第19回小規模事業者持続化補助金の補助金額、通常枠の上限50万円、インボイス特例・賃金引上げ特例の上乗せ、補助率、自己負担額の目安を行政書士がわかりやすく解説します。
目次
1.補助金額が気になる方へ
「持続化補助金は最大でいくらもらえるのか」
「50万円と100万円と200万円、どれが本当なのか分かりにくい」
「自分の事業だと実際にいくら補助されるのか知りたい」
持続化補助金を検討する際、多くの方が最初に気になるのが補助金額です。
ただし、持続化補助金は単純に「誰でも200万円もらえる」という制度ではありません。第19回公募では、通常枠を基本として、一定要件を満たす場合にインボイス特例や賃金引上げ特例によって上限額が上乗せされる仕組みです。
そのため、補助金額を正しく理解するには、通常枠の基本額だけでなく、どの特例が使えるのか、補助率はどうなるのか、自己負担はいくらになるのかをセットで見る必要があります。
2.持続化補助金の補助金額とは?
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓等の取組や、その取組とあわせて行う業務効率化の取組にかかる経費の一部を補助する制度です。
補助金額は「実際にかかった対象経費」に補助率を掛けて計算されますが、そこには上限額があります。つまり、対象経費を多く使ったとしても、上限額を超えて補助されるわけではありません。
第19回公募では、基本となる補助上限額は50万円です。そのうえで、一定の要件を満たす場合に、インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円が上乗せされ、両方を満たす場合は合計200万円の上乗せが認められます。
したがって、第19回の整理としては、
・通常枠のみなら上限50万円
・インボイス特例を使うと上限100万円
・賃金引上げ特例を使うと上限200万円
・両特例を使うと上限250万円
という理解になります。
以前の公募回では「特別枠」という整理が使われていた時期もありましたが、第19回はその説明のままだと誤解を招きやすいため、現在は「通常枠+特例上乗せ」で理解するのが正確です。
3.通常枠の補助金額と補助率
通常枠の基本ルールはシンプルです。
・補助率:3分の2
・補助上限額:50万円
たとえば、対象経費が75万円の場合、その3分の2である50万円が補助され、自己負担は25万円になります。
逆に、対象経費が30万円であれば、補助額はその3分の2である20万円です。上限50万円に届かない場合は、実際の経費に応じた金額しか補助されません。
したがって、通常枠で満額の50万円を受けたい場合、単純計算では75万円以上の対象経費を組む必要があります。
また、通常枠は「まずはホームページ、チラシ、広告、機械装置などで小さく販路開拓を始めたい」という事業者にとって使いやすい枠といえます。
4.インボイス特例・賃金引上げ特例の上限額
第19回で補助上限額を大きく増やせるのは、主にインボイス特例と賃金引上げ特例です。
まず、インボイス特例は、一定の免税事業者等が適格請求書発行事業者への転換に対応するための支援で、通常枠の上限50万円に対して50万円が上乗せされます。つまり、インボイス特例を使える場合の上限額は100万円です。
次に、賃金引上げ特例は、補助事業実施期間に事業場内最低賃金を申請時より50円以上引き上げる事業者を対象とするもので、通常枠の上限50万円に対して150万円が上乗せされます。したがって、賃金引上げ特例を使える場合の上限額は200万円です。
さらに、インボイス特例と賃金引上げ特例の両方を満たす場合は、合計200万円が上乗せされ、上限額は250万円になります。
加えて、賃金引上げ特例のうち赤字事業者に該当する場合には、補助率が通常の3分の2ではなく4分の3に引き上げられる取扱いがあります。
ただし、特例は「選べば有利」というだけではありません。要件を満たさないまま申請すると、特例部分だけでなく補助金全体が交付対象外となる場合があるため、慎重な確認が必要です。
5.通常枠と特例上乗せの違いを比較
第19回の違いを整理すると、次のようになります。
■通常枠
・補助率:3分の2
・上限額:50万円
・対象者:小規模事業者全般
・使いやすさ:最も基本的で分かりやすい
■インボイス特例
・補助率:3分の2
・上限額:100万円
