休職中に復職せず、そのまま退職したい方へ。休職中の退職意思の伝え方、内容証明で退職通知を送る方法、退職日・有給・社会保険料・診断書・貸与品返却・退職書類の整理まで行政書士が解説します。
休職中にそのまま退職したい方へ
体調不良や精神的な不調で休職している間に、「もう復職せず、このまま退職したい」と感じる方は少なくありません。
休職に入った当初は、しばらく休めば戻れるかもしれないと思っていた。
しかし、時間が経つほど、同じ職場に戻ることを考えるだけでつらくなった。
会社から復職面談や診断書の話が来ているけれど、もう戻る気持ちがない。
上司や人事と電話で話すことも負担になっている。
このような状態になると、休職中のまま退職できるのか、会社へどのように伝えればよいのか分からなくなると思います。
特に、会社から「復職できそうですか」「診断書を提出してください」「休職期間が満了します」と連絡が来ている場合、退職したいと言い出しにくくなります。
ただ、休職中だからといって、退職の意思を会社へ伝えられなくなるわけではありません。
休職は、会社に在籍したまま、一定期間就労を免除されている状態です。
退職は、その会社との雇用関係を終了させる手続きです。
復職する意思がなく、退職したい気持ちが固まっているのであれば、会社へ退職意思を明確に伝える必要があります。
会社に電話できない場合や、復職面談に行くことが難しい場合は、内容証明による退職通知で、退職の意思、退職日、退職日までの扱い、貸与品返却、退職書類の送付依頼、今後の連絡方法を文書で整理する方法があります。
休職中でも退職意思を伝えることはできる
休職中に退職したい方がまず知っておきたいのは、休職中でも退職意思を伝えることはできるということです。
休職している間は、会社に在籍しています。
そのため、会社との雇用関係は続いています。
在籍している以上、本人が退職したい意思を会社へ伝えることは可能です。
休職中だから退職できない、復職してからでなければ退職を申し出られない、というわけではありません。
もちろん、会社の就業規則には、休職期間、復職手続き、休職期間満了時の扱いなどが定められていることがあります。
会社によっては、休職期間満了時に復職できない場合の自然退職や退職扱いについて規定していることもあります。
しかし、それは「休職期間が満了した場合にどう扱うか」という問題です。
本人が休職期間の途中で退職意思を伝えることとは、分けて考える必要があります。
すでに退職意思が固まっているのであれば、休職期間満了まで待たずに、退職通知として会社へ意思表示をすることがあります。
大切なのは、「休職中だから何もできない」と考えて放置しないことです。
復職の予定がないのであれば、退職日、退職日までの扱い、会社から借りている物、退職書類の送付先、今後の連絡方法を整理しましょう。
休職期間満了まで待つ必要があるのか
休職中に退職したい場合、「休職期間が満了するまで待たないといけないのか」と悩む方がいます。
会社から休職期間満了日を案内されている。
復職できない場合は自然退職になると言われている。
診断書を出して休職延長するか、復職するか、退職するか決めるよう求められている。
このような状態では、自分から退職通知を送ってよいのか迷うと思います。
休職期間満了まで待つか、自分から退職意思を伝えるかは、状況によって整理が必要です。
休職期間満了による退職は、就業規則上の休職制度に基づいて処理されることがあります。
一方で、本人が自己都合退職として退職意思を伝える場合は、本人から会社へ退職の意思を明確に通知することになります。
どちらがよいかは、退職日、社会保険料、傷病手当金、会社とのやり取り、離職票の記載、本人の体調などによって考える必要があります。
ただし、本人として「もう復職するつもりはない」「会社とのやり取りを長引かせたくない」と考えている場合は、休職期間満了を待つより、退職意思を明確に伝えた方が整理しやすいことがあります。
休職期間満了まで曖昧な状態が続くと、会社から復職可否の確認、診断書の提出、面談の案内、休職延長の確認などが来ることがあります。
退職したい意思が固まっているのであれば、休職満了まで待つかどうかだけで悩まず、退職通知として何を伝えるべきかを整理しましょう。
復職できない理由を詳しく説明しすぎない
休職中に退職したい場合、会社から「なぜ復職できないのか」「今後も戻れない理由は何か」と聞かれることがあります。
体調がまだ回復していない。
