退職を伝えた後に会社から嫌がらせを受けた場合の対処法を解説します。しつこい電話、面談・出社要求、退職撤回の要求、家族への連絡への対応、記録の残し方、内容証明で退職意思と連絡方法を整理する方法を行政書士が説明します。
退職についてお悩みの方へ
会社と直接やり取りせずに、
退職手続きを進めたい方へ
「会社に連絡したくない」「引き止められるのが不安」という段階でもご相談いただけます。
現在の状況を確認し、内容証明による退職通知で進められるかをご案内します。
ご相談のみでも問題ありません。まずは現在の状況をお聞かせください。
退職を伝えた後に嫌がらせが始まった方へ
退職する意思を会社へ伝えたあと、上司の態度が急に変わることがあります。
「人手不足なのに無責任だ」
「退職を認めるつもりはない」
「一度会社に来て説明しろ」
このように言われ、何度も電話がかかってきたり、面談や出社を求められたりするケースもあります。
退職日を迎えたあとも、元上司から連絡が続く、家族に電話される、SNSに悪口を書かれるといった問題が起こることがあります。
会社から強い言葉を向けられると、自分の退職方法が間違っていたのではないか、会社の要求に従わなければならないのではないかと不安になるかもしれません。
しかし、会社から連絡が来たからといって、すべての電話や面談に応じ続ける必要があるとは限りません。
大切なのは、退職手続きに必要な連絡と、精神的な負担になる不要な連絡を分けることです。
必要な事項には記録が残る方法で対応し、退職撤回の要求や長時間の説教などには、冷静に線引きを示しましょう。
退職を伝えた後に起こりやすい会社の対応
退職を伝えた後や退職後に起こりやすい対応として、次のようなものがあります。
- 何度も電話をかけてくる
- 退職理由を繰り返し問い詰める
- 退職届を受け取らない
- 退職の撤回を求める
- 面談や出社を強く要求する
- 損害賠償や違約金をほのめかす
- 家族や緊急連絡先へ電話する
- 退職後も業務の質問を繰り返す
- SNSや社内で悪口を広める
- 貸与品や退職書類を理由に来社を求める
会社側が混乱しており、退職日や貸与品について確認したいだけの場合もあります。
一方で、退職を思いとどまらせることや、退職した本人を責めることが主な目的になっている場合もあります。
会社の言葉が強いほど不安になりますが、電話口で一つずつ反論する必要はありません。
まずは、何について連絡してきているのかを整理しましょう。
すべての連絡が嫌がらせとは限らない
退職を伝えた後の連絡が負担になっていても、すべてを嫌がらせとして扱うのは適切ではありません。
退職手続きでは、次のような事務連絡が必要になることがあります。
- 貸与品の返却方法
- 最終給与の確認
- 健康保険関係の手続き
- 離職票や源泉徴収票の送付先
- 退職日や有給休暇の確認
- 本人の私物の返却方法
これらの連絡まで完全に拒否すると、退職後の手続きが進まなくなる可能性があります。
ただし、必要な事務連絡だからといって、必ず電話や対面で対応しなければならないわけではありません。
「記録保持および行き違い防止のため、今後の連絡は書面またはメールでお願いいたします」と伝え、連絡方法を切り替えることができます。
必要な連絡には対応する一方で、不要な電話や面談は控えてもらうことが重要です。
嫌がらせが問題になる可能性があるケース
退職後の連絡が直ちに違法になるわけではありませんが、内容や回数、方法によっては問題になる可能性があります。
例えば、次のようなケースです。
- 拒否しているのに短時間で何度も電話をかける
- 危害を加えるような言葉を伝える
- 自宅へ繰り返し訪問する
- 家族や転職先へ退職者の情報を伝える
- SNSなどで事実と異なる内容を広める
- 退職撤回を迫る目的で威圧的な連絡を続ける
- 必要な事務連絡と関係のない要求を繰り返す
違法になるかどうかは、具体的な言葉、行為の回数、相手との関係、情報が伝えられた範囲などによって判断が変わります。
例えば、「損害賠償を検討する」と言われただけで、直ちに脅迫になるとは限りません。
そのため、相手の行為にすぐ法的な名称を付けるよりも、実際に何を言われ、どのような連絡が何回あったのかを正確に記録しておくことが大切です。
