顧客情報や取引先情報を無断で持ち出された。
自社独自のノウハウや営業資料を、元従業員や取引先に利用されている。
このような場合は、対象となる情報と相手方の使用状況を整理し、使用・開示の停止を求める警告書を内容証明で送る方法があります。
営業秘密に関する警告書では、単に「秘密情報を使うな」と伝えるのではなく、どの情報が問題なのか、相手方に何をやめてもらいたいのか、保有している資料やデータをどうしてほしいのかを明確にすることが重要です。
この記事では、営業秘密侵害への警告書を作成するときに確認したいポイントを分かりやすく解説します。
内容証明の作成をお考えの方へ
「この内容でも送れる?」から
ご相談いただけます
送付目的とこれまでの経緯を整理し、文案作成から発送までサポートします。
何を書けばよいか分からない段階でもご相談いただけます。
営業秘密を無断使用されて困っている方へ
会社が保有している顧客情報を持ち出された。
退職した従業員が、自社の顧客へ営業をかけている。
取引先へ提供した資料やノウハウが、契約外の目的で利用されている。
社外秘の価格表や営業資料が第三者へ渡っている。
このような場合、営業秘密や秘密情報の使用・開示停止を求めることがあります。
事業者にとって、顧客情報、仕入先情報、価格設定、営業ノウハウ、製造方法などは重要な経営資産です。
無断で持ち出されたり、競合する事業で利用されたりすれば、取引や営業活動へ影響する可能性があります。
そのため、問題を把握した段階で、「何の情報が」「誰によって」「どのように利用されているのか」を整理することが大切です。
そのうえで、使用や第三者への開示を停止するよう正式に求めたい場合に、警告書・内容証明を検討します。
まず対象となる情報を確認する
最初に確認したいのは、問題となっている情報です。
営業秘密といっても、対象となる情報はさまざまです。
たとえば、
顧客名簿
取引先・仕入先リスト
価格表・原価情報
営業ノウハウ
製造方法・設計情報
商品開発情報
販売戦略
事業計画
などがあります。
重要なのは、「会社の情報を持ち出された」というだけではなく、具体的にどの情報が問題になっているのかを特定することです。
顧客名簿であれば、どの時点の名簿なのか。
価格情報であれば、どの商品や取引に関する情報なのか。
ノウハウであれば、どのような業務方法や資料なのか。
警告書を作成するときに対象情報が曖昧だと、相手方に何の使用を停止してほしいのか伝わりにくくなります。
まず対象となる情報をできるだけ具体的に整理しましょう。
営業秘密としての管理状況を確認する
営業秘密について警告する場合は、その情報を会社でどのように管理していたのかも確認します。
不正競争防止法上の営業秘密として保護されるためには、一般に、
秘密として管理されていること
事業活動に有用な情報であること
公然と知られていないこと
という点が重要になります。
そのため、
社内で閲覧できる人を限定していたか。
ファイルやフォルダにアクセス制限を設定していたか。
「社外秘」「秘密」などの表示をしていたか。
就業規則や秘密保持契約で取扱いを定めていたか。
取引先へ提供するときに秘密保持について取り決めていたか。
などを確認します。
完璧な管理方法でなければ直ちに何もできないということではありません。
ただし、警告書を作成するうえでも、会社がその情報をどのような情報として扱っていたのかを把握しておくことが大切です。
持ち出し・使用・開示の状況を整理する
次に、相手方が何をしているのかを整理します。
たとえば、
退職前に顧客データをコピーしていた。
クラウド上の資料をダウンロードしていた。
退職後に自社顧客へ営業をかけている。
取引先へ渡した資料が別の事業で利用されている。
第三者へ営業資料を送付している。
自社のノウハウを利用して競合サービスを提供している。
このようなケースがあります。
警告書では、
「営業秘密を侵害している」
と抽象的に書くだけではなく、どの行為について停止を求めているのか分かるように整理することがポイントです。
いつ持ち出されたのか。
どのデータなのか。
どこで使用されているのか。
誰へ開示されたのか。
どのように発覚したのか。
こうした事情を確認しましょう。
警告書を送る前に証拠を保存する
営業秘密の持ち出しや無断使用が疑われる場合は、警告書を送る前に現在確認できる資料を保存しておきましょう。
警告を受けた後、データや投稿、Webページなどが削除される可能性があるためです。
たとえば、
メール。
LINEやチャット。
アクセス履歴。
ダウンロード履歴。
ファイルの送信履歴。
顧客から受けた連絡。
相手方の営業資料。
ホームページ。
SNS。
契約書。
秘密保持契約書。
退職時の誓約書。
などがあります。
顧客から、
「退職した〇〇さんから営業連絡が来た」
と連絡を受けた場合は、その内容も整理しておきましょう。
警告書へすべての資料を添付する必要はありません。
大切なのは、何を根拠として警告するのかを確認できる状態にしておくことです。
