配達証明とはどのような郵便サービスなのかを解説します。内容証明との違い、退職通知に配達証明を付ける理由、配達証明で分かること・分からないこと、受取拒否や不在返送の場合の考え方まで行政書士が説明します。
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配達証明とは
配達証明とは、一般書留とした郵便物について、日本郵便が配達した事実を証明するサービスです。
重要な文書を郵送するときは、「郵便局から発送したこと」だけでなく、「相手方へ配達されたこと」も記録に残す必要があります。
例えば、退職通知書を会社へ郵送しても、会社から「そのような文書は届いていない」と言われる可能性があります。
配達証明を付けておけば、郵便物を配達した事実と日付を確認できるため、通知の時期をめぐる争いを防ぎやすくなります。
ただし、配達証明は、郵便物を実際に受け取った人物の氏名や、相手が文書を読んだことまで証明する制度ではありません。
会社宛ての郵便物であれば、代表取締役本人ではなく、受付や総務担当者などが受け取ることもあります。それでも、通常は会社へ配達された事実を記録として残すことができます。
内容証明と配達証明の違い
内容証明と配達証明は、名前が似ていますが、証明する対象が異なります。
内容証明は、いつ、どのような内容の文書を、誰から誰宛てに差し出したのかを証明する制度です。
一方、配達証明は、一般書留郵便物を配達した事実を証明する制度です。
内容証明を利用すれば、退職通知書に何を記載して送ったのかを記録として残せます。しかし、内容証明だけでは、その郵便物が会社へ配達された日までは証明できません。
反対に、配達証明だけを付けても、封筒の中にどのような文書が入っていたのかは証明できません。
そのため、重要な意思表示では、内容証明と配達証明を組み合わせて利用することがあります。
これにより、「どのような文書を送ったのか」と「いつ配達されたのか」をそれぞれ確認しやすくなります。
なお、内容証明は、文書に記載された事実が真実であることや、書かれた請求が法的に認められることまで証明するものではありません。
内容証明と配達証明は、あくまで文書の内容と配達の事実を記録として残す制度です。
内容証明だけでは配達日を証明できない
内容証明を送れば、文書の内容だけでなく、相手が受け取った日も自動的に証明されると思われることがあります。
しかし、内容証明が証明する中心的な事項は、差し出した文書の内容です。
会社へ配達された日を証明したい場合は、別途、配達証明を付ける必要があります。
退職通知では、退職意思が会社へ到達した日が重要になります。
文書の作成日や郵便局からの発送日と、会社へ配達された日は必ずしも同じではありません。
例えば、月曜日に退職通知書を作成し、その日の夕方に郵便局から発送しても、会社への配達が火曜日や水曜日になることがあります。
この場合、月曜日に文書を作成・発送した事実と、会社が文書を確認できる状態になった時期は分けて考えなければなりません。
内容証明に配達証明を付けることで、退職意思を記載した文書と配達日を結び付けて整理しやすくなります。
配達証明を付けるべき通知
配達証明は、すべての郵便物へ付けなければならないものではありません。
単なる案内状や、受領時期が問題にならない文書であれば、普通郵便や他の追跡可能な郵送方法で足りる場合があります。
一方、通知が届いた時期によって法的な効果や期限が変わる文書では、配達証明を付ける意味が大きくなります。
代表的なものとして、契約解除通知、代金や貸金の支払請求、返還請求、取引終了通知、退職通知などがあります。
特に、相手方が通知の受領を否定する可能性がある場合や、すでに当事者間で認識の違いが生じている場合は、内容証明と配達証明を利用することで記録を残しやすくなります。
退職の場面では、会社が退職届を受け取らない、メールへ返信しない、電話で退職を認めないと伝えてくるといったケースがあります。
このような状況では、口頭でのやり取りを続けるよりも、退職意思と必要な事務事項を文書にまとめ、記録が残る方法で通知する方が手続きを整理しやすくなります。
退職通知で到達日が重要になる理由
法律上、相手方のある意思表示は、原則として、その通知が相手方に到達した時から効力を生じます。
ここでいう到達は、相手が文書を実際に読んだことまで必要とするものではなく、相手が通常その内容を確認できる状態になったかどうかが問題になります。
退職通知では、会社の所在地へ郵便物が配達され、会社側が内容を確認できる状態になった時期が重要です。
期間の定めのない雇用契約では、原則として退職の申入れから2週間が経過することで雇用契約が終了するという考え方があります。
そのため、到達日から2週間後を退職日として設定する場合には、会社へいつ通知が届いたのかを確認できるようにしておく必要があります。
ただし、配達日が分かれば退職日がすべて自動的に確定するわけではありません。
会社との合意による退職なのか、労働者からの一方的な退職通知なのか、雇用期間の定めがあるのか、有給休暇を取得するのかなどによって、退職手続きの組み立て方は変わります。
配達証明は、退職意思が会社へ到達した時期を判断するための重要な資料ですが、退職日そのものを決定する制度ではありません。
配達証明で分かること・分からないこと
配達証明を利用すると、一般書留郵便物が配達された事実を記録として残せます。
しかし、配達証明によって証明できる範囲には限界があります。
まず、配達証明は、郵便物の実際の受取人が誰であるかを証明するものではありません。
会社宛ての郵便物を受付担当者が受け取ったのか、総務担当者が受け取ったのか、代表者本人が受け取ったのかまでは分かりません。
また、相手方が封筒を開けたことや、文書を読んで内容を理解したことも証明しません。
