体調不良で退職したいものの、診断書がないと辞められないのか不安な方へ。診断書と退職意思表示の関係、会社から診断書を求められた場合の考え方、内容証明で退職通知を送る方法、有給・欠勤扱い、貸与品返却まで行政書士が解説します。
会社に行くのがつらい方へ
会社と直接やり取りせずに、退職手続きを進められる場合があります。
「上司に連絡したくない」「引き止められるのが不安」「明日から会社に行きたくない」など、今の状況でもご相談いただけます。
内容証明による退職通知で進められるか、まずは状況をお伺いします。
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診断書がないと退職できないのか不安な方へ
体調不良で会社を辞めたいと考えている方から、「診断書がないと退職できませんか」と相談されることがあります。
会社に行くことがつらい。
朝になると体が動かない。
上司や店長に電話するだけでも苦しい。
病院には行っていない、または診断書までは取っていない。
その状態で退職したいと考えると、「診断書がないと会社に信じてもらえないのではないか」「診断書を出さないと退職を認めてもらえないのではないか」と不安になると思います。
また、会社から「体調不良なら診断書を出してください」「診断書がないなら欠勤扱いです」「診断書なしで辞めるのは認められません」と言われることもあります。
このような言葉を受けると、退職したい気持ちは固まっているのに、診断書を取るまで動けないように感じてしまいます。
ただ、退職の意思を会社へ伝えることと、診断書を提出することは、分けて考える必要があります。
診断書は、欠勤、休職、傷病手当金、勤怠処理などで必要になることがあります。
しかし、退職の意思表示そのものは、診断書がなければできないというものではありません。
会社に行くことや電話で話すことが難しい場合は、内容証明による退職通知で、退職の意思、退職日、有給取得希望、欠勤扱い、貸与品返却、退職書類の送付依頼、今後の連絡方法を文書で整理する方法があります。
退職意思を伝えることと診断書の有無は分けて考える
診断書がないと退職できないのかを考えるときに大切なのは、退職意思表示と診断書の役割を分けることです。
退職意思表示は、会社に対して「退職します」という意思を明確に伝えるものです。
一方で、診断書は、医師が現在の症状や就労の可否などについて記載する書類です。
会社が診断書を求める場面は、退職の意思そのものを確認するためというより、体調不良による欠勤や休職の扱い、復職可否、傷病手当金などの手続きに関係していることが多いです。
つまり、診断書がないことと、退職意思を伝えられないことは同じではありません。
本人の退職意思が固まっているのであれば、会社へ退職意思を伝えることはできます。
ただし、体調不良で出社していない期間については、別途整理が必要です。
その期間が有給休暇になるのか。
欠勤扱いになるのか。
休職扱いになっているのか。
会社から診断書の提出を求められているのか。
傷病手当金や社会保険料の話があるのか。
これらは退職通知と関係することがあります。
そのため、「診断書がないから何もできない」と考えるのではなく、退職意思を伝える部分と、体調不良による休みの扱いを分けて整理しましょう。
会社が診断書を求める場面とは
会社が診断書を求める場面には、いくつかのパターンがあります。
体調不良で何日も欠勤している場合。
休職手続きに入る場合。
休職延長を希望する場合。
復職できるか確認する場合。
傷病手当金の手続きを進める場合。
就業規則に、一定期間以上の欠勤について診断書の提出を求める規定がある場合。
このような場面では、会社が勤怠管理や休職手続きのために診断書を求めることがあります。
そのため、会社から「診断書を出してください」と言われたからといって、すべて不当だとは限りません。
会社としても、本人が体調不良で働けない状態なのか、単なる欠勤なのか、休職にすべきなのかを判断する必要があります。
ただし、退職したい意思がすでに固まっている場合は、診断書を出して休職手続きを進めるのか、それとも退職意思を伝えるのかを整理する必要があります。
復職するつもりがないのに、会社から言われるまま休職手続きだけを進めると、診断書の提出、休職延長、復職面談、近況報告など、会社とのやり取りが続くことがあります。
退職したい場合は、診断書の有無だけで悩むのではなく、退職意思、退職日、退職日までの有給や欠勤扱い、今後の連絡方法をどうするかを先に考えましょう。