使用停止・返還・削除など求める対応を整理する
営業秘密侵害への警告書では、相手方に何を求めるのかを明確にします。
単に、
「営業秘密を使用しないでください」
と伝えるだけでは、問題が十分に解消されない場合があります。
状況に応じて、
営業秘密の使用停止
第三者への開示停止
保有データの削除
紙資料・記録媒体の返還
複製データの廃棄
顧客への営業活動の停止
今後使用・開示しない旨の回答
などを求めることがあります。
たとえば、顧客名簿を持ち出されている場合は、今後使用しないことだけでなく、保存されているデータの削除や複製物の処分まで確認したい場合があります。
警告書を作成するときは、「今後何をやめてほしいか」と「現在保有している情報をどうしてほしいか」を分けて考えると整理しやすくなります。
退職者や元取引先による利用の場合
営業秘密に関するトラブルでは、元従業員や元業務委託先、元取引先が関係することがあります。
在職中や取引中に業務上必要な情報へアクセスしており、その情報を契約終了後に利用しているケースです。
この場合は、
雇用契約書。
業務委託契約書。
秘密保持契約書。
誓約書。
就業規則。
取引基本契約書。
なども確認します。
たとえば、退職時に、
「会社から持ち出した資料をすべて返還する」
「秘密情報を退職後も使用・開示しない」
といった誓約書を提出していることがあります。
取引先との契約でも、秘密情報の利用目的や契約終了後の返還・削除について定められている場合があります。
営業秘密そのものの内容だけでなく、相手方との契約関係も確認して警告書を作ることが重要です。
営業秘密侵害の警告書に何を書くか
営業秘密侵害への警告書では、相手方が読んだときに、
何の情報についての通知なのか。
どの行為が問題なのか。
何を停止してほしいのか。
何を返還・削除してほしいのか。
が分かるように整理します。
基本的には、
対象となる営業秘密・秘密情報
相手方が情報を取得した経緯
確認されている使用・開示等の行為
使用・開示の停止要求
資料・データの返還や削除要求
今後の使用禁止
対応・回答期限
などを整理します。
たとえば、
「貴殿が当社在職中に取得した顧客情報について、退職後の営業活動に利用していることを確認しています。」
と対象となる情報と行為を示します。
そのうえで、
「当該情報の使用および第三者への開示を直ちに停止し、保有するデータおよび複製物を削除してください。」
というように、求める対応を明確にします。
警告書では、強い表現を並べることよりも、情報・行為・要求内容を具体的にすることが重要です。
営業秘密侵害の警告書を弊所に依頼する場合
営業秘密の無断使用が疑われても、
「どの情報を警告書に書けばよいのか分からない」
「顧客名簿を持ち出されたようだが、どう通知すればよいのか分からない」
「秘密保持契約書はあるが、自分で警告文を作るのが難しい」
「情報の使用停止と削除を正式に求めたい」
ということがあります。
坂下行政書士事務所では、秘密保持契約書、業務委託契約書、誓約書、メールやチャットなどの資料を確認しながら、相手方へ送付する警告書・内容証明の文案を作成します。
対象となる情報。
相手方による使用状況。
これまでの経緯。
使用停止、削除、返還など求めたい対応。
これらを整理しながら、実際に相手方へ送る文面に整えます。
最初から警告書の文章を用意していただく必要はありません。
「営業秘密かどうかも含めて、まず手元の資料を整理したい」
「相手方へ正式な警告書を送りたい」
という段階から、現在の状況を確認しながら進めることができます。
まとめ
営業秘密や重要な社内情報を無断で持ち出されたり、利用されたりしている場合は、警告書によって正式に使用停止を求める方法があります。
まずは、
どの情報が問題なのか。
その情報をどのように管理していたのか。
誰がどのように取得したのか。
現在どのように使用・開示されているのか。
今後何を停止してほしいのか。
を整理しましょう。
また、警告書を送る前に、メール、チャット、アクセス履歴、契約書、秘密保持契約書、相手方の営業活動など、現在確認できる資料を保存しておくことも大切です。
そのうえで、営業秘密の使用・開示停止、保有データの削除、資料の返還、今後の使用禁止など、相手方に求める内容を警告書へまとめます。
営業秘密侵害への警告書では、単に「秘密を使うな」と伝えるのではなく、対象となる情報と問題行為、求める対応を具体的にすることがポイントです。
「顧客情報を持ち出されている」
「退職者が社内情報を使って営業している」
「取引先に渡した秘密情報を別の目的で利用されている」
「使用停止やデータ削除を内容証明で正式に求めたい」
このような場合は、現在の状況と手元の資料を確認しながら、警告書・内容証明の文案を整理するところからご相談いただけます。
内容証明の作成でお困りの方へ
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