配達された文書の内容については、配達証明ではなく内容証明によって記録を残します。
さらに、内容証明と配達証明を利用しても、文書に記載した主張が法律上正しいことまで証明されるわけではありません。
退職通知であれば、退職意思、退職日、有給休暇、欠勤、貸与品返却などの記載内容を、雇用契約や現在の状況に合わせて整理する必要があります。
郵送方法だけを整えても、文書の内容が曖昧であれば、会社との認識が食い違う可能性があります。
受取拒否・不在・住所不明で返送された場合
内容証明に配達証明を付けて発送しても、必ず通常どおり配達されるとは限りません。
会社が受取拒否をした場合、不在が続いて郵便局の保管期間を経過した場合、住所が間違っていた場合などには、郵便物が差出人へ返送されることがあります。
受取拒否の場合は、相手方が意図的に受領を避けた事情などから、意思表示が到達したと評価される可能性があります。
ただし、受取拒否で返送されたら必ず到達したことになるわけではありません。宛先、配達状況、相手方が受領できる状態にあったかなど、個別の事情を確認する必要があります。
不在による保管期間経過も、通常の配達完了とは異なります。不在票が投函されたことだけで、直ちにすべてのケースで到達が認められるとは限りません。
住所不明の場合は、正しい所在地へ配達が試みられていない可能性があります。会社の本店所在地や実際の営業所を確認し、正確な宛先へ再送する必要があります。
返送された場合は、返送理由が記載された封筒、内容証明の控え、郵便局の受領証、追跡履歴を保管してください。
状況に応じて、普通郵便やメールなどを併用し、相手が通知内容を確認できる状態を整えることも考えられます。
配達証明の付け方と発送後の確認方法
郵便局の窓口から内容証明を発送する場合は、差出時に「配達証明を付けたい」と伝えます。
内容証明は一般書留とする必要があるため、配達証明を追加することができます。簡易書留では内容証明を利用できません。
配達証明の加算料金は、差出時に申し込む場合、現在350円です。料金は変更される可能性があるため、発送時に確認してください。
一般書留を発送した後から配達証明を請求することもできますが、受領証の提示が必要となり、差出時に申し込む場合とは料金が異なります。
e内容証明を利用する場合も、申込み画面で配達証明を付けることができます。
発送後は、郵便局から交付された受領証と追跡番号を保管し、追跡サービスで配達状況を確認します。
配達証明書が届いた後は、内容証明の謄本や控えと一緒に保管しておきましょう。退職通知に関して会社から連絡が来た場合に、何をいつ送ったのかをすぐ確認できます。
退職通知を送る前に整理しておきたい内容
退職通知を内容証明と配達証明で送る場合、郵送方法だけでなく文書の内容を整理することが重要です。
まず、退職意思を明確に記載します。「退職したいと思っています」という曖昧な表現ではなく、退職する意思が確定していることが分かる文章にします。
次に、退職日を整理します。
到達日を退職日として希望するのか、到達日から一定期間後を退職日とするのか、会社との間ですでに退職日の合意があるのかによって書き方が変わります。
退職日まで出社しない場合は、有給休暇を取得するのか、有給休暇が足りない期間は欠勤となる可能性があるのかも確認します。
社員証、制服、鍵、パソコン、スマートフォンなどの貸与品がある場合は、返却方法を記載します。内容証明には文書以外の物を同封できないため、貸与品は追跡可能な別便で返却します。
離職票や源泉徴収票などの退職関係書類については、自宅宛てに郵送してほしい旨を記載できます。
会社からの電話が大きな負担になっている場合は、今後の連絡を書面またはメールで行うよう依頼することも考えられます。
退職通知では、配達証明を付けることだけでなく、退職後のやり取りを減らせるように必要事項をまとめておくことが大切です。
まとめ|重要な退職通知は内容証明と配達証明で記録を残す
配達証明とは、一般書留郵便物を配達した事実を日本郵便が証明するサービスです。
内容証明は差し出した文書の内容を証明し、配達証明は郵便物を配達した事実を証明します。
そのため、退職通知のように、何を通知したのかだけでなく、いつ会社へ届いたのかも重要になる文書では、内容証明と配達証明を組み合わせる意味があります。
ただし、配達証明は、実際に誰が受け取ったのか、相手が文書を読んだのか、記載内容が法的に正しいのかまで証明するものではありません。
また、受取拒否、不在、住所不明などで返送された場合は、通常の配達完了とは異なるため、返送理由を確認して対応を検討する必要があります。
退職通知を送るときは、退職意思と退職日だけでなく、有給休暇、出社しない期間、貸与品返却、退職書類の送付先、今後の連絡方法まで整理しておくことが重要です。
「内容証明と配達証明の違いが分からない」
「会社へ退職通知を送りたいが、何を書けばよいか不安」
「会社と直接やり取りせずに、退職手続きを進めたい」
このような場合は、自己判断で文書を送る前に、現在の勤務状況と退職希望日を整理し、内容証明による退職通知で進められるかを確認してみてください。
退職についてお悩みの方へ
会社と直接やり取りせずに、
退職手続きを進めたい方へ
「会社に連絡したくない」「引き止められるのが不安」という段階でもご相談いただけます。
現在の状況を確認し、内容証明による退職通知で進められるかをご案内します。
ご相談のみでも問題ありません。内容をご確認いただいたうえで正式にご依頼いただけます。
ご相談から退職通知の発送まで
勤務状況や退職希望日などをお伺いします。
内容証明による退職通知で進められるかをご案内します。
退職日や今後の連絡方法などを整理して文書を作成します。
作成した退職通知書を会社へ発送し、発送後の対応もご案内します。
※ご相談内容を確認したうえで、内容証明による退職通知で進められる方法をご案内します。


