない場合は、許可番号だけを簡潔に表示し、詳しい許可業種は会社案内やホームページに記載する方法もあります。
媒体ごとに役割を分けて表示すると、見やすさと正確性を両立しやすくなります。
看板・許可票との違い
広告表示と混同しやすいものに、建設業許可票があります。
建設業許可票は、営業所や工事現場に掲示する標識です。
いわゆる金看板と呼ばれることもあります。
これは広告というより、建設業法上の標識掲示義務に基づく表示です。
営業所用の許可票には、商号、代表者名、許可番号、許可を受けた建設業の種類などを表示します。
工事現場用の許可票には、現場ごとの主任技術者や監理技術者に関する情報も関係します。
一方、ホームページ、名刺、チラシ、会社案内の表示は、営業・広報目的の広告表示です。
法定の許可票とは性質が異なります。
ただし、どちらも外部に許可情報を示す点では共通しています。
そのため、許可票と広告表示の内容が食い違っていると、取引先から不信感を持たれる可能性があります。
営業所の許可票では新しい代表者名になっているのに、ホームページでは旧代表者名のままになっている。
許可票では業種追加が反映されているのに、会社案内では古い業種のままになっている。
このような不一致は避けるべきです。
許可票を更新したときは、広告媒体も併せて確認しましょう。
未許可業種を表示しないよう注意
建設業許可業者の広告表示で最も注意すべきなのは、未許可業種について誤解を招く表示をしないことです。
建設業許可は、業種ごとに取得する制度です。
建設業許可を持っているからといって、すべての建設工事について許可業者として請け負えるわけではありません。
例えば、塗装工事業の許可を持っている会社が、管工事業や電気工事業の許可も持っているように見える表示をしてしまうと問題があります。
広告では、「建設業許可取得済み」と大きく表示し、その下に多数の工事メニューを並べているケースがあります。
この場合、見る人によっては、すべての工事について許可を取得していると受け取る可能性があります。
もちろん、軽微な工事として対応できる場合や、協力会社と連携して対応する場合もあります。
しかし、自社が許可業者として請け負える工事と、単に相談対応できる工事は区別して表示すべきです。
許可業種を明記し、未許可業種については「提携業者と連携」「内容により対応可」など、誤解を避ける表現にすることが重要です。
広告は受注につながる一方で、不正確な表示が信用低下につながることもあります。
更新後・業種追加後の修正漏れ
広告表示で非常に多いのが、許可更新後や業種追加後の修正漏れです。
建設業許可は5年ごとに更新が必要です。
更新すると、許可番号の年度部分や許可年月日などが変わります。
しかし、ホームページ、名刺、会社案内、見積書ひな形、契約書ひな形、チラシなどが古い表示のまま残っていることがあります。
元請から提出を求められた際、古い許可番号の会社案内や名刺を出してしまうと、確認や差し替えが必要になります。
また、業種追加をした場合も修正が必要です。
例えば、内装仕上工事業だけだった会社が塗装工事業を追加した場合、会社概要や営業資料に追加業種を反映することができます。
ただし、業種追加の許可が正式に下りる前に「許可取得済み」と表示するのは避けるべきです。
申請中であれば「申請中」と明記するなど、事実と異なる表示にならないよう注意しましょう。
更新や変更があったときは、行政手続きだけで満足せず、広告表示の棚卸しを行うことが大切です。
ホームページ、SNS、Googleビジネスプロフィール、名刺、チラシ、看板、契約書ひな形まで確認すると安心です。
誇大広告・誤認表示になりやすい表現
建設業許可業者の広告では、誇大広告や誤認表示にも注意が必要です。
例えば、
「どんな工事でも対応可能」
「すべての建設工事に対応」
「許可業者だから絶対安心」
といった表現は慎重に使うべきです。
建設業許可を持っていることは信用材料ですが、それだけで全ての工事に対応できるわけではありません。
また、許可業者であっても工事品質や結果を無条件に保証できるわけではありません。
発注者に過度な期待を抱かせる表現は避けた方が安全です。
また、施工実績の表示にも注意が必要です。
自社が実際に施工した工事なのか、協力会社として関与した工事なのか、元請なのか下請なのかによって、表示の仕方は変わります。
他社の実績を自社の実績のように見せる表示は避けるべきです。
さらに、資格者や技術者の表示も正確でなければなりません。
退職した技術者の資格を掲載し続けている場合や、常勤していない人を自社所属のように見せる表示は問題になる可能性があります。
広告表示では、集客力だけでなく正確性を重視することが重要です。
広告表示を整える実務ポイント
建設業許可業者が広告表示を整えるには、まず自社の許可情報を正確に把握することが必要です。
許可番号、一般・特定の別、許可業種、許可年月日、更新年月日、商号、代表者名、本店所在地を整理しましょう。
次に、現在公開している広告媒体を洗い出します。
ホームページ、名刺、チラシ、会社案内、看板、Googleビジネスプロフィール、SNS、求人票、見積書、契約書ひな形などです。
意外と見落としやすいのが、古いPDF資料や過去に作成したチラシ、SNSプロフィール、求人媒体の会社情報です。
それぞれの媒体で、許可番号や許可業種が正しく表示されているか確認します。
許可業種を表示する場合は、自社が実際に取得している業種だけを明記します。
複数の工事メニューを掲載する場合は、許可業種との関係が誤解されないよう整理しましょう。
更新や業種追加があった場合は、広告表示を修正するタイミングを社内ルールにしておくと安心です。
行政手続きが完了したら、許可票、ホームページ、会社案内、元請提出資料をセットで更新する。
この運用にしておくと、古い情報が残りにくくなります。
まとめ
建設業許可業者の広告表示では、建設業許可番号や許可業種を正しく表示することが重要です。
ホームページ、名刺、チラシ、会社案内、看板、契約書、見積書などに許可情報を表示することで、発注者や元請に対して許可業者であることを分かりやすく伝えられます。
ただし、広告表示は信用を高める一方で、不正確な表示があると誤解や信用低下につながるおそれがあります。
特に、未許可業種まで許可を取得しているように見せる表示、古い許可番号のままの表示、退職した技術者を掲載し続ける表示、過度に安心感をあおる表現には注意が必要です。
建設業許可は業種ごとに取得するものです。
「建設業許可取得済み」と表示する場合でも、どの業種の許可を持っているのかを明確にすると、誤認を防ぎやすくなります。
また、許可更新、業種追加、商号変更、代表者変更、本店移転があった場合には、広告媒体全体を見直すことが大切です。
建設業許可業者として広告表示を行う際は、集客力だけでなく、正確性・最新性・誤認防止を意識しましょう。
適切な広告表示は、法令遵守だけでなく、取引先からの信頼を高める重要な要素になります。
建設業許可の取得・更新でお困りの方へ
「自社でも許可が取れるのか知りたい」「経管・専技の要件が不安」という段階でも構いません。
建設業許可の新規申請・更新・業種追加・事業年度終了届について、
現在の状況を確認したうえで、必要な手続きと費用の目安をご案内します。
新規申請(知事許可)
99,000円~(税込)
更新・業種追加
88,000円~(税込)
事業年度終了届
44,000円~(税込)
※証紙代・実費は別途。正式な費用は事前にお見積もりします。
許可が取れるか不安な段階でも、まずは要件確認からご相談いただけます。
※ご相談のみでも問題ありません。現在の状況をお伺いしたうえで、進め方をご案内します。
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