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契約書の自動更新条項とは?文言例と契約期間・解約トラブルの注意点

契約書の自動更新条項について、基本の文言例、自動更新しない場合の書き方、更新拒絶の通知期限、中途解約との違い、更新後に契約書を再作成する必要があるかを行政書士が解説します。

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契約書の自動更新条項とは


自動更新条項とは、契約期間が満了する前に当事者のどちらからも更新を拒絶する旨の通知がなければ、契約が自動的に更新されることを定めた条項です。

業務委託契約、秘密保持契約(NDA)、継続的な売買契約、顧問契約など、一定期間にわたって取引を続ける契約で利用されます。

自動更新条項を入れておけば、契約期間が終わるたびに新しい契約書を作成し、締結し直す手間を減らせます。

一方で、更新拒絶の期限を過ぎると、当事者が意図していなくても契約が続く可能性があります。

そのため、自動更新条項では、単に「契約は自動的に更新される」と書くだけでは不十分です。

少なくとも、次の内容を明確にする必要があります。

  • 当初の契約期間
  • 更新後の契約期間
  • 更新拒絶の通知期限
  • 通知方法
  • 更新後も同じ条件が続くのか
  • 中途解約できるのか
  • 契約終了後も有効となる条項

自動更新は便利な仕組みですが、契約を続ける場合だけでなく、終了したい場合まで考えて設計することが重要です。

自動更新条項で起こりやすいトラブル


自動更新条項で多いのが、更新拒絶の期限を見落とすトラブルです。

例えば、契約期間が12月31日までで、「期間満了日の3か月前までに更新しない旨を通知しなければ、さらに1年間更新する」と定められていたとします。

この場合、12月になってから契約を終了したいと申し出ても、すでに更新拒絶の期限を過ぎている可能性があります。

ほかにも、次のような問題が起こります。

  • 契約が自動更新されることを認識していなかった
  • 更新拒絶の期限を過ぎてしまった
  • メールで通知したが、正式な通知として扱われなかった
  • 自動更新後も以前と同じ報酬が適用された
  • 契約を終了したいが、中途解約条項がない
  • 更新後に契約書を作り直す必要があるか分からない
  • 契約終了後も秘密保持義務が続くか分からない

事業者間の契約では、「自動更新条項を読んでいなかった」という事情だけで、当然に契約から離れられるとは限りません。

契約を締結する前に、期間、更新、終了の条件を一体として確認することが大切です。

契約期間と自動更新を定める基本的な文言例


契約期間と自動更新を定める基本的な文言として、次のような形が考えられます。

第〇条(契約期間)

本契約の有効期間は、〇年〇月〇日から〇年〇月〇日までとする。

2 期間満了日の1か月前までに、甲または乙のいずれからも相手方に対し、書面または電磁的方法により本契約を更新しない旨の通知がない場合、本契約は同一条件でさらに1年間更新されるものとし、以後も同様とする。

この文言では、次の内容が示されています。

  • 当初の契約期間
  • 更新拒絶の期限
  • 更新拒絶の通知方法
  • 更新後の契約期間
  • 更新後に適用される条件
  • 2回目以降の更新

「本契約の締結日から1年間」と定める方法もありますが、始期と満了日を明確にしたい場合は、具体的な年月日を記載した方が分かりやすくなります。

また、「1か月前」ではなく「30日前」とする場合は、どちらの基準で期限を管理するかを契約書全体で統一しましょう。

実際に使用する文言は、取引内容、更新期間、通知手段、中途解約の可否などに合わせて調整する必要があります。

自動更新しない場合の文言例


契約期間の満了時に、契約を自動的に終了させる設計も可能です。

自動更新を行わない場合は、次のような文言が考えられます。

第〇条(契約期間)