危害を加える旨の連絡や自宅への押しかけなど、身の危険を感じる状況では、安全を優先して警察や専門家などへ早めに相談してください。
電話・面談・出社要求への対応
会社から電話がかかってきても、すぐに折り返さなければならないとは限りません。
電話に出ると、相手の勢いに押されてしまい、退職の意思が変わっていないにもかかわらず、「少し考えます」「一度会社に行きます」と答えてしまうことがあります。
これでは、退職意思や退職日が曖昧になり、さらに連絡が増える原因になります。
電話に対応するのが難しい場合は、メールなどで次のように伝える方法があります。
退職手続きに関するご連絡は、内容確認の正確性を確保するため、今後は書面またはメールにてお願いいたします。
面談や出社を求められた場合も、その目的を確認しましょう。
貸与品の返却であれば、追跡可能な方法による郵送返却を提案できます。
退職理由の説明や退職撤回の説得が目的であれば、退職意思が変わらないことを簡潔に伝え、書面による手続きを求める方法があります。
会社を言い負かす必要はありません。必要な事項だけを事務的に伝えることが、やり取りを長引かせないポイントです。
記録として残しておきたいもの
会社からの連絡が続く場合は、後から確認できるように記録を残しましょう。
保存しておきたいものとして、次のようなものがあります。
- メール
- LINEやSMS
- 留守番電話
- 通話履歴
- 電話で話した内容のメモ
- SNSの投稿
- 会社から届いた書面と封筒
- 退職届や退職通知書の控え
- 郵送物の追跡番号
- 貸与品を返却した記録
電話で話した場合は、日時、相手の氏名、発言内容、自分が回答した内容を記録します。
SNSへの投稿は、後から削除される可能性があるため、投稿日時やアカウント名が分かる状態でスクリーンショットを保存しておきましょう。
記録を残す目的は、会社と対立するためだけではありません。
自分自身が「いつ、何を伝えたか」を確認し、同じ説明を繰り返さないためにも役立ちます。
家族や緊急連絡先に連絡された場合
本人が電話に出ない場合、会社が家族や緊急連絡先へ連絡することがあります。
退職意思が会社に届いておらず、無断欠勤のように見える状態では、会社が安否確認のために連絡することもあります。
一方で、退職意思や本人の連絡先を明確に伝えているにもかかわらず、家族へ退職を止めるよう求めたり、本人を責める内容を伝えたりする場合は、大きな負担になります。
家族への連絡を避けたい場合は、本人宛ての連絡方法を指定したうえで、次のように伝えましょう。
今後の退職手続きに関するご連絡は、本人宛ての書面またはメールにてお願いいたします。家族および緊急連絡先へのご連絡はお控えくださいますようお願いいたします。
本人への連絡手段を用意したうえで家族への連絡を控えてほしいと伝えることで、会社側にも線引きが伝わりやすくなります。
SNSへの投稿や悪口がある場合
退職後、上司や元同僚がSNSへ退職者に関する投稿をしたり、社内や取引先へ悪口を伝えたりすることがあります。
投稿内容が不快だからといって、すべてが直ちに違法になるわけではありません。
しかし、本人を特定できる形で事実と異なる内容を広める、私生活上の情報を公開する、転職先へ不利益な情報を伝えるといった行為は、内容によって問題になる可能性があります。
投稿を見つけた場合は、感情的に返信する前に、URL、投稿日時、投稿者、文章全体が分かる状態で保存してください。
相手の投稿に反論する形で、自分から会社名や相手の氏名を公開すると、別のトラブルにつながることがあります。
公開の場で言い返すよりも、まず証拠を保存し、必要に応じて適切な対応方法を確認することが大切です。
退職書類が届かない場合
退職後、離職票や源泉徴収票などが届かず、「会社からの嫌がらせではないか」と感じる方もいます。
ただし、書類の種類によって発行時期や手続きが異なるため、届いていないという事実だけで嫌がらせとは判断できません。
まずは、会社に対して次の事項を文書で確認しましょう。
- 必要な書類の名称
- 発送予定日
- 送付先住所
- 会社側で必要な手続きが完了しているか
依頼した日と会社からの回答は保存しておきます。
会社に電話したくない場合は、メールや書面で発送状況を確認できます。
