建設業の広告表示で注意すべきルールを行政書士が解説します。ホームページ・チラシ・看板・SNSへの許可番号の記載、無許可業者の表示、未許可業種、許可申請中の表現、誇大広告や施工実績の掲載までわかりやすく説明します。
建設業許可の取得・更新をお考えの方へ
「自社でも建設業許可が取れる?」という段階から
ご相談いただけます
「元請から許可を取るよう言われた」「500万円以上の工事を受けたい」 「経管・専任技術者の要件を満たしているか分からない」など、 現在の状況を確認し、許可申請に向けて必要な手続きを整理します。
※申請手数料・証明書取得費用等の実費は別途必要です。 正式な費用は、申請内容や現在の状況を確認したうえで事前にお見積もりします。
ご相談のみでも問題ありません。現在の状況を確認したうえで、申請可能性・必要な手続き・費用をご案内します。
建設業の広告表示に不安がある方へ
建設会社がホームページやチラシを作成するとき、建設業許可をどのように表示すればよいか迷うことがあります。
「建設業許可番号は必ず掲載しなければならないのか」
「許可を持っていない工事もサービス内容に掲載できるのか」
「許可申請中と広告に書いてよいのか」
「建設業許可取得済みと大きく表示して問題ないのか」
このような疑問を持つ建設業者の方は少なくありません。
建設業許可を取得していることは、発注者や元請会社へ自社の体制を伝えるための有力な信用材料です。
そのため、ホームページ、Googleビジネスプロフィール、SNS、名刺、チラシ、会社案内などに、建設業許可番号や許可業種を掲載している会社も多くあります。
ただし、広告では、許可を取得している事実を正確に表示する必要があります。
許可を持っていないのに許可業者であるように見せることや、許可を受けていない業種まで取得済みのように表示することは避けなければなりません。
また、許可番号だけでなく、施工実績、技術者、工事品質、価格などの表現にも注意が必要です。
広告の集客力を高めることだけでなく、実際の許可内容や施工体制と広告表示を一致させることが重要です。
建設業の広告に許可番号を記載する義務はあるのか
ホームページ、SNS、チラシ、名刺、会社案内などに、建設業許可番号を記載することは、原則として法律上の義務ではありません。
許可番号を広告へ掲載していないからといって、それだけで建設業法違反になるわけではありません。
しかし、建設業許可番号を広告に記載しておけば、次のようなメリットがあります。
- 建設業許可を取得していることを伝えやすい
- 元請会社や発注者に安心感を与えやすい
- 協力会社登録時に許可情報を確認してもらいやすい
- 対応する工事業種を説明しやすい
- 無許可業者との違いを示しやすい
特に、500万円以上の工事を受注したい会社や、新しい元請会社との取引を増やしたい会社にとって、許可番号は重要な信用情報になります。
もっとも、広告への掲載が任意であっても、掲載する以上は正確な情報でなければなりません。
最新の許可通知書を確認せず、古い許可番号や誤った許可業種を掲載すると、取引先から許可の有効性を疑われる可能性があります。
無許可で許可業者と誤認させる表示は禁止されている
建設業法では、建設業を営む者が、その建設業について許可を受けていないにもかかわらず、許可を受けた建設業者であると明らかに誤認されるおそれのある表示をすることを禁止しています。
そのため、建設業許可を持っていない事業者が、次のような表示をすることは避けなければなりません。
- 「建設業許可業者」と表示する
- 実在しない許可番号を掲載する
- 他社の建設業許可番号を使用する
- 許可申請中なのに取得済みと表示する
- すでに失効した許可番号を有効なものとして掲載する
- 一部業種しか取得していないのに、すべての業種で許可を持つように表示する
建設業許可が必要ない軽微な建設工事だけを請け負う場合、無許可で建設業を営むこと自体が直ちに違法となるわけではありません。
しかし、許可が不要な範囲で営業していることと、許可業者であるように広告することは別の問題です。
「建設工事を施工できます」という表示と、「建設業許可を取得しています」という表示は区別して考える必要があります。
許可を持っていない場合は、建設業許可業者であると受け取られる表現やデザインを使用しないよう注意しましょう。
建設業許可番号を広告に表示する場合の書き方
建設業許可番号は、一般的に次のような形で表示します。
愛知県知事 許可(般-6)第123456号
国土交通大臣 許可(特-6)第123456号