本契約の有効期間は、〇年〇月〇日から〇年〇月〇日までとし、期間満了をもって終了する。

2 甲および乙が本契約の継続を希望する場合は、期間満了日までに、契約更新について別途書面により合意するものとする。

この形では、何もしなければ契約は期間満了によって終了します。

契約を継続する場合は、当事者間で改めて合意するため、更新時に報酬、業務内容、納期、責任範囲などを見直しやすくなります。

新規取引で相手方との関係がまだ定まっていない場合、事業環境によって条件が変わりやすい場合、毎年契約内容を確認したい場合には、自動更新を採用しない設計も選択肢になります。

ただし、自動更新を行わない場合は、契約期間の満了を見落とすと、契約書上の根拠が曖昧なまま取引だけが継続することがあります。

自動更新の有無にかかわらず、契約期間を管理する仕組みが必要です。

更新拒絶の通知期限と通知方法


自動更新条項では、更新拒絶の通知期限を明確にする必要があります。

一般的には、期間満了日の1か月前、2か月前、3か月前など、取引を終了するために必要な準備期間を考えて設定します。

通知期限が短すぎると、業務の引継ぎや他社への切替えが間に合わない可能性があります。

反対に、通知期限が長すぎると、契約を終了するか判断できない段階で更新拒絶を決めなければならなくなります。

通知方法についても、次のような違いがあります。

  • 書面
  • 内容証明郵便
  • 電子メール
  • 契約書で指定されたシステム
  • 書面または電磁的方法

単に「通知する」としか書かれていないと、電話や口頭での連絡が有効なのか、メールだけで足りるのかが分かりません。

メールを認める場合は、通知先となるメールアドレスや、担当者変更時の連絡方法も決めておくと管理しやすくなります。

また、更新拒絶の期限は、通知を発送した日ではなく、相手方に到達した日を基準として問題になることがあります。

期限直前に通知するのではなく、相手方が受け取ったことを確認できる方法で、余裕を持って対応することが大切です。

自動更新と中途解約条項の違い


自動更新条項と中途解約条項は、別の役割を持つ条項です。

自動更新条項は、契約期間の満了時に契約を継続するか、終了するかを定めます。

これに対して中途解約条項は、契約期間の途中でも契約を終了できるか、その条件を定めるものです。

自動更新された契約であっても、中途解約条項がなければ、次の期間満了まで自由に終了できるとは限りません。

中途解約を認める場合は、次のような文言が考えられます。

第〇条(中途解約)

甲または乙は、相手方に対し、解約希望日の30日前までに書面または電磁的方法により通知することにより、本契約を中途解約することができる。

ただし、いつでも無条件で中途解約できる内容が、すべての取引に適しているわけではありません。

受託者が人員や設備を確保している場合、委託者が途中で解約すると大きな損失が生じる可能性があります。

反対に、委託者側としても、業務品質に問題があるのに契約期間満了まで解約できない設計は避けたいところです。

中途解約条項を設ける場合は、予告期間だけでなく、未完了業務、既に発生した費用、納品済み成果物、支払済み報酬などの扱いも整理しましょう。

自動更新後に契約書を再作成する必要はあるか


契約書に有効な自動更新条項があり、その条件に従って契約が更新された場合、同じ条件で取引を継続するためだけに、毎回契約書を作り直す必要があるとは限りません。

自動更新条項には、契約書を再締結する手続きを省略する役割があるからです。

ただし、更新時に次のような変更がある場合は、書面を作成した方が安全です。

  • 報酬額を変更する
  • 業務内容を追加または削除する
  • 契約期間を変更する
  • 支払日や支払方法を変更する
  • 再委託の条件を変更する
  • 損害賠償の範囲を変更する
  • 秘密保持や個人情報の取り扱いを変更する
  • 中途解約の条件を変更する

変更点が限定されている場合は、変更契約書や覚書を締結する方法があります。

変更箇所が多い場合は、元の契約書へ継ぎ足していくより、新しい契約書として全体を作り直した方が分かりやすいこともあります。

自動更新後も古い契約書をそのまま使っている場合は、現在の取引実態と契約書の内容が一致しているかを定期的に確認しましょう。

更新時に報酬や契約条件を変更したい場合


自動更新条項に「同一条件で更新する」と記載されている場合、原則として従前の条件が更新後も続くことになります。

一方当事者が、更新時に当然に報酬や契約条件を変更できるとは限りません。

報酬額を見直す可能性がある場合は、契約書にその方法を定めておくことが考えられます。

甲および乙は、契約更新に際し、業務内容、報酬額その他の契約条件について協議することができる。契約条件を変更する場合は、更新前に書面または電磁的方法により合意するものとする。

