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契約書における準拠法・管轄裁判所条項の重要性を行政書士が解説

契約トラブルが発生したとき、どの法律で、どこの裁判所で解決するのかを決めるのが準拠法・管轄裁判所条項。行政書士がわかりやすく解説します。

1. 準拠法・管轄裁判所条項とは?

「準拠法・管轄裁判所条項」とは、契約に関するトラブルが起きた際に、どの国の法律で判断し、どこの裁判所で解決するかを定める条項です。

国内取引だけでなく、県外企業・海外企業との取引が増える中、この条項の有無はトラブル時の大きな分かれ道になります。
特に近年はオンライン取引やリモート契約が一般化しており、当事者の所在地が異なるケースも少なくありません。

この条項を明記しておくことで、

  • 紛争解決に適用される法律(準拠法)
  • 訴訟を提起する裁判所(管轄裁判所)
    が明確になり、不要な混乱を防げます。

2. 準拠法を定める目的と注意点

準拠法とは、「契約の解釈・履行・責任をどの法律に基づいて判断するか」を決めるものです。

たとえば、日本企業と海外企業が契約を結ぶ場合、契約に「本契約は日本法に準拠する」と明記しておけば、日本の法律が適用されます。
もしこの記載がなければ、裁判所が「当事者の本拠地」「契約の履行地」などを基準に判断することになり、時間や費用が大きくかかるリスクがあります。

国内取引でも、企業の所在地が異なる場合には、明確にしておくほうが安心です。

実務上は以下のように記載します。

「本契約の成立、効力、履行および解釈については、日本法を準拠法とする。」

注意点として、海外企業との契約では相手側から「自国の法律を準拠法とする」と求められることがあります。
その場合は、リスク・コストを比較して慎重に判断する必要があります。
行政書士は、国際契約の経験に基づいて、法的リスクの観点からアドバイスを行います。


3. 管轄裁判所を指定する意味と実務上の工夫

「管轄裁判所条項」とは、契約に関する紛争をどこの裁判所で解決するかを定めたものです。
この条項を明記していないと、トラブル発生時に相手の所在地の裁判所で訴訟を起こさなければならない場合もあり、大きな負担となります。

そのため、実務では次のように書くのが一般的です。

「本契約に関して生じた一切の紛争については、○○地方裁判所を専属的合意管轄裁判所とする。」

中小企業や個人事業主の場合、自社の所在地を管轄する裁判所を指定しておくと、出廷負担を軽減できます。
また、東京地裁・大阪地裁など、契約実務が多い都市の裁判所を指定するケースもあります。

行政書士としては、契約の規模や相手方の所在地を考慮し、「どの裁判所が現実的か」を提案します。


4. トラブル時にこの条項がないとどうなる?

準拠法・管轄裁判所条項を入れていない契約書では、トラブルが起きたときに次のようなリスクが生じます。

  • どの法律を基準に判断するか不明確(国際取引では特に危険)
  • 双方が異なる裁判所に訴訟を提起し、二重訴訟になるおそれ
  • 裁判地をめぐって無駄な争いが発生

たとえば、愛知県の会社と東京の会社が契約した場合、どちらの裁判所に提起するかで揉めることがあります。
これを防ぐためにも、契約書段階で「どこの裁判所で解決するか」を明確にしておくことが不可欠です。

また、国際契約の場合、準拠法や裁判地が海外になると、翻訳・弁護士費用・証拠提出などのコストが数倍に膨らみます。
したがって、国内の中小企業であれば、日本法+自社所在地の裁判所指定が最も現実的といえます。


5. まとめ:万が一に備えた紛争解決の準備を

準拠法・管轄裁判所条項は、契約トラブルが起きたときの「最後の守り」です。
平時には意識されませんが、いざというときにこの一文があるかないかで、解決までのスピードとコストが大きく変わります。

  • 準拠法 → どの法律を適用するか
  • 管轄裁判所 → どこで解決するか

この2つをセットで明記しておくことで、契約の安定性と信頼性が格段に高まります。

行政書士は、契約内容・取引相手・所在地を踏まえ、最適な条項を設計します。
「契約トラブルを事前に防ぎたい」「県外・海外の取引が増えて不安」という場合は、早めに専門家へご相談ください。

準拠法・管轄裁判所条項の整備をご希望の方へ
行政書士が、取引内容や所在地に合わせた適切な法的文言を提案します。
契約トラブルを未然に防ぎ、安心できる契約書を整えましょう。

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