診断書がない場合に退職通知でどう伝えるか
診断書がない場合でも、退職通知を作成することはできます。
退職通知では、体調不良を詳しく証明することよりも、退職の意思と退職日を明確に伝えることが重要です。
退職理由を簡潔にする場合は、次のような表現があります。
一身上の都合により、〇年〇月〇日をもって退職いたします。
体調不良に触れたい場合でも、診断名や詳しい症状を書きすぎず、必要な範囲にとどめる方法があります。
体調不良により今後の就業継続が困難であるため、退職の意思を通知いたします。
会社へ行けないことを伝える場合は、次のように整理することもあります。
現在、体調不良により出社が困難な状態であるため、退職日まで出社せず、有給休暇または欠勤としてお取り扱いくださいますようお願いいたします。
ただし、文言は状況によって調整が必要です。
有給休暇が残っているのか。
すでに欠勤扱いになっているのか。
休職中なのか。
会社から診断書を求められているのか。
これらによって、退職通知に入れるべき内容は変わります。
診断書がないからといって、体調不良の詳細を長く説明する必要はありません。
退職通知は、医療状況を説明するための文書ではなく、退職意思と退職手続きに必要な事項を会社へ伝える文書です。
体調不良の詳細を無理に書きすぎない
診断書がない状態で退職したい場合、「詳しく説明しないと会社に納得してもらえない」と考えてしまう方がいます。
朝起きられない。
会社のことを考えると気分が悪くなる。
上司からの電話が怖い。
職場に行こうとすると体が動かない。
人間関係がつらい。
このような事情をすべて書きたくなるかもしれません。
もちろん、本人にとっては大切な事情です。
しかし、退職通知の中で体調不良や職場への不満を細かく書きすぎると、会社からさらに説明を求められることがあります。
「診断書はあるのか」
「いつからその状態なのか」
「なぜ今まで言わなかったのか」
「一度面談しよう」
「休職にすれば戻れるのではないか」
このように、退職手続きとは別の話が広がることがあります。
会社と争いたいわけではなく、退職の意思を明確に伝えたい場合は、理由の説明を必要最小限にする方が安全です。
退職理由は「一身上の都合」とし、出社できない事情については「体調不良により出社が困難」といった表現にとどめる方法があります。
診断書がないことを気にして、長い事情説明を書きすぎる必要はありません。
退職通知では、退職意思、退職日、退職日までの扱い、連絡方法を明確にしましょう。
退職通知を送る前に整理する内容
診断書がないまま退職したい場合は、退職通知を送る前に状況を整理しておきましょう。
診断書の有無だけに意識が向きがちですが、退職手続きでは他にも確認すべきことがあります。
- 会社名・勤務先名・所在地
- 退職通知の宛先
- 現在の勤務状況・欠勤状況
- 会社から診断書の提出を求められているか
- 欠勤扱い・休職扱いになっているか
- 退職の意思が固まっていること
- 退職希望日
- 退職日まで出社する予定があるか
- 有給休暇の残日数
- 退職日まで有給を希望するか
- 有給がない場合、欠勤扱いになる可能性
- 傷病手当金や社会保険料の話が出ているか
- 会社から貸与されている物
- 退職書類の送付先
- 今後の連絡方法をどうしたいか
特に重要なのは、退職日まで出社する予定があるかどうかです。
診断書がなくても、退職日まで出社しないのであれば、その期間を有給休暇として希望するのか、欠勤扱いになる可能性があるのかを整理する必要があります。
また、会社からすでに診断書の提出を求められている場合は、その目的を確認します。
欠勤処理のためなのか。
休職手続きのためなのか。
傷病手当金のためなのか。
復職判断のためなのか。
退職意思が固まっている場合は、診断書の話と退職意思表示を混同しないようにしましょう。
内容証明で退職意思を伝える方法
診断書がないまま退職したい場合、内容証明による退職通知を検討できます。
内容証明は、いつ、どのような内容の文書を、誰から誰宛てに差し出したかを記録に残しやすい方法です。
電話で退職を伝える場合、会社から診断書の有無や体調不良の詳細を聞かれ、冷静に話せなくなることがあります。
「診断書がないなら認められない」
「まず病院に行ってください」
「休職手続きにしましょう」
「一度会社に来て説明してください」
このように言われると、退職意思が固まっていても、その場で言い切れない方もいます。
