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契約書における再委託・下請け条項の設定とリスク管理を行政書士が解説

業務を外注・再委託する場合に必要な契約上のルールとは?再委託条項の基本構成とリスク回避策を行政書士が詳しく解説します。

1. 再委託・下請け条項とは?

再委託条項とは、契約で受託した業務の一部または全部を、さらに第三者に委託(外注)する場合のルールを定めた条項です。
たとえば、企業Aが企業Bに業務を委託し、Bがその業務の一部を別の業者Cに再委託する場合、この関係を法的に管理するのが「再委託条項」です。

再委託は効率化やコスト削減のために日常的に行われますが、品質管理や情報漏えいのリスクを伴うため、契約書上で明確な制限と責任範囲を定めておく必要があります。


2. 再委託を制限・管理する目的

再委託条項を設ける目的は、主に次の3つに整理できます。

  1. 品質・納期の維持
     発注先が勝手に外注した場合、品質低下や納期遅延のリスクが高まります。
     契約書で再委託を制限することで、発注者が品質管理を継続的に担保できます。
  2. 情報漏えい防止
     外注先に機密情報を提供する場合、情報管理のレベルが不十分だと重大な漏えい事故に繋がります。
     そのため、再委託時には「事前承諾制」にするのが一般的です。
  3. 責任の所在を明確化するため
     再委託先が不備を起こした場合でも、原則として一次受託者(B)が全責任を負う仕組みを明記します。

再委託条項は、「仕事を任せる範囲のコントロール」と「責任の一元化」を目的とする重要なリスク管理条項です。


3. 再委託条項の典型的な書き方

以下は、一般的な再委託条項の条文例です。

第○条(再委託の制限)
1.乙は、本契約に基づく業務の全部または一部を第三者に再委託してはならない。ただし、甲の書面による事前承諾を得た場合はこの限りでない。
2.乙が前項に基づき再委託を行う場合、再委託先に対して本契約と同等の義務を課し、甲に対して一切の責任を負うものとする。
3.乙は、再委託先による行為について、自己の行為と同一の責任を負う。

この条文により、

  • 勝手な外注を禁止(承諾制)
  • 再委託先にも同等の守秘義務を課す
  • 最終的な責任を一次受託者が負う

という構造を明確にできます。

また、建設業やシステム開発など特定業種では、下請法・労働者派遣法・個人情報保護法などの法令との整合性も要注意です。


4. 実務上のリスクと防止策

再委託に関する典型的なトラブルと対策を見てみましょう。

  1. 無断再委託による品質問題
     → 対策:契約で「書面承諾制」を必須とし、承諾違反時には解除・損害賠償の対象とする。
  2. 情報漏えい事故の発生
     → 対策:再委託先にも秘密保持契約(NDA)を別途締結させる。
      また、再委託先名をリスト化して甲に提出させる運用が有効。
  3. 多重下請け構造による責任不明確化
     → 対策:再委託の再委託を禁止するか、甲の承諾範囲を限定する条文を入れる。
  4. 報酬未払い・労務トラブル
     → 対策:下請法や労働関連法令を遵守し、報酬支払や安全衛生責任を一次受託者に負わせる。

再委託条項は、単なる「承諾制」ではなく、品質管理・情報管理・責任管理を一体化したルール設計が必要です。
契約書作成の実務では、取引形態や業種別リスクを踏まえて文言を調整します。


5. まとめ:再委託は信頼と責任のバランスが鍵

再委託条項は、外注を禁止するためではなく、適切に管理された外注を可能にするためのルールです。
ポイントは以下の3つです。

  1. 原則禁止・例外としての「書面承諾制」を導入する
  2. 再委託先にも秘密保持・品質管理・責任義務を課す
  3. 無断再委託や下請法違反に対しては明確な制裁を定める

弊所では、契約の目的や業界の実情を踏まえて、「委託側も受託側も守られる条項設計」を提案します。
再委託は信頼を前提とする仕組みだからこそ、法的な裏付けを整えておくことが重要です。

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行政書士が、再委託リスクや下請法に対応した契約書を設計します。
外注トラブルを防ぎ、信頼できる委託体制を整えましょう。

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