それぞれの表示には、次の情報が含まれています。
- 許可をした行政庁
- 一般建設業・特定建設業の別
- 許可を受けた年
- 許可業者に付与された番号
広告へ掲載する場合は、最新の許可通知書に記載された内容を正確に転記するのが基本です。
許可業種も伝えたい場合は、次のように記載できます。
建設業許可
愛知県知事 許可(般-6)第123456号
許可業種:内装仕上工事業・塗装工事業
許可番号だけでは、具体的にどの建設業種の許可を取得しているかまでは分かりません。
主な許可業種を一緒に記載しておけば、発注者や元請会社にも対応可能な工事を伝えやすくなります。
ただし、広告のスペースに合わせて独自の省略表記を作ると、正式な許可情報が分かりにくくなることがあります。
行政庁名、一般・特定の別、許可年、許可番号を正確に表示しましょう。
ホームページ・Google・SNSでの表示
ホームページは、建設業の広告表示で特に重要な媒体です。
発注者や元請会社が新しい建設会社との取引を検討するとき、会社名を検索してホームページやGoogleビジネスプロフィールを確認することがあります。
建設業許可番号を掲載する場所としては、次のようなものが考えられます。
- 会社概要ページ
- 事業内容ページ
- 許可・資格の紹介ページ
- ホームページのフッター
- 施工実績ページ
- Googleビジネスプロフィール
- SNSのプロフィール欄
会社概要には、許可番号と許可業種をまとめて掲載すると分かりやすくなります。
一方、各サービスページでは、その工事について許可を取得しているのか、それとも軽微な工事として対応するのかが誤解されないようにする必要があります。
たとえば、内装仕上工事業の許可だけを取得している会社が、ホームページ上で電気工事や管工事まで許可業者として対応できるように表示すると、実際の許可内容とのずれが生じます。
また、ホームページだけでなく、GoogleやSNSに古い情報が残っているケースもあります。
ホームページを修正しただけで安心せず、公開している媒体全体を確認しましょう。
チラシ・会社案内・看板での表示
チラシ、会社案内、パンフレット、営業用看板などにも、建設業許可番号を記載できます。
紙の営業資料に許可番号を掲載しておけば、ホームページを確認しない相手にも、許可業者であることを伝えやすくなります。
特に、次のような場面で有効です。
- 元請会社への営業
- 協力会社募集への応募
- 一般顧客へのリフォーム営業
- 住宅や店舗へのポスティング
- 展示会や相談会での資料配布
ただし、紙媒体は一度印刷すると修正が難しいという問題があります。
更新期限が近い時期にチラシや会社案内を大量印刷すると、許可更新後も古い情報が残る可能性があります。
また、商号変更、所在地変更、代表者変更、業種追加が予定されている場合も、印刷時期を検討した方がよいでしょう。
名刺への具体的な記載方法については、名刺の書き方を扱う別記事で詳しく整理することができます。
広告全体を扱うこの記事では、紙媒体と実際の許可情報を一致させることが重要です。
許可を受けていない業種を掲載する場合の注意点
建設業許可は、建設工事の業種ごとに取得する制度です。
建設業許可を一つ取得したからといって、すべての建設工事について許可業者として請け負えるわけではありません。
たとえば、塗装工事業の許可を取得していても、それだけで管工事業や電気工事業の許可まで取得したことにはなりません。
広告では、「建設業許可取得済み」と大きく表示し、その近くに多数の工事メニューを掲載することがあります。
この場合、広告を見た人が、掲載されているすべての工事について建設業許可を取得していると受け取る可能性があります。
許可を受けていない業種をサービス内容に掲載する場合は、次の点を整理しましょう。
- 自社が許可業者として請け負う工事なのか
- 軽微な建設工事として対応するのか
- 許可を持つ協力会社と連携するのか
- 施工の相談や取次ぎだけを行うのか
軽微な建設工事の範囲で施工できる場合でも、その業種について許可を取得しているように表示することは避ける必要があります。
協力会社と連携して対応する場合も、実際の施工体制と異なる表示にならないよう注意しましょう。
建設業許可の申請中はどう表示すればよいか
建設業許可を申請していても、許可通知を受けるまでは建設業許可業者ではありません。
そのため、審査中の段階で「建設業許可取得済み」「許可業者」と表示したり、取得予定の許可番号を掲載したりすることは避けるべきです。
