社内ルール文書作成は、
誰にとっても有益なサービスに見えるかもしれません。
しかし、すべてのご相談をお受けできるわけではありません。
実際、内容次第では
・依頼者に不利益が生じる
・専門家としての責任を果たせない
・トラブルの原因を作ってしまう
こうした結果になるケースがあります。
本記事では行政書士の立場から、
この社内ルール文書作成サービスをお受けできない代表的なケースと、その理由を明確に解説します。
1.「受けないケース」を明示する理由
このような記事を書くと、
「仕事を断っているように見えるのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし実際には逆です。
社内ルール文書は、
作り方次第で“会社を守る文書”にも“会社を縛る文書”にもなるため、
受任可否の判断が極めて重要になります。
2.ケース① 法令違反を前提とする内容
次のような内容はお受けできません。
・法令違反を正当化するルール
・違法行為を前提とした業務運用
・グレーゾーンを意図的に隠す文書
社内ルール文書は、
「抜け道」を作るためのものではありません。
3.ケース② 労務管理を目的とした文書依頼
以下のような依頼は、
本サービスの対象外です。
・懲戒・処分を前提とする規定
・賃金・労働時間を定める文書
・就業規則と実質同一の内容
これらは労務管理領域であり、
行政書士が扱うべき範囲を超えます。
4.ケース③ 実態と異なるルールを作りたい場合
「実際にはやっていないが、
文書上だけ整えておきたい」
このような依頼もお受けできません。
実態と異なるルールは、
後に会社を不利に縛る証拠になる可能性があるからです。
5.ケース④ 特定人物を縛る目的の文書
次のような意図が見える場合、
受任はできません。
・特定の従業員を抑え込むため
・特定の外注先を有利に縛るため
・対立関係を前提とした文書
社内ルール文書は、
組織全体の判断軸を整えるためのものです。
6.ケース⑤ トラブル対処だけを目的とする依頼
すでに発生している個別トラブルについて、
「その対応を正当化するためのルールを今から作りたい」
という依頼もお受けできません。
ルール文書は、
将来の予防のために作るものであり、
過去のトラブルを正当化する道具ではありません。
7.お受けできない場合の対応方針
お受けできない場合でも、
次のような対応は行います。
・なぜ受けられないかの説明
・代替となる方向性の整理
・必要に応じた他士業の案内
「断って終わり」にはしません。
依頼者にとって最善の形を考えます。
8.まとめ|断ることも専門家の仕事
社内ルール文書作成サービスは、
万能なサービスではありません。
だからこそ、
お受けできないケースを明示すること自体が、専門家としての責任です。
無理に引き受けて
依頼者に不利益を残すことは、
専門家の本意ではありません。
「断られた=否定された」ではなく、
「今はその方法が最善ではない」という判断として受け取っていただければ幸いです。