・対象者:インボイス特例の要件を満たす事業者
・ポイント:登録状況や免税事業者要件の確認が必要
■賃金引上げ特例
・補助率:3分の2
・上限額:200万円
・対象者:事業場内最低賃金を50円以上引き上げる事業者
・ポイント:賃金台帳や雇用条件書類の提出が必要
■両特例併用
・補助率:3分の2(赤字事業者は4分の3の可能性あり)
・上限額:250万円
・対象者:両方の要件を満たす事業者
・ポイント:最も補助額は大きいが、その分、確認事項も多い
このように、第19回では「通常枠か特別枠か」というよりも、「通常枠にどの特例を上乗せできるか」で考える方が実務に合っています。
6.補助金額シミュレーション例
ここでは、イメージしやすいように補助金額の例を挙げます。
・通常枠の場合
経費総額60万円
補助率3分の2
補助金額40万円
自己負担20万円
・通常枠で満額を狙う場合
経費総額75万円
補助率3分の2
補助金額50万円
自己負担25万円
・インボイス特例を使う場合
経費総額150万円
補助率3分の2
補助金額100万円
自己負担50万円
・賃金引上げ特例を使う場合
経費総額300万円
補助率3分の2
補助金額200万円
自己負担100万円
・両特例を使う場合
経費総額375万円
補助率3分の2
補助金額250万円
自己負担125万円
さらに、賃金引上げ特例のうち赤字事業者に該当し、補助率4分の3が適用されるケースでは、より自己負担を抑えられる可能性があります
7.申請時に注意すべきポイント
補助金額を見る際に、特に注意したいのは次の点です。
まず、補助上限額だけを見て申請しないことです。たとえば、上限200万円や250万円に目が行きがちですが、実際には対象経費の内容、補助率、特例要件を満たさなければその金額までは届きません。
次に、特例には追加書類が必要になることです。インボイス特例では登録通知書等、賃金引上げ特例では賃金台帳や雇用条件書類などの提出が必要です。
また、補助金は後払いであるため、採択されたとしても、いったんは自己資金で全額を立て替える必要があります。
さらに、特例を希望した場合、要件を1つでも満たさないと補助金全体が交付対象外になる場合があります。上限額だけで特例を選ぶのではなく、本当に達成可能かどうかを見極めることが重要です。
8.よくある質問
Q.第19回でも最大200万円ですか。
A.賃金引上げ特例を使う場合は上限200万円です。さらに、インボイス特例も併用できる場合は上限250万円になります。
Q.通常枠で申請したあと、途中で特例に変更できますか。
A.基本的には、申請時点で特例の選択や必要事項の入力、書類提出が必要です。後から柔軟に切り替えられる前提では考えない方が安全です。
Q.個人事業主でも特例は使えますか。
A.はい。個人事業主でも、インボイス特例や賃金引上げ特例の要件を満たせば利用可能です。ただし、必要書類や実績報告時の条件確認は必要です。
Q.上限額いっぱいで申請した方が有利ですか。
A.必ずしもそうではありません。大切なのは、補助対象経費として適切であり、事業計画に無理がなく、実現可能であることです。無理に金額を大きくするより、整合性のある計画の方が重要です。
9.まとめ
第19回持続化補助金の補助金額は、通常枠では上限50万円、インボイス特例で100万円、賃金引上げ特例で200万円、両特例を併用できる場合は上限250万円まで広がります。
そのため、「持続化補助金はいくらもらえるのか」という問いに対する答えは、単純に1つではありません。自社がどの特例を使えるか、どのくらいの対象経費を組むか、補助率がどうなるかによって、実際の補助額は変わります。
大切なのは、上限額の大きさだけで判断せず、要件を満たせるか、自己負担や資金繰りに無理がないか、計画として現実的かを踏まえて申請枠を選ぶことです。
持続化補助金の申請を検討している方へ
締切までの期間が限られているため、早めの準備が重要です。
「まずはサービス内容を確認したい方」「今からでも間に合うか相談したい方」どちらにも対応しています。
持続化補助金について、もう少し詳しく知りたい方へ
制度の基本、対象事業者、補助対象経費、事業計画書の書き方、申請の流れ、採択後の実績報告まで、実務でよく相談されるテーマをまとめています。
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