実際に申請書を提出して審査中である場合に、その事実を広告へ記載するのであれば、
建設業許可申請中
など、取得済みではないことが分かる表現にする必要があります。
まだ要件確認や書類収集を行っているだけの場合は、「申請準備中」と「申請中」を区別した方がよいでしょう。
また、「申請中」と小さく記載しながら、広告全体では許可業者であるように見える構成にすると、見る人に誤解を与える可能性があります。
申請中の表示は、広告全体のデザインや説明を含めて判断することが大切です。
建設業許可は、申請すれば必ず取得できるものではありません。
これから名刺、看板、チラシ、ホームページなどを作成する場合は、許可通知を受けて正式な許可内容を確認してから掲載する方が確実です。
更新後・業種追加後は広告も修正する
建設業許可の有効期間は、許可を受けた日から5年間です。
許可を継続する場合は、有効期間が満了する前に更新申請を行います。
更新後は、許可番号のうち許可年を示す部分や許可年月日が変わります。
末尾の許可番号が同じであっても、表示全体は最新の許可情報へ修正しなければなりません。
また、業種追加を行った場合は、新たに許可された業種を広告へ反映できます。
ただし、業種追加の申請書を提出しただけでは、取得済みと表示することはできません。
許可通知を受け、追加された業種を確認してから掲載しましょう。
更新や業種追加の後に確認したい媒体は、次のとおりです。
- ホームページ
- Googleビジネスプロフィール
- SNS
- 名刺
- チラシ
- 会社案内
- 看板
- メールの署名
- 見積書・請求書のひな形
- 工事請負契約書のひな形
- 元請へ提出する会社資料
- 過去に作成したPDF資料
商号、所在地、代表者などを変更した場合も、変更届だけでなく広告媒体の修正が必要です。
行政手続きの完了と広告媒体の更新をセットで管理すると、修正漏れを防ぎやすくなります。
誇大広告・No.1表示・施工実績の注意点
建設業許可に関する表示が正しくても、広告全体に誇大な表現があれば別の問題が生じます。
特に、一般消費者向けの住宅工事、リフォーム、屋根工事、外壁塗装などでは、実際よりも著しく優良または有利であると受け取られる表示に注意が必要です。
たとえば、次のような表現は慎重に使用する必要があります。
- どんな工事でも対応可能
- すべての建設工事に対応
- 許可業者だから絶対安心
- 必ず雨漏りが直る
- 地域最安値
- 顧客満足度No.1
- 地域No.1
- 永久保証
- 追加費用は一切かからない
客観的な根拠がないNo.1表示や、適用条件を示していない価格・保証表示は、広告を見た人に誤解を与える可能性があります。
施工実績の掲載にも注意が必要です。
過去に関与した工事であっても、自社が元請として施工したのか、下請として一部を担当したのか、代表者が以前の勤務先で関与しただけなのかによって、表示方法は変わります。
他社が施工した工事を、自社がすべて施工した実績のように掲載することは避けるべきです。
技術者や有資格者の紹介についても、現在の所属状況を確認しましょう。
退職した技術者を掲載し続けることや、常勤していない人を自社所属の技術者として紹介することは、実際の施工体制について誤解を招く可能性があります。
広告表示と建設業許可票は別のもの
ホームページ、チラシ、名刺などの広告表示と、建設業許可票は別のものです。
建設業許可票は、建設業法に基づいて掲示する標識です。
建設業許可を受けた事業者は、営業所ごとに、公衆の見やすい場所へ所定事項を記載した許可票を掲示する必要があります。
また、発注者から直接工事を請け負った建設業者は、対象となる工事現場にも現場用の標識を掲示します。
営業所用の建設業許可票には、商号・名称、代表者氏名、一般・特定の別、許可業種、許可番号、許可年月日などを表示します。
工事現場用の標識では、許可情報に加えて、主任技術者や監理技術者など、現場に関する情報も必要です。
一方、ホームページやチラシへの許可番号の掲載は、原則として任意の広告表示です。
広告へ許可番号を掲載したからといって、営業所の建設業許可票を省略できるわけではありません。
広告と法定標識は、それぞれ別に管理する必要があります。
広告を公開する前に確認すべきこと
建設業の広告を公開する前に、次の項目を確認しましょう。
- 最新の許可通知書を確認したか
- 許可行政庁を正しく表示しているか
- 一般・特定の別が正しいか
- 許可年と許可番号が最新か
- 掲載している許可業種を実際に取得しているか
