退職後は健康保険・年金・雇用保険・住民税など複数の手続きが発生します。本記事では、それぞれの期限・必要書類・手続き窓口を一括で整理し、内容証明で退職した方にもわかりやすく、最短ルートで漏れなく対応できる方法を解説します。
1.退職後にやるべき手続きは大きく6つある
退職後は、会社が代わりに行ってくれていた行政手続きを、自分で行う必要があります。
主要な手続きは次の6つです。
- 健康保険(国保 or 任意継続)への切替
- 年金(厚生年金 → 国民年金)の種別変更
- 雇用保険(失業給付)の手続き
- 住民税・所得税の確認
- 給与・源泉徴収票の受領
- 貸与物の返却・会社からの書類受領
これらはバラバラに見えますが、
実は “正しい順番” で進めることで一気に整理できます。
2.健康保険|任意継続・国保切替・扶養の3パターン
退職すると、会社の健康保険から外れるため、どれか1つに加入し直す必要があります。
■① 任意継続
会社の健康保険を「そのまま2年間継続」できる制度です。
- メリット:保険料が安い/扶養が使える
- デメリット:退職日から 20日以内 の手続きが必要
保険料が比較的低い業界(製造・物流など)で働いていた方は、任意継続の方が有利なケースがあります。
■② 国民健康保険(国保)
市区町村へ切り替える方法。
- 手続き:退職日の翌日から14日以内
- 窓口:住所地の市区町村役場
保険料は所得に応じて変わります。
■③ 扶養に入る
配偶者や親の健康保険に入れるケースもあります。
- 条件:収入要件などの審査あり
- 手続き:配偶者の健康保険組合で行う
3.年金|厚生年金→国民年金への切替方法
退職した時点で厚生年金の資格が喪失します。
そのため 国民年金への種別変更が必要 です。
- 手続き期限:退職日の翌日から14日以内
- 必要書類:退職日のわかる書類(離職票・退職証明書など)
- 窓口:市区町村役場
もし扶養に入る場合は、保険同様に扶養側で年金の扱いが整理されます。
4.雇用保険(失業給付)の手続きと注意点
失業給付を受けるためには、
ハローワークで手続きが必要です。
■必要書類
- 離職票(会社が発行)
- マイナンバー
- 本人確認書類
■よくある疑問
Q:内容証明で退職した場合、離職票は出る?
A:はい。通常どおり発行されます。
Q:会社と揉めているが、離職票が届かない場合?
A:ハローワークに相談すると、事業主へ催告してくれます。
5.住民税・所得税の扱いはどうなる?
住民税の支払い方法は、退職のタイミングによって変わります。
- 1〜5月に退職 → 一括納付が必要なケースあり
- 6〜12月に退職 → 翌年6月以降、市区町村から普通徴収で請求
- 天引きしてくれない場合 → 役所から納付書が送付される
また、年末調整が受けられないため、
- 年内に転職する → 新しい会社で年末調整
- 年内に転職しない → 自分で確定申告
となります。
6.会社から受け取るもの一覧と、紛失時の対応
退職後に会社から受け取る書類は次のとおりです。
- 離職票
- 源泉徴収票
- 社会保険資格喪失証明書
- 住民税関係書類
- 退職証明書(必要な場合のみ)
内容証明で退職した場合でも、これらは“会社の義務”として発行されます。
もし送られてこない場合は、
- メール・書面で「発行依頼」
- 反応がなければハローワーク(雇用保険)・年金事務所(社保)へ相談
というステップで回収できます。
7.一番効率的な「まとめて処理する順番」
退職後の手続きは、順番を間違えると二度手間になります。
行政書士目線の 最短ルート はこれです。
【ステップ1】会社からの書類を受け取る
- 離職票
- 源泉徴収票
- 社保喪失証明
→ 手続きの“起点”になる書類。
【ステップ2】健康保険の選択(任意継続/国保/扶養)
保険証の扱いが決まらないと、その後の手続きが進みません。
【ステップ3】年金の切替(市区町村役場)
国民年金への種別変更。
【ステップ4】雇用保険の手続き(ハローワーク)
離職票が到着したら動けます。
【ステップ5】住民税・確定申告の確認
役所からの通知を待ちつつ準備。
■1日でまとめて処理するコツ
市役所とハローワークの距離が近い地域では、
「市役所 → ハローワーク」の順に回ると一気に終わるケースも多くあります。
例えば名古屋市のように、
区役所(保険・年金)とハローワークの導線が取りやすい地域では、
1日で完了することも珍しくありません。
8.内容証明退職した方が注意すべきポイント
内容証明で退職した場合でも、
退職後の手続きに特別な不利益はありません。
ただし、次の点は特に注意してください。
■① 会社からの連絡が途絶えやすい
心理的距離が生まれ、書類発送が遅れるケースがあります。
→ 内容証明を送った後でも、
書類請求だけは淡々とメールで行うこと が重要。
■② 退職理由の確認
離職票の「退職理由」が間違っているケースがあります。
- 本来「会社都合」なのに「自己都合」
- ハラスメントがあったのに反映されていない
→ ハローワークに相談すれば訂正できる場合があります。
9.まとめ|退職後の手続きを“最短ルート”で終わらせる
退職後の手続きは複雑に見えますが、
次のポイントを押さえれば一度に整理できます。
■退職後の手続きは6種類
- 健康保険
- 年金
- 雇用保険
- 住民税
- 源泉徴収票などの書類
- 行政手続きの順番整理
■正しい順番で処理すれば、最短1日で完了
- 会社からの書類受領
- 保険の切替
- 年金の種別変更
- 雇用保険
- 税金関連の確認
■内容証明退職後でも手続きは問題なく進む
書類の受け取りだけは慎重に行い、
足りない場合は淡々と請求すればOK。
退職は終わりではなく「新しい生活へのスタート」です。
そのためにも、行政手続きは最短ルートで賢く終わらせましょう。