退職通知を送る段階で、必要な退職関係書類を登録住所宛てに郵送してほしい旨を記載しておくと、退職後の確認連絡を減らしやすくなります。
退職意思を曖昧にしないことが重要
会社からの連絡を減らすためには、退職意思を明確に伝えることが重要です。
「退職を考えています」
「できれば辞めたいです」
「少し休ませてください」
このような表現では、退職の相談なのか、確定した意思表示なのかが分かりにくくなります。
会社側が「まだ説得できる」と考え、電話や面談を繰り返す原因にもなります。
退職意思が固まっている場合は、退職する意思と退職日を明確に伝えましょう。
さらに、有給休暇、貸与品の返却、必要書類の送付、今後の連絡方法もまとめて伝えることで、会社から確認される事項を減らせます。
口頭で退職を伝えたものの嫌がらせや引き止めが始まった場合は、改めて書面で退職意思を通知する方法があります。
内容証明で退職通知と連絡方法を整理する
会社が退職届を受け取らない場合や、電話や面談による引き止めが続く場合は、内容証明郵便で退職通知を送る方法があります。
内容証明を利用すると、いつ、誰から誰宛てに、どのような内容の文書を送ったのかを記録として残しやすくなります。
退職通知には、主に次の事項を記載します。
- 退職する意思
- 退職日
- 有給休暇の取得希望
- 貸与品の返却方法
- 退職関係書類の送付依頼
- 今後の連絡方法
- 家族や緊急連絡先への連絡を控えてほしい旨
内容証明は、会社を攻撃したり、嫌がらせを非難したりするための文書ではありません。
退職に必要な事項を明確にし、電話や面談を繰り返さなくても手続きを進められる状態を作るための文書です。
強い表現を並べるよりも、必要な事項を簡潔かつ事務的に伝える方が、退職手続きを進めやすくなります。
自分で会社に対応するのが難しい場合
退職を伝えた後に嫌がらせや強い引き止めが始まると、自分で冷静な文面を作ることが難しくなります。
電話が鳴るたびに不安になる、LINEを開けない、会社名を見るだけでつらいという状態になる方もいます。
このような場合に、無理に電話対応や面談を続ける必要はありません。
当事務所では、勤務状況、退職希望日、有給休暇、貸与品、会社からの連絡内容などを確認し、内容証明による退職通知で進められるかをご案内しています。
退職意思、退職日、連絡方法などを整理した文書を作成することで、会社と直接話す回数を減らしながら退職手続きを進めやすくなります。
「まだ正式に退職を伝えていない」「口頭で伝えたが受け入れてもらえない」「嫌がらせが怖くて次の連絡ができない」という段階でも、まず現在の状況を整理することが大切です。
まとめ|会社との連絡方法を整理して退職を進める
退職を伝えた後や退職後に、会社から何度も電話が来る、面談や出社を要求される、家族へ連絡されるといった問題が起こることがあります。
ただし、退職手続きに必要な事務連絡まで、すべて嫌がらせとして拒否するのは適切ではありません。
大切なのは、必要な連絡と不要な直接連絡を分けることです。
貸与品の返却、退職書類、最終給与などの確認には、書面やメールで対応します。
一方で、退職撤回の要求、長時間の説教、繰り返される面談要求などについては、退職意思が変わらないことを明確にし、連絡方法を限定しましょう。
会社からの連絡が負担になっている場合は、退職意思、退職日、貸与品の返却、必要書類の送付、今後の連絡方法を内容証明で整理する方法があります。
何も伝えずに連絡を断つのではなく、必要な事項を記録が残る形で通知することが、会社とのやり取りを静かに終わらせるためのポイントです。
退職についてお悩みの方へ
会社と直接やり取りせずに、
退職手続きを進めたい方へ
「会社に連絡したくない」「引き止められるのが不安」という段階でもご相談いただけます。
現在の状況を確認し、内容証明による退職通知で進められるかをご案内します。
ご相談のみでも問題ありません。内容をご確認いただいたうえで正式にご依頼いただけます。
ご相談から退職通知の発送まで
勤務状況や退職希望日などをお伺いします。
内容証明による退職通知で進められるかをご案内します。
退職日や今後の連絡方法などを整理して文書を作成します。
作成した退職通知書を会社へ発送し、発送後の対応もご案内します。
※ご相談内容を確認したうえで、内容証明による退職通知で進められる方法をご案内します。