同じ職場に戻ることを考えると不調になる。
上司や職場環境への不安がある。
業務を続ける自信がない。
退職したい理由には、さまざまな事情があると思います。
ただし、退職通知の中で、復職できない理由や体調の詳細を長く書きすぎる必要はありません。
病名、症状、通院内容、職場への不満、人間関係の問題を細かく書くと、会社から追加説明を求められたり、復職条件の提案をされたり、面談を求められたりすることがあります。
本人としては正直に説明したつもりでも、会社側から「配置転換を考える」「もう少し休職すれば戻れるのでは」「主治医の意見を確認したい」と話が広がることがあります。
会社と争いたいわけではなく、退職の意思を明確に伝えたい場合は、退職理由は簡潔に整理する方が安全です。
たとえば、退職通知では次のように書くことがあります。
一身上の都合により、〇年〇月〇日をもって退職いたします。
体調に触れる場合でも、詳細を書きすぎず、必要な範囲にとどめます。
体調不良により今後の就業継続が困難であるため、退職の意思を通知いたします。
退職通知は、復職できない理由をすべて説明する文書ではありません。
退職意思と退職日、退職後の事務手続きを会社へ明確に伝える文書です。
退職通知を送る前に整理する内容
休職中にそのまま退職したい場合は、退職通知を送る前に今の状況を整理しておきましょう。
休職中は、通常の欠勤中よりも、会社との間で確認すべき事項が多くなりやすいです。
退職通知を作る前に、少なくとも次の点を確認します。
- 会社名・勤務先名・所在地
- 退職通知の宛先
- 現在の休職開始日・休職期間
- 休職期間満了日
- 休職延長や復職面談の予定
- 診断書の提出を求められているか
- 傷病手当金の手続きがあるか
- 社会保険料の本人負担があるか
- 退職の意思が固まっていること
- 退職希望日
- 退職日まで有給を希望するか
- 会社から貸与されている物
- 退職書類の送付先
- 今後の連絡方法をどうしたいか
特に重要なのは、休職期間満了日と退職希望日の関係です。
休職期間満了日より前に退職したいのか。
休職期間満了日を退職日としたいのか。
会社から自然退職の案内が来ているのか。
自己都合退職として退職通知を出したいのか。
ここを整理しないと、会社から確認の連絡が来やすくなります。
また、休職中は社会保険料の本人負担が発生している場合があります。
傷病手当金を受けている場合や申請予定がある場合も、退職日によって手続きに影響が出ることがあります。
退職通知を出す前に、退職意思だけでなく、退職日をどのように設定するかを慎重に考えましょう。
内容証明で退職意思を伝える方法
休職中にそのまま退職したい場合、内容証明による退職通知を検討できます。
内容証明は、いつ、どのような内容の文書を、誰から誰宛てに差し出したかを記録に残しやすい方法です。
電話で退職を伝える場合、会社から復職の可能性や休職延長、診断書、面談について詳しく聞かれることがあります。
「一度面談しましょう」
「復職できるか主治医に確認してください」
「退職ではなく休職延長にしませんか」
「退職日は会社と相談して決めましょう」
このように言われると、退職意思が固まっていても、その場で強く伝えきれないことがあります。
内容証明では、退職の意思、退職日、有給取得希望、退職日までの扱い、貸与品返却、退職書類の送付依頼、今後の連絡方法を一つの文書にまとめることができます。
休職中で会社に行けない場合や、電話で話すことが負担になる場合でも、会社宛てに退職意思を文書で明確に伝えることができます。
退職日・有給・社会保険料を整理する
休職中にそのまま退職する場合、退職日をいつにするかは重要です。
退職日によって、会社との在籍期間、社会保険料、傷病手当金、有給休暇、退職書類の時期などに影響が出ることがあります。
有給休暇が残っている場合、退職日まで年次有給休暇を取得したいと考える方もいます。
退職日までの期間につきましては、残存する年次有給休暇を取得いたします。
ただし、休職中に有給休暇を取得できるか、休職から有給へ切り替える扱いができるかは、会社の運用や就業規則、本人の状況によって確認が必要です。
すでに休職扱いになっている期間について、当然に有給へ変更できるとは限りません。
また、休職中は給与が支払われていなくても、社会保険料の本人負担が発生していることがあります。
退職日が月末になるか、月末前になるかで、社会保険料の扱いに影響が出る場合もあります。
この点は、退職通知の文面だけで完結する問題ではありません。
