下請代金が未払いの場合に、内容証明で支払いを求める方法を解説します。発注元から代金が支払われない、請求書を送っても入金がない、支払期日を過ぎている場合に、契約内容・請求金額・証拠・文面をどう整理すべきか行政書士が説明します。
内容証明の作成をお考えの方へ
「この内容でも送れる?」という段階から
ご相談いただけます
送付の目的や事実関係を確認し、内容証明に適した形で文案を整理します。
何を書けばよいか分からない段階でもご相談ください。
ご相談のみでも問題ありません。現在の状況を確認したうえで、対応可否と費用をご案内します。
下請代金が支払われず困っている方へ
発注元から仕事を受けて納品したのに、下請代金が支払われない。
請求書を送ったのに、支払期日を過ぎても入金がない。
「検収中です」「元請から入金がまだです」「来月には支払います」と言われたまま、支払いが遅れている。
このような場合、発注元に対して内容証明で支払いを求めることを検討できます。
下請代金の未払いは、製造、修理、情報成果物の作成、デザイン、システム開発、印刷、加工、部品製作、運送、役務提供など、さまざまな取引で起こります。
特に、発注元との力関係がある場合、受注側としては強く請求しづらいことがあります。
「今後の取引に影響するのではないか」
「催促すると仕事を切られるのではないか」
「少し待てば支払われるかもしれない」
このように考えて、支払期日を過ぎても我慢してしまう方も少なくありません。
しかし、支払期日を過ぎても入金がない場合、口頭や電話だけで催促を続けるのではなく、文書で正式に支払いを求めることも重要です。
内容証明を送る目的は、相手を攻撃することではありません。
どの取引について、いくらの下請代金が未払いになっており、いつまでに支払ってほしいのかを明確にし、その請求内容を記録に残すことです。
ただし、内容証明を送れば必ず回収できるわけではありません。
また、相手方が納品物の不備や契約内容を理由に支払いを拒んでいる場合は、単なる通知書作成では済まないこともあります。
まずは、発注内容、納品状況、請求書、支払期日、相手方とのやり取りを整理することが大切です。
下請代金未払いで内容証明を送る意味
下請代金が未払いの場合、内容証明を送る意味は、正式に支払いを求めた事実を記録に残せる点にあります。
電話や口頭で催促しただけでは、後から「そのような請求は受けていない」と言われる可能性があります。
メールやチャットでも記録は残りますが、相手が返信しない場合や、担当者が確認していないと言われる場合もあります。
内容証明で送ることで、いつ、どのような内容の文書を、誰から誰宛てに送ったのかを記録に残しやすくなります。
下請代金未払いの内容証明では、次のような内容を整理します。
・対象となる発注内容
・納品日または役務提供日
・請求書番号
・請求金額
・未払い金額
・支払期日
・改めて設定する支払期限
・振込先
・期限までに支払いがない場合の今後の対応
内容証明は、通常のメールや電話での催促とは違い、相手方に正式な通知として受け止められやすい方法です。
これまで支払いを先延ばしにしていた相手でも、内容証明が届くことで対応を考える可能性があります。
ただし、内容証明は、文書に書いた内容の真実性まで証明するものではありません。
そのため、請求金額や支払期限、取引内容が曖昧なまま送ると、その曖昧な内容が記録に残ってしまいます。
内容証明を送る前に、請求内容を正確に整理しておくことが重要です。
まず取適法・下請法の対象になるか確認する
下請代金の未払いでは、従来の下請法、現在の中小受託取引適正化法、いわゆる取適法が関係する場合があります。
ただし、すべての取引が当然に対象になるわけではありません。
発注者と受注者の規模、取引の種類、発注内容などによって、対象になるかどうかが変わります。
たとえば、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託などに該当するかを確認する必要があります。
また、発注元と受注側の資本金や従業員数などの条件も関係する場合があります。
確認しておきたい点は、次のとおりです。
・発注元の事業者名、規模
・受注側の事業者名、規模
・取引の種類
・製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託に当たるか
・発注書面や発注メールの有無
・給付を受領した日、役務提供日
・支払期日
・支払遅延の有無
取適法や下請法の対象になる場合、発注元には発注内容や代金、支払期日などを明示する義務や、支払期日を一定期間内に定める義務などがあります。
また、支払期日を過ぎても代金が支払われない場合、遅延利息が問題になることもあります。
ただし、内容証明の文面でいきなり「法律違反です」と強く書けばよいとは限りません。
まずは、発注内容、納品日、請求金額、支払期日を整理し、未払いになっている下請代金の支払いを求めることが基本です。
そのうえで、取適法・下請法の対象になりそうな場合は、その事情を踏まえて文面を検討します。
発注内容・納品日・支払期日を整理する
下請代金未払いで内容証明を作成する場合、まず発注内容、納品日、支払期日を整理しましょう。
