契約違反が起きたとき、どう対応すればいい?契約解除の流れや注意点を行政書士がやさしく解説。トラブルを防ぐための条項の作り方も紹介します。
1. 契約解除と契約違反の基本を理解しよう
契約を結んだあと、相手が約束を守らなかったり、こちらが予定どおりに履行できなかったりすることがあります。
このようなときに問題となるのが「契約違反(債務不履行)」と、それに伴う「契約解除」です。
契約解除とは、成立している契約関係を途中で終了させる行為です。
契約書には「解除条項」と呼ばれる部分があり、どんな場合に解除できるのかが定められています。
一般的には、以下のような状況で解除が検討されます。
- 相手が契約内容を守らなかった(納品・支払いなど)
- 相手の業績悪化・倒産などで契約を継続できない
- 自社の事情で契約を続けることが難しくなった
ただし、契約解除は一方的に行えるものではありません。
法的には「相手の違反の程度が重大」であることや、「事前に催告(通知)をしたかどうか」など、一定の条件を満たす必要があります。
2. 契約違反が起きたときの正しい対応手順
契約違反が発生したときは、感情的にならず、手順に沿って冷静に対応することが大切です。
対応の流れは次のとおりです。
- 事実関係を整理する
納期遅延、支払い遅延、品質不良など、何がどの程度の違反なのかを明確にします。 - 契約書の内容を確認する
解除条件・損害賠償条項・違約金の有無などを確認し、どの条文に基づいて対応できるかを把握します。 - 相手方へ正式に通知する(催告)
いきなり「契約を解除します」と伝えるのではなく、まずは「○日以内に履行してください」と書面で催告します。
この催告を行うことで、後に「誠実に対応した」と主張できる証拠になります。 - 期限を過ぎても改善がない場合、解除通知を出す
催告に応じない、または改善が見られない場合に、正式な解除通知を送付します。
解除の意思表示は、口頭ではなく「書面(内容証明郵便)」で行うのが確実です。
契約解除のプロセスは、相手との信頼関係にも関わる重要な局面です。
冷静かつ記録を残す形で対応することで、後々のトラブル防止につながります。
3. 契約解除の種類とそれぞれの注意点
契約解除には、大きく分けて「法定解除」と「約定解除」の2種類があります。
- 法定解除(民法に基づく解除)
民法第541条などに基づき、「相手が義務を果たさない場合」に解除できる制度です。
契約書に書かれていなくても適用される、法律上のルールです。 - 約定解除(契約書で定める解除)
契約書に「○日以上納品が遅れた場合」「倒産した場合」などの条件を明記しておく方法です。
事前に合意しておくことで、迅速に解除できるメリットがあります。
注意すべきは、解除したからといって「自動的に損害が補償されるわけではない」という点です。
損害賠償を求めるには、実際に発生した損害と契約違反の因果関係を立証する必要があります。
そのためにも、日頃から契約内容や履行状況を記録に残しておくことが重要です。
4. トラブルを防ぐための条項づくりのポイント
契約解除をめぐるトラブルの多くは、「解除条件が曖昧だった」ことに起因します。
契約書を作成するときは、次のようなポイントを押さえておくと安心です。
- 具体的な解除条件を明記する
「支払いが30日以上遅れた場合」「契約目的を達成できない場合」など、具体的な基準を設けましょう。 - 損害賠償の範囲を明確にする
解除時にどこまで責任を負うのか、上限を設けるかどうかをあらかじめ決めておきます。 - 一方的に不利にならないようバランスを取る
解除条項が片方のみに有利な内容だと、無効とされるおそれがあります。 - 書面通知の方法を定める
口頭やメールでは証拠が残りにくいため、「書面または電子署名付きの通知」としておくと確実です。
行政書士は、こうした実務的観点から契約書を整え、解除時のリスクを最小限に抑えます。
5. まとめ:冷静な対応と事前準備がトラブル防止の鍵
契約違反や解除は、どんなに注意していても起こり得るものです。
大切なのは「いざという時にどう動けるか」です。
解除条件や通知手順を契約書で明確にしておけば、トラブルが起きても慌てずに対応できます。
また、行政書士のサポートを受けることで、文面の整合性や法的リスクを事前にチェックできます。
「相手が約束を守らない」「解除したいが方法がわからない」
そんなときこそ、専門家に相談し、適切な対応を取ることが信頼関係を守る第一歩です。