そのため、退職通知では、退職意思と退職希望日を明確にしつつ、会社から退職書類や精算内容を本人宛てに送付してもらう形に整えることが重要です。
退職日までの扱いが曖昧なままだと、会社から電話や面談で確認されやすくなります。
休職中に退職する場合ほど、退職日、休職期間満了日、有給休暇、社会保険料、退職後の書類をまとめて整理しておきましょう。
診断書や会社からの連絡への対応
休職中は、会社から診断書や復職可否に関する連絡が来ることがあります。
診断書を提出してください。
復職可能か主治医に確認してください。
休職延長の手続きをしてください。
復職面談の日程を決めましょう。
休職期間満了後の扱いを確認したいです。
このような連絡が来ている場合、退職通知を出す前に内容を確認しておきましょう。
すでに退職意思が固まっている場合でも、会社から届いている連絡を無視し続けると、さらに確認が続く可能性があります。
ただし、退職したい意思が明確な場合、復職面談や休職延長の話をすべて電話で説明する必要があるとは限りません。
会社からの連絡内容を保存し、退職通知の中で、退職意思と今後の連絡方法を明確にすることを検討します。
今後の連絡方法については、次のような文言を入れることがあります。
今後の退職手続きに関するご連絡につきましては、記録保持および行き違い防止のため、電話または面談ではなく、書面またはメールにてお願いいたします。
診断書については、会社から提出を求められている場合があります。
ただし、退職通知の中に詳しい病名や症状を必ず記載しなければならないわけではありません。
退職意思を伝える文書では、体調の詳細よりも、退職の意思、退職日、今後の手続きを明確にすることを優先します。
休職中の傷病手当金、社会保険料、休職期間満了などが絡む場合は、退職通知で対応できる範囲と、別途確認すべき範囲を分けて考えましょう。
貸与品返却と退職書類の送付依頼も忘れない
休職中にそのまま退職する場合でも、会社から借りている物は返却する必要があります。
社員証、制服、鍵、名札、入館証、パソコン、スマートフォン、その他会社から貸与されている備品などがある場合は、退職に伴って返却します。
休職中で会社に行きづらい場合は、追跡可能な方法で郵送返却する形が現実的です。
レターパック、宅配便、簡易書留などを利用し、発送日、追跡番号、同封物を控えておくと安心です。
内容証明には貸与品を同封できません。
退職通知は内容証明で送り、貸与品や社用端末は別便で返却します。
また、退職後に必要となる書類についても、送付先を明確に記載しておきましょう。
離職票、源泉徴収票、社会保険関係書類、退職証明書、精算に関する書類などは、退職後の生活や手続きに関わる重要な書類です。
休職中に退職する場合、会社とのやり取りが復職や診断書の話に偏りがちです。
しかし、退職後のやり取りを減らすためには、貸与品返却と退職書類の整理も重要です。
退職通知の中で、退職書類の送付先と今後の連絡方法を明確にしておけば、会社へ直接電話したり、退職後に何度もやり取りしたりする場面を減らしやすくなります。
退職の意思だけでなく、退職後の事務手続きまで文書で整えておきましょう。
まとめ
休職中にそのまま退職したい場合でも、退職を諦める必要はありません。
休職中は会社に在籍している状態です。
そのため、復職せずに退職したい意思が固まっているのであれば、会社へ退職意思を伝えることはできます。
ただし、休職中の退職では、通常の退職よりも確認すべき事項が増えます。
休職期間満了日、復職面談、診断書、傷病手当金、社会保険料、有給休暇、退職書類などが関係することがあるためです。
退職通知では、復職できない理由を長く説明するより、退職の意思、退職日、有給取得希望、貸与品返却、退職書類の送付依頼、今後の連絡方法を明確にすることが重要です。
会社に電話できない場合や、復職面談に行くことが難しい場合は、内容証明による退職通知を検討できます。
「休職中だが、もう復職するつもりがない」
「休職期間満了を待たずに退職したい」
「会社に電話せず、文書で退職意思を伝えたい」
このような場合は、復職や休職延長の連絡に悩み続ける前に、退職通知として何を伝えるべきかを整理しましょう。
休職中の退職は、感情的に電話で進めるよりも、必要な意思表示と事務手続きを文書で整える方が安全な場合があります。
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