契約書の中身にはどんな項目がある?条項ごとの意味や注意点を行政書士がわかりやすく解説。重要なポイントを押さえて、トラブルを防ぐ契約書を作りましょう。
1.契約書の基本構成とは?
契約書は、単に「約束を書いた紙」ではなく、一定の構成とルールに基づいて作られています。
どんな契約書でも、おおまかに次のような流れで構成されています。
- 表題・前文
契約の種類(例:業務委託契約書・売買契約書など)と、当事者の名前・所在地・目的が記載されます。
「この契約は、A株式会社とB株式会社との間で、以下のとおり締結する。」といった書き出しが一般的です。 - 本文(条項部分)
契約の内容・条件・責任範囲などを条項としてまとめます。
1条、2条とナンバリングしながら、必要な項目を整理していきます。 - 末尾(署名・押印欄)
当事者が契約内容に同意した証拠として、署名・押印を行う欄です。
電子契約の場合は、電子署名や承認ログがこれに相当します。
この3構成が契約書の基本形です。
見た目がシンプルでも、この順番で整理されていることが多く、法律的にもこの形式が最も自然です。
2.主要な条項の意味と役割
契約書には、ほとんどの契約に共通して出てくる“主要条項”があります。
それぞれの条項がどんな役割を持つのかを理解しておくと、契約書を読む力が格段に上がります。
- (第1条)契約の目的
この契約が「何のために」「どんな内容で」結ばれるのかを明記します。
目的があいまいだと、後から「契約の範囲外」と主張される原因になります。 - (第2条)業務内容・取引内容
「何をする契約なのか」を具体的に記載します。
たとえば「業務委託契約」なら作業内容、「売買契約」なら商品名・数量などを明確にします。 - (第3条)契約期間・納期
契約の有効期間や納品日など、期限に関する取り決めです。
更新がある場合は「自動更新」「更新時の通知方法」も決めておくと安心です。 - (第4条)報酬・支払い条件
金額・支払い期日・支払方法(振込・現金など)を定める部分です。
支払遅延時の遅延損害金についても、ここに含めることが多いです。 - (第5条)秘密保持(NDA)
取引の中で知り得た相手方の情報を第三者に漏らさないことを約束する条項です。
守秘義務の範囲や期間も具体的に定めておくことが重要です。 - (第6条)契約解除・違反対応
どんな場合に契約を解除できるか、違反した場合の対応方法を定めます。
「債務不履行」「信用不安」「倒産」など、具体的な事由を列挙しておくのがポイントです。 - (第7条)損害賠償・免責
トラブルが発生したとき、どちらがどこまで責任を負うかを示す条項です。
不必要に責任が重くならないよう、上限や条件を設けることもあります。 - (第8条)準拠法・合意管轄
万一紛争になった場合に、どこの法律を適用し、どこの裁判所で扱うかを定めます。
たとえば「本契約に関しては日本法を準拠法とし、名古屋地方裁判所を専属的合意管轄とする。」などです。
これらは、契約書の“骨格”といえる部分です。
行政書士に依頼する際も、これらの条項の意図を理解しておくと、スムーズに内容を確認できます。
3.見落としがちな注意条項
主要条項以外にも、トラブル防止に役立つ「注意条項」があります。
一般的な契約書でも意外と抜けていることが多いので、以下のような項目は必ずチェックしましょう。
- 再委託に関する条項:下請けや外注を使う場合に、許可を得る条件を明確にする。
- 著作権・知的財産権に関する条項:制作物や資料の権利の帰属先を決めておく。
- 不可抗力条項:地震・災害など、予期せぬ事態が起きた場合の責任免除を定める。
- 契約内容の変更手続き:条件変更時に口頭ではなく「書面での合意」を義務付ける。
これらを盛り込むことで、「思っていたのと違う」「そんなつもりじゃなかった」といったトラブルを防げます。
特にIT関連やクリエイティブ業務など、成果物の性質が曖昧になりやすい契約では非常に重要です。
4. まとめ:条項の理解がトラブル防止につながる
契約書の条項には、一つひとつに意味と目的があります。
内容を理解せずに署名してしまうと、後から「そんなつもりじゃなかった」という誤解が起こることも少なくありません。
契約書は「お互いが安心して取引するためのルールブック」です。
条項を正しく理解しておくことが、信頼できる取引関係を築く第一歩になります。
行政書士は、契約書の構成や条項の趣旨を整理しながら、依頼者にとって最も適切な形で文案を作成します。
契約書の内容に少しでも不安がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。