何の仕事について、いつ発注を受け、いつ納品または役務提供を行い、いつ支払われる予定だったのかを確認します。
確認すべき資料は、次のとおりです。
・基本契約書
・個別契約書
・発注書、注文書
・見積書
・請求書
・納品書
・検収書
・作業報告書
・発注時のメール、LINE、チャット履歴
・納品データの送信履歴
・相手方からの承認、検収完了の連絡
・支払条件が分かる資料
発注書がある場合は、品名、数量、単価、納期、支払期日を確認します。
制作やシステム開発などの場合は、成果物の内容、納品形式、検収条件、修正対応の範囲などを確認します。
役務提供の場合は、作業期間、作業内容、稼働時間、作業報告書などを整理します。
支払期日については、「月末締め翌月末払い」「納品後〇日以内」「検収完了後〇日以内」「請求書受領後〇日以内」など、取引ごとに異なります。
ただし、取適法・下請法の対象になる取引では、支払期日の設定について特別なルールが関係する場合があります。
内容証明では、相手に対して「どの取引について支払いを求めているのか」が分かるように整理することが大切です。
請求金額と未払い額を明確にする
下請代金未払いの内容証明では、請求金額と未払い額を明確に書く必要があります。
単に「下請代金を支払ってください」と書くだけでは、相手方がどの請求について支払いを求められているのか分かりにくくなります。
たとえば、次のような内容を整理します。
・発注番号
・請求書番号
・請求日
・対象となる業務、商品、成果物
・請求金額
・消費税の有無
・既払い額
・未払い残額
・支払期日
・遅延利息を請求するか
請求書が複数ある場合は、一覧にして整理すると分かりやすくなります。
たとえば、複数月分の請求が未払いになっている場合や、複数の発注について代金が支払われていない場合です。
また、一部入金がある場合は、既払い額を差し引いた残額を正確に記載します。
相手方が一部だけ支払っているにもかかわらず、全額を請求してしまうと、反論される原因になります。
下請代金の未払いでは、遅延利息が問題になることもあります。
ただし、遅延利息を文面に入れるかどうかは、事案によって判断が必要です。
まずは元本である未払い代金の金額を正確に整理し、そのうえで必要に応じて遅延利息の扱いを検討しましょう。
納品・役務提供・請求済みの証拠を確認する
下請代金を請求する場合、納品や役務提供を行ったこと、請求書を送ったことを示す証拠も重要です。
相手方から、次のように反論される可能性があるためです。
・まだ納品されていない
・納品物に不備がある
・検収が終わっていない
・仕様と違う
・追加作業費は認めていない
・請求書を受け取っていない
・元請から入金されていないので支払えない
このような反論に備えるため、資料を整理しておきましょう。
確認しておきたい資料は、次のとおりです。
・契約書
・発注書、注文書
・見積書
・請求書
・納品書
・検収書
・配送記録
・受領確認
・納品メール
・作業報告書
・相手方とのメール、LINE、チャット履歴
・入金履歴
・支払予定日に関する相手方の連絡
製造や加工の場合は、納品書、受領確認、配送記録などが重要になることがあります。
システム開発、デザイン、動画、原稿などの情報成果物では、納品データの送信履歴や相手方の確認メッセージが役立つことがあります。
役務提供の場合は、作業報告書、稼働記録、打ち合わせ記録、相手方からの承認連絡などを整理します。
内容証明の本文にすべての証拠を書く必要はありません。
しかし、文案作成の前提として、どの資料を根拠に請求するのかを確認することが大切です。
支払期限と振込先を具体的に書く
内容証明で下請代金の支払いを求める場合は、支払期限と振込先を具体的に書きます。
「早急にお支払いください」とだけ書くと、いつまでに支払うべきかが曖昧になります。
相手方が対応しやすいように、何を、いつまでに、どの口座へ支払うのかを明確にしましょう。
たとえば、次のような内容を記載します。
・未払い下請代金の金額
・対象となる発注または請求書
・支払期限
・振込先口座
・振込手数料の負担
・支払済みの場合の連絡方法
・期限までに支払いがない場合の今後の対応
支払期限は、「本書到達後〇日以内」や「令和〇年〇月〇日まで」といった形で記載することがあります。
期限は、短すぎても相手が対応しにくく、長すぎても回収が遅くなります。
これまでの経緯、未払い額、相手方の対応状況を踏まえて、現実的な期限を設定しましょう。
振込先については、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義を正確に書きます。
すでに請求書に記載している場合でも、内容証明にも改めて記載しておくと分かりやすいです。
また、期限までに支払いがない場合の対応については、強すぎる表現を避けつつ、必要に応じて今後の対応を検討する旨を記載します。
文面では、相手を責めるよりも、未払い代金の支払いを求める内容を冷静に整理することが大切です。
相手が支払いを拒んでいる場合の注意点
下請代金の未払いには、単なる支払い遅れの場合と、相手方が支払いを拒んでいる場合があります。
この違いは重要です。
