古物商許可は「個人でも法人でも取得できる」許可ですが、申請内容・確認ポイント・つまずきやすい点は大きく異なります。
本記事では行政書士が、個人申請と法人申請の違いを軸に、申請時の注意点・よくある誤解を整理します。
目次
1. 個人・法人どちらでも取得できる許可
古物商許可は、
- 個人事業主
- 法人(株式会社・合同会社など)
いずれでも取得できます。
ただし、
誰を基準に審査するのか
どの書類を求められるのか
が、個人と法人で異なります。
2. 個人で申請する場合の特徴と注意点
個人申請では、申請者本人が審査の対象になります。
◎ 個人申請の特徴
- 申請人:本人1名
- 管理者:原則として本人
- 書類が比較的シンプル
■ 注意点
- 本人の 住民票・身分証明書 が必須
- 欠格事由(前科・破産等)が本人に直結
- 営業所=自宅になるケースが多く、使用権限の確認が重視される
副業・個人開業ではこのパターンが多いです。
3. 法人で申請する場合の特徴と注意点
法人申請では、法人そのもの+関係者全員が審査対象になります。
◎ 法人申請の特徴
- 申請人:法人
- 審査対象:
- 役員全員
- 古物営業管理者
■ 注意点
- 役員全員分の書類が必要
- 身分証明書
- 住民票
- 管理者を誰にするか明確にする必要あり
- 定款の事業目的に古物営業が含まれているか確認される
役員が多い法人ほど、書類負担が増えやすいのが特徴です。
4. 個人と法人の主な違い一覧
| 項目 | 個人 | 法人 |
|---|---|---|
| 審査対象 | 本人のみ | 法人+役員+管理者 |
| 必要書類 | 少なめ | 多い |
| 管理者 | 原則本人 | 指定が必要 |
| 定款確認 | 不要 | 必須 |
| 変更時手続 | 比較的軽い | 役員変更で届出増 |
5. よくある勘違い・失敗例
■ 「法人だから信頼されて簡単」
→ 逆です。
法人の方が確認事項は増えます。
■ 「個人→法人になっても許可はそのまま」
→ 不可。
名義変更不可のため、新規申請が必要。
■ 「管理者は形式だけ置けばいい」
→ 実態を見られます。
管理体制が不明確だと差し戻し対象になります。
6. どちらで申請すべきかの判断基準
実務的な目安は以下のとおりです。
◎ 個人で向いているケース
- 副業・小規模
- 役員を増やす予定なし
- 手続きを早く・簡単に進めたい
◎ 法人で向いているケース
- すでに法人がある
- 将来的に人を増やす
- 取引先が法人対応を求める
7. 行政書士に事前確認すべき理由
個人・法人の選択を誤ると、
- 二度申請する
- 不要な書類集め
- 許可取得の遅延
につながります。
行政書士による事前確認で、
- 形態選択の整理
- 管理者・役員構成の確認
- 通らないケースの排除
が可能になります。
8. まとめ|形態に合った申請が重要
古物商許可は、
個人か法人かで審査構造が変わる許可です。
スピード・負担・将来計画を踏まえ、
自分に合った形態で進めることが、結果的に最短ルートになります。


