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民間退職代行と行政書士による内容証明退職サポートの違いを徹底比較

「民間退職代行」と「行政書士による内容証明退職」は、どちらも会社に行かずに退職を進めたい人の選択肢ですが、対応範囲・法的な位置づけ・非弁リスクには大きな違いがあります。本記事では両者の特徴と向いている人を行政書士目線で整理します。

1.民間退職代行と行政書士サポートは「目的」は同じでも中身が違う

民間退職代行も、行政書士による内容証明退職サポートも、
利用者のニーズは共通しています。

  • とにかく今日もう会社に行きたくない
  • 会社や上司と直接話したくない
  • 電話・面談で引き止められるのが怖い

この「連絡したくない」「職場から離れたい」という目的に対して、

  • 民間退職代行:主に「電話・LINE」で会社に連絡し、即日対応を売りにする
  • 行政書士:書面(内容証明)で退職意思を通知し、法的な形を整える

というアプローチの違いがあります。

どちらが絶対に優れている、という話ではなく、
「仕組み」と「法的な位置づけ」がまったく違う ため、
自分が何を重視するかで選び方が変わってきます。


2.民間退職代行の特徴とメリット・デメリット

まずは民間退職代行サービスの一般的な特徴から整理します。


●民間退職代行の主な特徴

  • 弁護士ではない民間事業者が運営
  • 電話やLINEで会社に連絡し、「本人に代わって退職の意思を伝える」スタイル
  • 料金は1〜3万円台が多く、即日対応を前面に出す事業者も多い
  • 中には弁護士提携・監修をうたうサービスも存在

◎メリット

  • 連絡手段が「電話中心」なので、会社が状況を理解しやすい
  • 即日で会社に連絡してくれるスピード感
  • サービス内容がパッケージ化されており、わかりやすい料金形態が多い

△デメリット・注意点

  • 会社とのやり取りが「交渉」に近づくと、非弁行為 の問題が出てくる
  • 口頭ベースのやり取りのため、後から証拠として残りにくい
  • 事業者によって品質の差が大きく、実態が見えにくい
  • 書類整備や退職日設定、有給の扱いといった「法的な設計」までは踏み込まれないことも

民間退職代行は、

とにかく「今すぐ電話してほしい」「今日中に何とかしてほしい」

というニーズに応えやすい一方、
書面・証拠・法的な形をどこまで整えてくれるか は、事業者ごとの差が大きい領域です。


3.行政書士による内容証明退職サポートの特徴

一方で、行政書士が行うのは

「退職の意思表示」「退職日」「貸与物」「連絡方法」等を
内容証明郵便で書面化し、証拠として残すサポート

です。


●行政書士サポートの主な特徴

  • 行政書士は公的な資格を持つ「法律系国家資格者」
  • 会社への電話・交渉は行わず、書面作成と法的説明 に特化
  • 民法627条や実務運用を踏まえ、退職日の設定パターンを整理
  • 貸与物の返却、有給休暇、各種手続きについてもチェックリストで整理
  • 内容証明と配達証明により、退職意思の到達と日付を客観的に残せる

◎メリット

  • 「退職の意思表示」が内容証明として残るため、後から争いになりにくい
  • 退職日・退職理由・貸与物・連絡制限などを一通り文書に落とし込める
  • 非弁リスクを避けた、安全なスキームでのサポート
  • 退職後のクレーム対応にも、内容証明が証拠として機能しやすい

△デメリット・注意点

  • 電話で会社に直接連絡してほしい、というニーズには応えられない
  • 完全な交渉(慰謝料請求・残業代請求など)は弁護士の領域
  • 即日対応が可能なケースもあるが、内容証明の草案作成という工程は必要

行政書士型の強みは、

「今日もう行きたくない」という感情を、
法的に安全な形に変えていくこと

にあります。


4.「電話で会社に連絡する」か「書面で退職意思を残す」かの違い

民間退職代行と行政書士サポートの決定的な違いは、

  • 電話で会社に連絡するのか
  • 書面(内容証明)で退職意思を通知するのか

というポイントです。


●電話型(民間退職代行)

  • 会社とのコミュニケーションが早く、即時性に優れる
  • 会社が感情的に反応するリスクもある(引き止め・説教など)
  • 記録が残りにくい

●書面型(行政書士・内容証明)

  • 一方的な「通知」として退職意思を伝える
  • 文言を丁寧に設計することで、トラブルの芽を潰しやすい
  • 内容証明+配達証明により、「いつ」「どのような意思表示をしたか」が証拠として残る

どちらを選ぶかは、

  • 「スピード・電話対応」を取るのか
  • 「証拠・法的な形」を重視するのか

という価値観の違いと言えます。


5.非弁リスク・法的な位置づけの違い

退職代行サービスを検討するうえで、
見落とされがちなのが 非弁リスク です。


●非弁行為とは?

