ECサイト構築で持続化補助金を申請したい方へ、ウェブサイト関連費として対象になり得るケース、対象外になりやすい費用、事業計画書への書き方、見積書、公開時期、実績報告の注意点を行政書士が解説します。
ECサイト構築で持続化補助金を申請したい方へ
小規模事業者持続化補助金を使って、ECサイトを構築したいと考える事業者の方は多いです。
店舗販売だけでなく、ネット販売を始めたい。
既存のホームページにカート機能を追加したい。
自社商品をオンラインで販売したい。
予約販売や定期購入に対応したい。
地域外の顧客にも商品を届けたい。
このような場合、ECサイト構築費は持続化補助金の対象経費として検討できる可能性があります。
ただし、ECサイトであれば何でも対象になるわけではありません。
持続化補助金は、販路開拓等の取組を支援する制度です。
そのため、ECサイトを作ることで、どのように新規顧客の獲得、販売チャネルの拡大、売上向上につながるのかを事業計画書で説明する必要があります。
また、ECサイト構築費は、ホームページ制作やLP制作と同じようにウェブサイト関連費として扱われることが多く、上限や他経費との組み合わせに注意が必要です。
この記事では、ECサイト構築で持続化補助金を申請したい場合の考え方と、申請前に確認すべきポイントを解説します。
ECサイト構築費はウェブサイト関連費として検討する
ECサイト構築費は、持続化補助金では主にウェブサイト関連費として検討します。
ウェブサイト関連費とは、販路開拓等を行うためのウェブサイト、ECサイト、システムなどの開発、構築、更新、改修、運用に要する経費です。
たとえば、ネットショップの新規構築、既存ホームページへのカート機能追加、商品ページの作成、決済機能の導入、会員登録機能の追加、予約販売機能の導入などが関係することがあります。
ただし、ECサイトに関係する費用であれば何でも対象になるわけではありません。
現在の公募回で、ECサイト構築費がどの経費区分に該当するのか。
ウェブサイト関連費に上限があるのか。
ウェブサイト関連費だけで申請できるのか。
商品写真の撮影、動画制作、広告、システム利用料、保守費用などをどのように整理するのか。
これらを確認する必要があります。
特に、ECサイトは制作費だけでなく、商品登録、写真撮影、決済設定、在庫管理、広告運用など、複数の費用が混在しやすいです。
申請前に、見積書の内訳と対象経費の整理をしておくことが大切です。
ECサイトだけでは申請できない点に注意
ECサイト構築で持続化補助金を申請する場合に注意したいのが、ウェブサイト関連費だけでは申請できない場合があることです。
つまり、ECサイト構築費だけを申請するのではなく、他の経費と組み合わせて補助事業計画を作る必要がある場合があります。
たとえば、ECサイト構築とあわせて、チラシ制作、パンフレット制作、広告出稿、商品パッケージの試作、展示会出展、看板制作などを検討するケースがあります。
ただし、経費を無理に増やせばよいという話ではありません。
大切なのは、複数の取組が一つの販路開拓の流れとしてつながっていることです。
たとえば、ECサイトを構築し、チラシやSNS広告から商品ページへ誘導する。
展示会で商品を紹介し、後日ECサイトから注文できるようにする。
店頭販売の商品をネット販売にも展開し、地域外からの注文を増やす。
このように、ECサイトを「ただ作るもの」としてではなく、販売チャネルを広げるための仕組みとして整理することが重要です。
対象になりやすいECサイト構築の考え方
ECサイト構築で持続化補助金を検討しやすいのは、販売チャネルの拡大や新規顧客獲得の目的が明確なケースです。
たとえば、これまで店舗販売だけだった事業者が、オンライン販売を始めるためにECサイトを構築する場合です。
店舗に来店できる顧客だけでなく、遠方の顧客にも商品を販売できるようになれば、新たな販路開拓として説明しやすくなります。
また、展示会やイベントで商品を知った顧客が、後からECサイトで購入できるようにするケースも考えられます。
食品、雑貨、アパレル、工芸品、化粧品、製造業の商品、小売店の商品など、ネット販売との相性がある商品であれば、ECサイト構築の目的を整理しやすくなります。