相手方が単に経理処理を遅らせているだけであれば、内容証明で支払いを求めることで入金される可能性があります。
一方で、相手方が請求内容を争っている場合は、文面を慎重に作る必要があります。
たとえば、次のような場合です。
・納品物に不備があると言われている
・仕様と違うと言われている
・検収が完了していないと言われている
・追加費用について合意していないと言われている
・元請から入金がないため支払えないと言われている
・相殺や減額を主張されている
このような場合、単に「下請代金を支払ってください」と強く書くだけでは、相手方から反論される可能性があります。
まず、相手が何を理由に支払っていないのかを確認しましょう。
特に、「元請から入金がないから支払えない」という説明を受けることがあります。
しかし、発注元と受注側との間で支払期日が定められている以上、元請からの入金状況を理由に当然に支払いを先延ばしにできるとは限りません。
ただし、この点を内容証明でどのように書くかは、契約内容や相手方の主張を確認したうえで慎重に判断する必要があります。
行政書士に相談する場合の確認ポイント
下請代金未払いで内容証明を送りたい場合は、行政書士に文案作成を相談できます。
行政書士は、下請代金の支払請求書、催告書、通知書、内容証明の文案作成を中心にサポートできます。
相談時には、まず現在の状況を整理します。
どの発注元から下請代金が支払われていないのか。
何の商品、成果物、役務に関する代金なのか。
発注書や契約書はあるのか。
請求金額はいくらなのか。
支払期日はいつだったのか。
請求書は送っているのか。
相手方から返答はあるのか。
相手方は支払いを拒んでいるのか、単に遅れているだけなのか。
このような事情によって、内容証明の文案は変わります。
相談時に準備しておくとよい資料は、次のとおりです。
・基本契約書
・個別契約書
・発注書、注文書
・見積書
・請求書
・納品書
・検収書
・配送記録
・作業報告書
・相手方とのメール、LINE、チャット履歴
・請求書を送った履歴
・入金履歴
・未払い金額の内訳
・相手方の名称、住所、担当者情報
行政書士に相談するメリットは、下請代金の請求内容を整理し、相手方に送る文面を冷静で分かりやすい形に整えられる点です。
未払いが続くと、どうしても感情的な文面になりやすいです。
しかし、内容証明では、相手を非難するよりも、請求金額、支払期限、振込先、今後の対応を明確に示すことが重要です。
また、取適法・下請法の対象になりそうな場合は、その可能性を踏まえながら、どのような通知文にするかを検討します。
まとめ
下請代金が未払いの場合は、内容証明で発注元へ正式に支払いを求めることを検討できます。
請求書を送っても支払われない。
支払期日を過ぎても入金がない。
発注元が何度も支払日を先延ばしにしている。
このような場合は、口頭やメールだけで催促を続けるのではなく、文書で請求内容を整理することが大切です。
内容証明を送ることで、いつ、どのような内容で支払いを求めたのかを記録に残しやすくなります。
また、通常のメールや電話での催促とは違う正式な通知として、相手方に伝えることができます。
下請代金の内容証明では、未払い金額、発注内容、納品日、支払期日、振込先を明確に書きましょう。
「早急に支払ってください」とだけ書くよりも、「〇年〇月〇日付請求書に係る未払い下請代金〇円を、令和〇年〇月〇日までに下記口座へお支払いください」といった形で整理すると、相手方も確認しやすくなります。
また、取適法・下請法の対象になる可能性がある場合は、発注元と受注側の規模、取引の種類、発注内容、納品日、支払期日を確認しましょう。
対象になる場合でも、内容証明ではいきなり強い法的主張だけを書くのではなく、まずは未払いになっている代金の支払いを冷静に求める文面にすることが重要です。
行政書士は、下請代金の支払請求書、催告書、通知書、内容証明の文案作成を中心にサポートできます。
「下請代金が支払われない」
「発注元に正式な催告書を送りたい」
「取適法・下請法が関係しそうなので、内容証明の文面を慎重に作りたい」
このような場合は、契約書、発注書、請求書、納品記録、相手方とのやり取り、未払い金額、支払期日を整理し、内容証明でどのように請求すべきか確認するところから始めましょう。
内容証明の作成でお困りの方へ
「この内容でも送れる?」という段階から
ご相談いただけます
何を書けばよいか分からない場合でも、送る目的や事実関係を確認し、
内容証明に適した形で文案を整理します。
ご相談のみでも問題ありません。内容を確認したうえで、対応可否と費用をご案内します。
ご相談から内容証明作成・発送まで
どのような相手に何を伝えたいのか、送付の目的や現在の状況を確認します。
契約書やメール、LINEなど必要な資料を確認し、対応可否と費用をご案内します。
事実関係やご希望を整理して文案を作成し、内容をご確認いただきます。
内容証明の発送方法や控えの保管、送付後の注意点などをご案内します。
※当事務所では、内容証明の文案作成・通知書作成を中心にサポートしています。 相手方との交渉、紛争対応、訴訟対応、損害賠償請求の代理などが必要な場合は、 行政書士では対応できる範囲が限られます。状況を確認したうえでご案内します。