簡単に言えば、

弁護士資格を持たない者が、
報酬を得る目的で法律事件に関する業務(交渉・示談など)を行うこと

を指し、法律で禁止されています。


●民間退職代行の場合

  • 会社とのやり取りが「単なる伝言」の範囲にとどまればセーフ
  • 一方で、条件交渉や解決金の話に踏み込めば非弁リスクが高まる

利用者側から見ると、
どこまでがセーフでどこからがアウトなのか
判別がつきにくいのが実情です。


●行政書士型・内容証明特化の場合

行政書士が行うのは、

  • 書面作成
  • 事実整理
  • 法律の説明

に限定されます。

会社に対して交渉したり、
「こういう条件で合意しましょう」と当事者の代理になることはありません。

その代わり、

非弁リスクを避けたスキームで、
「退職の意思表示」「退職日」「返却物」「連絡方法」などを確実に書面化する

という形でサポートします。


6.トラブルになったときの強さと弱さを比較する

退職手続きがスムーズに終われば問題ありませんが、
実際には

  • 「退職は認めない」
  • 「懲戒解雇にする」
  • 「損害が出た」と主張される

といった展開になることもあります。

このときに、
「どのくらい証拠が残っているか」が大きな分かれ目です。


●民間退職代行利用時の典型パターン

  • 電話で会社とやり取りしたが、録音は残っていない
  • 退職日や条件について、後から「言った・言わない」の争いに発展
  • 退職理由・退職日・引き継ぎの内容が、第三者には分かりづらい

●行政書士・内容証明利用時の典型パターン

  • 退職意思・退職日・事情・返却方法などが書面で整理されている
  • 内容証明・配達証明により、到達日が客観的にわかる
  • 退職後にクレームが来ても、「当時の通知内容」を示しやすい

トラブルになったときの「守りの強さ」で見ると、
内容証明での書面化に軍配が上がる 場面が多くなります。


7.どんな人に行政書士型・内容証明特化の退職サポートが向いているか

行政書士による内容証明退職サポートが向いているのは、
たとえば次のような方です。


●① 退職後のトラブル・クレームが特に不安な方

  • 懲戒解雇・損害賠償・社宅退去など、後から問題が噴き出しそう
  • 「証拠を残しておきたい」という意識が強い

この場合、
書面での証拠化 が非常に重要になります。


●② 上場企業や大企業など、規程・法務がしっかりしている会社を辞める方

  • 就業規則・懲戒規程が細かく整備されている
  • 人事・法務部門がしっかりしている

こうした企業は、
逆に言えば「書面で整った手続きを重視する」傾向があります。
内容証明との相性は良いです。


●③ ハラスメント・長時間労働など、背景事情が複雑な方

  • パワハラ・モラハラが続いている
  • 心身の不調があり、出社が困難
  • 欠勤が続いている

事情が複雑なほど、
「いつ・何があったのか」を紙に落とし込んでおく必要が出てきます。


●④ 電話がとにかく苦手で、「電話を使わない」退職方法を選びたい方

行政書士型は、
「電話を一切使わずに完結させたい」 ニーズにフィットします。


8.まとめ|「誰が」「どこまで」対応できるかを理解して選ぶ

民間退職代行と行政書士による内容証明退職サポートは、
どちらも「会社に行かずに退職したい」というニーズに応える手段です。

ただし、その中身は大きく違います。

  • 民間退職代行:
    • 電話・LINEを通じた即日対応が強み
    • 交渉すれすれのラインで動くと非弁リスクが出やすい
    • 記録や書面の整備はサービスにより差が大きい
  • 行政書士・内容証明退職:
    • 書面で退職の形を整え、証拠を残すことが強み
    • 電話連絡・交渉は行わず、非弁リスクを避けたスキーム
    • 退職日・返却物・連絡制限・トラブル予防まで一通り設計できる

大事なのは、

「安さ」や「スピード」だけで選ぶのではなく、
誰が・どこまで・どんな方法で対応してくれるのか を理解したうえで選ぶこと

です。

「電話は一切してほしくない」「証拠を残したい」「退職後のクレームも不安」
という方にとって、
行政書士による内容証明型の退職サポートは、
現実的かつ安全性の高い選択肢になります。

電話連絡なしで、法的に安全に退職したい方へ

行政書士が内容証明を用いて、最短当日の退職手続きまでサポートします。
初回のご相談は無料で承っています。

行政書士が対応する退職代行サービス

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