業務委託契約の解除は、雇用契約と異なり「自由にやめられる」と誤解されがちですが、契約内容次第ではトラブルになりやすい分野です。
本記事では行政書士の実務視点から、業務委託契約を内容証明で解除する際の正しい考え方と書き方を整理します。
1. 業務委託契約の解除が難しい理由
業務委託契約は当事者間の合意により自由に内容を定められるため、解除条件も契約ごとに大きく異なります。
・期間の定めがあるか
・解除予告期間が定められているか
・解除理由が限定されているか
これらを無視して解除すると、損害賠償トラブルに発展する可能性があります。
2. 内容証明で解除通知を行う意味
業務委託契約の解除では、「いつ・どの時点で解除の意思表示をしたか」が重要になります。
内容証明を用いることで、
・解除意思の到達日
・解除通知の内容
を明確に証拠化できます。
これは、後日の損害賠償請求や契約解釈の争いへの備えとして有効です。
3. 解除前に必ず確認すべき契約内容
内容証明を作成する前に必ず契約書を確認します。
■ チェックポイント
・解除条項の有無
・解除予告期間
・中途解約の可否
・損害賠償条項
・違約金の定め
この確認を省略したまま解除通知を出すとリスクが一気に高まります。
4. 内容証明に記載すべき基本構成
業務委託解除の内容証明では、次の構成が基本となります。
■ 基本構成
・契約の特定(契約日・業務内容)
・解除の意思表示
・解除の効力発生日
・今後の対応(業務終了・資料返却等)
文面は、必要最低限・簡潔が原則です。
5. 解除理由はどこまで書くべきか
解除理由は、必ずしも詳細に書く必要はありません。
・契約に基づく解除であれば、理由を記載しない
・記載する場合も、事実ベースに留める
感情的・評価的な理由を並べると、かえって反論の余地を与えてしまいます。
6. 注意点①:一方的解除のリスク
業務委託契約は、雇用契約のように自由に解除できるとは限りません。
・解除時期が不適切
・予告期間不足
・業務途中での解除
これらは、不法行為・債務不履行と評価される可能性があります。
7. 注意点②:損害賠償請求を招かないために
解除通知の文面次第では、「相手の落ち度」を断定しているように受け取られることがあります。
■ 避けたい表現
・著しく不誠実な対応
・重大な契約違反
・信頼関係が完全に破壊された
これらは、相手に攻撃材料を与えるリスクがあります。
8. まとめ|業務委託解除は「静かな整理」が重要
業務委託契約の解除は、感情的に進めるほど不利になりやすい分野です。
内容証明は、
・解除意思を明確にし
・証拠を残し
・余計な火種を作らない
ための整理ツールとして活用するのが最も安全です。