ただし、「更新時に別途協議する」とだけ定めると、協議がまとまらなかった場合の扱いが不明確になります。

そのため、次のいずれになるのかも決めておく必要があります。

  • 合意できなければ従前の条件で更新する
  • 合意できなければ期間満了で終了する
  • 一定の基準に従って報酬を改定する
  • 更新前に変更契約書を締結する

価格改定の可能性が高い契約では、自動更新条項だけでなく、報酬改定条項や変更手続きも一緒に設計しましょう。

契約終了後も存続させる条項


契約期間が終了しても、すべての権利義務を同時に消滅させるとは限りません。

例えば、次の条項は契約終了後も一定期間存続させることがあります。

  • 秘密保持
  • 個人情報の取り扱い
  • 未払報酬の支払い
  • 知的財産権
  • 成果物の利用条件
  • 損害賠償
  • 反社会的勢力の排除
  • 合意管轄

契約終了後も適用する条項がある場合は、存続条項を設けます。

本契約終了後も、第〇条(秘密保持)、第〇条(知的財産権)、第〇条(損害賠償)および第〇条(合意管轄)の規定は、引き続き有効に存続するものとする。

秘密保持義務については、契約終了後3年間などの期間を設ける方法と、対象となる情報に応じて期間を定めずに存続させる方法があります。

どの条項を、どの程度の期間残すべきかは、契約の内容によって異なります。

契約期間だけを明確にしても、契約終了後の処理が決まっていなければ、成果物や秘密情報をめぐるトラブルが残る可能性があります。

自動更新条項を確認するときのポイント


相手方から提示された契約書に自動更新条項がある場合は、次の点を確認しましょう。

  • 当初の契約期間が明確か
  • 更新後の期間が明確か
  • 何回まで更新されるのか
  • 更新拒絶の通知期限はいつか
  • 通知方法が指定されているか
  • 更新後も同一条件になるのか
  • 報酬や条件を変更する方法があるか
  • 契約期間中の中途解約が可能か
  • 中途解約時の費用負担が定められているか
  • 契約終了後も存続する条項が明確か

また、契約の種類によっては、期間や更新方法について個別の法令による制限が設けられていることがあります。

インターネット上の文言をそのまま使用するのではなく、業務内容、取引相手、報酬、契約を終了する際の影響まで考えて調整することが大切です。

すでに契約書がある場合は、自動更新条項だけでなく、解除条項、報酬条項、損害賠償条項、秘密保持条項などとの整合性も確認しましょう。

まとめ|更新する場合と終了する場合の両方を考える


自動更新条項は、契約書を毎回作り直す手間を減らし、継続的な取引を円滑に進めるための仕組みです。

一方で、更新拒絶の期限を過ぎると、意図していない契約が継続する可能性があります。

自動更新条項を作成または確認するときは、次の内容を明確にしましょう。

  • 当初の契約期間
  • 更新後の契約期間
  • 更新拒絶の期限と通知方法
  • 中途解約の可否
  • 更新時の条件変更
  • 契約終了後の取り扱い

特に、自動更新と中途解約は別の問題です。

自動更新を拒絶できる時期と、契約期間の途中で解約できる条件の両方を確認する必要があります。

「相手方から提示された契約書に自動更新条項が入っている」

「更新期限を過ぎると契約を終了できないのか不安」

「自動更新の文言を自社の取引に合わせて作りたい」

「報酬改定や中途解約の条件も整理したい」

このような場合は、契約を締結する前に、自動更新条項と関連する条項をまとめて確認することが大切です。

契約書の一部分だけを見るのではなく、取引を継続する場合と終了する場合の両方を想定して、契約全体を整えましょう。

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