既存のホームページに商品紹介ページはあるものの、注文や決済ができない場合に、カート機能や決済機能を追加するケースもあります。
重要なのは、「ECサイトを作りたい」というだけで終わらせないことです。
誰に向けて販売するのか。
どの商品を販売するのか。
どのようにECサイトへアクセスを集めるのか。
どのように注文、決済、発送、リピート購入につなげるのか。
この流れを整理することで、事業計画書に落とし込みやすくなります。
対象外・注意が必要になりやすい費用
ECサイト構築に関係する費用でも、注意が必要なものがあります。
まず、補助事業期間内に運用に至らないECサイトです。
制作途中で公開できていない、決済機能が使えない、商品ページが整っていない、販売開始できていない場合は、補助対象として整理しにくくなる可能性があります。
また、既存ECサイトの単なる保守管理費や、通常の更新料に近い費用も注意が必要です。
販路開拓のための新規構築や機能追加ではなく、既に導入しているサービスの維持管理に近い場合は、対象外となる可能性があります。
さらに、ウェブサイトやシステムに関するコンサルティング費用、アドバイス費用も注意が必要です。
ECサイト構築そのものではなく、運営方法の助言やコンサルティングが中心の場合は、経費区分や対象性を確認する必要があります。
商品写真や動画の制作費用も、内容によって扱いが変わります。
ECサイトに掲載する宣材写真の制作費用は検討対象になり得ますが、被写体や商品そのものの購入費用は注意が必要です。
また、販売を目的としたシステムやソフトウェア開発、有料配信する動画、有料講座で使う電子教材などは、対象外となる場合があります。
ECサイト関連費用は範囲が広いため、見積書の内訳を細かく確認することが大切です。
事業計画書では販売チャネル拡大とのつながりを書く
ECサイト構築で持続化補助金を申請する場合、事業計画書では販売チャネル拡大とのつながりを具体的に書く必要があります。
まず、自社の現状と課題を整理します。
現在は店舗販売や対面販売が中心なのか。
紹介や既存顧客への販売に依存しているのか。
遠方の顧客に販売できていないのか。
商品はあるのに、オンラインで注文できる仕組みがないのか。
営業時間外の注文を受けられないのか。
このような課題を整理したうえで、なぜECサイト構築が必要なのかを説明します。
次に、ECサイトで販売する商品やサービスを具体的にします。
どの商品を掲載するのか。
どの顧客層に販売するのか。
価格帯、特徴、強み、競合との差別化は何か。
配送方法や決済方法はどうするのか。
さらに、ECサイトへの集客方法も整理します。
チラシ、SNS、Google広告、既存ホームページ、店頭案内、展示会、メールマガジンなどからECサイトへ誘導する流れを説明します。
事業計画書では、ECサイトを作ること自体ではなく、ECサイトを使ってどのように販売機会を増やすのかを書くことが大切です。
見積書で確認すべきポイント
ECサイト構築で申請する場合、見積書の内容は非常に重要です。
見積書に「ECサイト構築一式」とだけ書かれていると、何にいくらかかるのか分かりにくくなります。
できるだけ内訳が分かる見積書を準備しましょう。
たとえば、サイト設計、デザイン、コーディング、商品ページ作成、カート機能、決済機能、会員登録機能、在庫管理機能、送料設定、スマートフォン対応、セキュリティ設定、商品登録、公開作業などです。
また、写真撮影、文章作成、動画制作、広告運用、SEO対策、保守管理、サーバー費用、ドメイン費用、月額システム利用料などが含まれている場合は、それぞれの扱いを確認する必要があります。
契約期間が補助事業期間を超えるソフトウェア使用権やサービス利用料が含まれる場合は、補助対象となる期間分をどう整理するかも確認が必要です。
見積書の宛名、発行日、発行事業者、金額、消費税、支払条件も確認しましょう。
補助金では、発注、契約、制作開始、支払いのタイミングにも注意が必要です。
採択前や交付決定前に契約・発注・支払いをしてしまうと、補助対象にならない可能性があります。
制作会社と話を進める前に、補助金申請上のスケジュールを確認しておきましょう。
公開時期・販売開始・実績報告にも注意する
ECサイト構築では、採択後の公開時期や実績報告にも注意が必要です。
持続化補助金は、採択されたら終わりではありません。
