念書・覚書・合意書は、
トラブルを未然に防ぐための「簡易文書」として有効です。
しかし、すべてのケースで作成できるわけではありません。
状況によっては、行政書士として受任できないケースが明確に存在します。
本記事では行政書士が、
「なぜお受けできないのか」「どこからが対象外なのか」を
実務目線で整理します。
目次
1. なぜ「お受けできないケース」があるのか
行政書士は、
文書作成・書面整理に特化した資格です。
そのため、
- 紛争解決
- 交渉代理
- 権利主張・回収
といった業務は行えません。
無理に受けることは、
依頼者にとっても不利益になるため、
対応不可の線引きが重要になります。
2. すでに紛争が発生している場合
次のような状態では、
念書・覚書・合意書の作成はお受けできません。
- すでに揉めている
- 相手が強く反発している
- 主張が真っ向から対立している
この段階では、
文書作成だけで解決することは困難であり、
弁護士対応が適切です。
3. 交渉・請求・条件調整が必要な場合
行政書士は、
- 条件交渉
- 金銭請求
- 回収交渉
を行うことができません。
たとえば、
- 「相手にこの条件で合意させたい」
- 「支払いを迫ってほしい」
- 「妥協案を提示してほしい」
といった要望がある場合、
念書作成のみでは対応不可となります。
4. 相手方が弁護士を立てている場合
相手方が弁護士を立てている場合、
すでに法的紛争段階に入っています。
このケースでは、
- 文書をこちらで作成しても意味が薄い
- 直接弁護士対応が必要
- 手続きの方向性が異なる
ため、行政書士での受任はできません。
5. 権利義務が確定していない・不明確な場合
念書・覚書・合意書は、
内容が明確であることが前提です。
次のような場合はお受けできません。
- 何を約束するのか決まっていない
- 将来の不確定事項が大きい
- 内容が抽象的すぎる
この場合、
まず整理や交渉が必要になり、
文書作成だけでは不十分です。
6. 行政書士が対応できる範囲の整理
行政書士が対応できるのは、
次の範囲に限られます。
- トラブル予防段階
- 合意内容がすでに固まっている
- 文書化することで整理できる
この条件を満たす場合にのみ、
念書・覚書・合意書作成が可能です。
7. まとめ|断ることも専門家の役割
お受けできないケースを明確にすることは、
依頼者を守るためでもあります。
無理に作成すると、
- 状況が悪化する
- 時間と費用を失う
- 取り返しがつかなくなる
といったリスクがあります。
断る判断も、専門家の責任ある対応です。