- 未許可業種まで許可取得済みに見えていないか
- 申請中と取得済みを混同していないか
- 失効した許可番号を掲載していないか
- 会社名、所在地、代表者名が現在の情報と一致しているか
- 施工実績の説明が実際の関与内容と一致しているか
- 技術者や有資格者が現在も所属しているか
- No.1表示や保証内容に客観的な根拠があるか
- 適用条件や対象範囲が分かるようになっているか
- ホームページ、Google、SNS、紙媒体の情報が一致しているか
広告制作会社へホームページやチラシを依頼する場合でも、建設業許可の内容まで正確に判断してもらえるとは限りません。
最終的には、建設業者自身が許可通知書と広告内容を照合することが大切です。
これから許可を取得・業種追加する場合
建設業許可を広告へ掲載したいものの、まだ許可を取得していない場合は、まず許可が必要な工事内容かを確認します。
原則として、1件の請負代金が500万円以上となる建設工事を請け負う場合は、対応する建設業種の許可が必要です。
建築一式工事については、別の基準が設けられています。
また、すでに建設業許可を持っていても、新たに受注したい工事が現在の許可業種に含まれていない場合は、業種追加が必要になることがあります。
「建設業許可を持っているから、どの工事でも受注できる」と判断するのではなく、工事内容と許可業種を照合しなければなりません。
これから広告を作成する場合は、次の点を整理しましょう。
- 主に受注したい工事
- 予定する請負金額
- 元請・下請の別
- 現在取得している許可業種
- 今後追加したい工事業種
- 経管・専任技術者等の候補者
- 許可取得後に公開する広告媒体
名刺やホームページを先に完成させてから許可業種の不足に気づくと、作り直しが必要になります。
許可を前提とした広告を出したい場合は、広告制作の前に申請可能性と必要な許可業種を確認することが大切です。
まとめ|許可内容と広告表示を一致させる
建設業の広告では、建設業許可番号や許可業種を掲載することで、元請会社や発注者へ許可業者であることを伝えられます。
ただし、ホームページ、Google、SNS、チラシ、会社案内などへの許可番号の掲載は、原則として任意です。
任意であっても、掲載する以上は、最新の許可通知書に基づいた正確な情報でなければなりません。
建設業許可を持っていないにもかかわらず、許可業者と誤認される表示をすることは禁止されています。
また、一部業種の許可しか持っていない場合に、すべての工事業種で許可を取得しているように見せる表示にも注意が必要です。
建設業許可の申請中は取得済みではありません。
許可業者として広告するのは、許可通知を受けて正式な許可番号と許可業種を確認してからにしましょう。
「ホームページに掲載したい工事の許可を持っているか分からない」
「元請から建設業許可を取るように言われた」
「500万円以上の工事を受注する予定がある」
「新しい工事を広告に掲載するため業種追加をしたい」
このような場合は、広告を公開する前に、予定する工事と現在の許可内容を整理することが重要です。
建設業許可の新規申請や業種追加では、経管・専任技術者・財産要件・営業所要件などを確認する必要があります。
広告を作り直すことにならないよう、許可要件と必要業種を確認したうえで、申請と広告制作を進めましょう。
建設業許可の取得・更新をお考えの方へ
「自社でも許可が取れる?」という段階から
ご相談いただけます
建設業許可は、経管・専任技術者・財産要件・営業所要件など、
申請前に確認すべき要件があります。
書類がすべて揃っていない段階でも、現在の状況から申請可能性と必要な手続きを整理します。
※申請手数料・証明書取得費用等の実費は別途必要です。 正式な費用は、申請内容や現在の状況を確認したうえで事前にお見積もりします。
ご相談のみでも問題ありません。現在の状況を確認したうえで、申請可能性・必要な手続き・費用をご案内します。
ご相談から建設業許可申請まで
取得したい許可、工事内容、会社の状況、経管・専任技術者の候補者などを確認します。
経管・専任技術者・財産要件・営業所要件などを確認し、申請可能性と正式な費用をご案内します。
証明資料を整理し、建設業許可申請に必要な書類を作成します。
行政庁への申請・補正対応を進め、許可後の更新や事業年度終了届などについてもご案内します。
※許可要件や必要となる証明資料は、会社・個人の状況、取得する業種、これまでの経験等によって異なります。 現在の状況を確認したうえで、対応可能な範囲と必要な手続きをご案内します。