内容証明では、退職の意思、退職日、有給取得希望、欠勤扱いの可能性、貸与品返却、退職書類の送付依頼、今後の連絡方法を一つの文書にまとめることができます。
診断書がない場合でも、会社宛てに退職意思を文書で明確に伝えることができます。
有給・欠勤扱い・休職との関係を整理する
診断書がないまま退職したい場合、有給休暇、欠勤扱い、休職との関係を整理する必要があります。
有給休暇が残っている場合は、退職日までの期間について年次有給休暇の取得を希望することがあります。
退職日までの期間につきましては、残存する年次有給休暇を取得いたします。
ただし、すでに休んでいる日について、後から有給扱いにできるかは、勤務先の対応や申請状況によって変わることがあります。
会社がすでに欠勤扱いとして処理している場合もあります。
有給休暇がない場合や、退職日までの日数に対して有給が足りない場合は、欠勤扱いになる可能性があります。
退職日までの期間につきましては、出社が困難であるため、欠勤としてお取り扱いくださいますようお願いいたします。
すでに休職中の場合は、退職日まで休職扱いが続くのか、自己都合退職として退職日を設定するのか、会社の就業規則や手続きとの関係も確認が必要です。
診断書がない場合、会社が休職扱いを認めず、欠勤扱いにする可能性もあります。
一方で、本人としては退職意思が固まっているのであれば、休職手続きに入ることより、退職通知を送って雇用関係を終了させる方向で整理したい場合もあります。
このように、診断書の有無だけでなく、退職日までの扱いをどうするかが重要です。
退職通知では、退職意思だけでなく、有給、欠勤、休職、今後の連絡方法をできるだけ明確にしておきましょう。
診断書を後から求められた場合の対応
退職通知を送った後に、会社から診断書を求められることがあります。
「体調不良と書いているなら診断書を出してください」
「欠勤期間を確認するために診断書が必要です」
「休職扱いにするには診断書が必要です」
「傷病手当金の手続きに診断書が必要です」
このような連絡が来た場合は、まず会社が何のために診断書を求めているのかを確認する必要があります。
退職意思そのものを認めるためなのか。
欠勤期間の処理のためなのか。
休職手続きのためなのか。
傷病手当金や社会保険関係のためなのか。
目的によって対応は変わります。
退職意思を伝えるためだけであれば、診断書がないと退職できないわけではありません。
一方で、欠勤や休職、傷病手当金に関する手続きでは、診断書や医師の証明が関係することがあります。
会社から診断書を求められた場合でも、慌てて電話で長く説明する必要はありません。
まずは連絡内容を保存し、書面またはメールで、何の手続きのために必要なのかを確認する方法があります。
退職通知の中で、今後の連絡方法について次のように記載することもあります。
今後の退職手続きに関するご連絡につきましては、記録保持および行き違い防止のため、電話または面談ではなく、書面またはメールにてお願いいたします。
診断書を求められたからといって、退職意思が消えるわけではありません。
診断書が必要な手続きと、退職意思表示を分けて整理しましょう。
まとめ
診断書がないと退職できないのか不安な場合でも、まずは退職意思表示と診断書の役割を分けて考えることが大切です。
診断書は、欠勤、休職、復職判断、傷病手当金などで必要になることがあります。
しかし、退職の意思を会社へ伝えること自体が、診断書の提出を前提としているわけではありません。
退職したい意思が固まっているのであれば、診断書がない状態でも、会社へ退職意思を伝えることはできます。
ただし、体調不良で出社できない期間については、有給休暇、欠勤扱い、休職扱い、社会保険料、傷病手当金などを分けて整理する必要があります。
会社に電話できない場合や、診断書がないことを理由に退職を言い出せない場合は、内容証明による退職通知を検討できます。
「診断書がないと退職できないのか不安」
「体調不良で会社に行けないが、病院には行けていない」
「電話ではなく文書で退職意思を伝えたい」
このような場合は、診断書がないことだけで動けなくなる前に、退職通知として何を伝えるべきかを整理しましょう。
退職は、診断書の有無だけで止まるものではなく、必要な意思表示と事務手続きを文書で整えることが重要です。
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