内容証明を専門家に依頼しようとした際、「行政書士はどこまで対応できるのか?」という点で迷われる方は少なくありません。
本記事では、行政書士の業務範囲を前提に、できること・できないことを実務ベースで整理します。
1. 行政書士と内容証明の関係
行政書士は、官公署に提出する書類や権利義務・事実証明に関する書類の作成を業とする国家資格です。
内容証明は、「意思表示」「事実の通知」を文書として行うものであり、行政書士の専門分野に該当します。
そのため、内容証明の文案作成・形式整備・発送手続案内は行政書士の正規業務です。
2. 行政書士が対応できる内容証明の業務範囲
行政書士が対応できるのは、あくまで「通知・意思表示」の範囲です。
■ 行政書士ができること
・内容証明文案の作成
・法的整合性のチェック
・表現の整理・修正
・発送方法・手続きの案内
・到達日を踏まえた説明
これらはすべて非交渉・非代理で行われます。
3. 行政書士が作成できる典型的な内容証明
実務上、行政書士が扱う内容証明の例は次のとおりです。
・契約解除・解約の通知
・業務委託契約の終了通知
・退職・辞職の意思表示
・金銭請求の前段階通知
・警告文・催告書
・時効完成猶予のための通知
共通点は、相手とやり取りをする前段階の書面であることです。
4. 行政書士が対応できない業務とは
行政書士が対応できないのは、交渉・紛争解決に踏み込む行為です。
× 行政書士ができないこと
・相手方との条件交渉
・代理人としての交渉参加
・和解内容の取りまとめ
・訴訟行為全般
これらは、弁護士のみが行える業務です。
5. 「非弁行為」との関係で注意すべき点
行政書士業務では、非弁行為(弁護士法違反)を回避することが重要です。
例えば、
・「この金額で和解しましょう」
・「こちらの条件を相手に伝えます」
といった行為は、
交渉に該当する可能性があります。
行政書士は、依頼者本人の意思を文書化する補助者という立場を厳守します。
6. 弁護士に依頼すべきケースの判断基準
次のような場合は、最初から弁護士対応が適切です。
・相手方と争いが顕在化している
・金額や条件で争点がある
・交渉・和解が不可避
・裁判を見据えている
逆に、まず意思表示だけを安全に行いたい場合は行政書士が適しています。
7. 内容証明は行政書士と弁護士どちらが適切か
判断軸はシンプルです。
・通知・整理が目的 → 行政書士
・交渉・紛争解決が目的 → 弁護士
行政書士は、弁護士業務を侵食しない代わりに書面作成の精度と安全性を強みとしています。
8. まとめ|役割を正しく理解することが重要
行政書士が対応できる内容証明は「できないこと」が明確だからこそ安全です。
・文書作成に特化
・非交渉でリスクが低い
・事前整理に最適
内容証明は、正しい専門家選択が結果を左右します。