採択後、交付決定を受け、制作を進め、納品・公開・支払いを行い、実績報告をして補助金の入金につながります。
ECサイトの場合、補助事業期間内に公開し、実際に運用できる状態にしておくことが重要です。
商品ページが未完成、決済機能が使えない、販売開始できていない、公開URLが確認できない状態では、実績報告で困る可能性があります。
また、実績報告では、ECサイトを構築したことや支払いを完了したことを確認できる資料が必要になります。
請求書、領収書、振込明細、契約書、納品書、公開URL、サイト画面のスクリーンショット、商品ページ、決済機能、管理画面、制作内容が分かる資料などを整理しておきましょう。
制作途中で仕様が変わることもあります。
商品数が増えた。
決済機能を変更した。
予約機能や会員機能を追加した。
広告運用も依頼することになった。
このような場合は、申請時の内容や見積書との整合性を確認する必要があります。
申請時点から、公開・販売開始・実績報告まで見据えて計画することが大切です。
申請前に専門家へ相談した方がよいケース
ECサイト構築で持続化補助金を申請したい場合、申請前に専門家へ相談した方がよいケースがあります。
まず、ECサイト構築費だけで申請しようとしている場合です。
ウェブサイト関連費だけでは申請できない場合があるため、他の販路開拓経費との組み合わせを確認する必要があります。
次に、制作会社から見積書をもらっているものの、補助対象になるか不安な場合です。
ECサイト構築費、商品登録費、写真撮影費、決済機能、保守管理費、広告費、コンサルティング費用などが混在している場合は、経費区分や対象外部分を確認する必要があります。
また、事業計画書に何を書けばよいか分からない場合も、早めに相談した方がよいです。
ECサイトを作る理由、現在の販売課題、ターゲット顧客、販売商品、集客方法、期待される効果を整理できないと、申請内容が弱くなりやすいです。
補助事業期間内にECサイトを公開できるか不安な場合も注意が必要です。
制作スケジュール、商品登録、決済設定、公開日、販売開始時期、実績報告期限を確認しておきましょう。
すでに自分で事業計画書を書いている場合はチェック、まだ書けていない場合は作成支援、対象経費や必要書類まで不安がある場合は一括申請サポートを検討するとよいでしょう。
まとめ
ECサイト構築で持続化補助金を申請したい場合は、単にネットショップを作る費用として考えるのではなく、販売チャネルを拡大するための販路開拓の取組として整理することが大切です。
ECサイト構築費は、ウェブサイト関連費として検討することが多い経費です。
ただし、ウェブサイト関連費のみでの申請ができない場合や、補助金交付申請額に上限がある場合があります。
そのため、ECサイト構築だけでなく、チラシ、広告、パンフレット、展示会出展、商品パッケージなど、他の販路開拓施策との組み合わせも確認する必要があります。
事業計画書では、現在の販売課題、ECサイトを構築する理由、販売する商品、ターゲット顧客、集客方法、注文・決済・発送の流れ、期待される効果を具体的に整理しましょう。
見積書では、ECサイト構築一式ではなく、サイト設計、デザイン、商品ページ、カート機能、決済機能、商品登録、写真撮影、公開作業、保守管理などの内訳を確認することが重要です。
採択後は、交付決定後に発注・制作・支払いを進め、補助事業期間内に公開・運用できる状態にする必要があります。
実績報告では、公開URL、スクリーンショット、請求書、領収書、振込明細、納品書などを整理しておきましょう。
「ECサイト構築で申請できるか知りたい」
「制作会社の見積書を確認してほしい」
「ネット販売を始めたいが事業計画書にどう書けばよいか分からない」
「ECサイト以外の経費と組み合わせるべきか相談したい」
このような場合は、早めに現在の状況を整理しましょう。
ECサイト構築で持続化補助金を活用するには、制作内容、対象経費、見積書、集客方法、公開時期、事業計画書、実績報告まで一体で確認することが重要です。
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「自社も対象?」という段階から、事業計画書の確認・作成、申請準備までご相談可能。


