契約書の損害賠償条項が重すぎると感じた方へ。一切の損害、すべての損害、損害賠償額の上限、直接損害・間接損害、免責条項など、サイン前に確認すべきポイントを行政書士が解説します。
契約書の作成・内容確認を検討中の方へ
契約前の不安な段階でも、まずは内容確認からご相談いただけます。
「相手方から契約書を渡された」「このままサインして大丈夫か不安」「ひな形を自社用に直したい」など、契約書に関する不安は早めの確認が大切です。
業務委託・売買契約・秘密保持契約(NDA)など、取引内容に合わせて契約書の確認・作成をサポートします。
※ご相談のみでも問題ありません。契約書の作成・内容確認・修正方針など、状況に応じてご案内します。
損害賠償条項が重すぎると感じた方へ
取引先から契約書を渡されたとき、損害賠償条項を見て不安になることがあります。
「一切の損害を賠償する」と書かれている。
「相手方に生じたすべての損害を賠償する」と書かれている。
損害賠償額の上限がない。
自社だけ責任が重いように見える。
小さな取引なのに、責任だけが大きすぎる気がする。
このような場合、そのまま署名・押印する前に内容を確認した方が安心です。
損害賠償条項は、契約違反やトラブルが起きたときに、どこまで責任を負うのかを定める重要な条項です。
契約書にサインすると、原則としてその内容に合意したものとして取引が進みます。
後から「そこまで責任を負うつもりではなかった」「取引金額を超える責任があるとは思わなかった」と感じても、相手方が簡単に変更に応じてくれるとは限りません。
この記事では、契約書の損害賠償条項が重すぎると感じた場合に、サイン前に確認すべきポイントを解説します。
損害賠償条項は契約後の責任に直結する
損害賠償条項は、契約後の責任に直結する条項です。
契約違反があった場合、秘密保持義務に違反した場合、納期遅れや成果物の不具合があった場合などに、どこまで責任を負うのかが問題になります。
もちろん、契約違反によって相手方に損害を与えた場合に、一定の責任を負うこと自体は契約書上よくある内容です。
問題は、その責任の範囲が広すぎないか、取引内容や報酬額に比べて重すぎないかという点です。
たとえば、数万円から数十万円の業務委託契約であっても、損害賠償の範囲が無制限になっていると、取引金額を大きく超える責任を負う可能性があります。
また、どのような場合に責任を負うのかが曖昧だと、思わぬ場面で損害賠償を求められる不安が残ります。
損害賠償条項は、契約書の中でも特に慎重に確認したい部分です。
「一切の損害」「すべての損害」という表現に注意する
損害賠償条項でよく不安になるのが、「一切の損害」や「すべての損害」という表現です。
このような表現がある場合、責任の範囲が広くなっていないか確認する必要があります。
たとえば、次のような条項です。
- 相手方に生じた一切の損害を賠償する
- 相手方に生じたすべての損害を賠償する
- 相手方に発生した損害、費用、弁護士費用その他一切を負担する
- 直接・間接を問わず損害を賠償する
このような表現が入っているからといって、必ず直ちに問題があるとは限りません。
ただし、自社が負う責任がどこまで広がるのかは確認した方がよいです。
特に、「間接損害」「逸失利益」「特別損害」「弁護士費用」などまで含まれるような内容になっている場合、想定以上の負担になる可能性があります。
損害賠償条項は、短い文章でも影響が大きいことがあります。
「よくある条項だろう」と流さず、サイン前に意味を確認しましょう。
責任範囲が取引金額に見合っているか確認する
損害賠償条項が重すぎるかどうかを見るうえで大切なのは、責任範囲が取引金額や業務内容に見合っているかです。
たとえば、報酬が数万円の業務であるにもかかわらず、損害賠償責任に上限がなく、相手方に生じたすべての損害を負う内容になっている場合、リスクが大きくなります。
もちろん、取引内容によっては一定の責任を負う必要があります。
しかし、業務内容、報酬額、成果物の性質、相手方に与える影響を踏まえて、過度な責任になっていないか確認することが重要です。
特に、自社が業務を受ける側の場合は注意が必要です。
制作業務、コンサルティング、システム関連業務、広告運用、SNS運用、営業代行などでは、成果や影響範囲が広く見られやすいことがあります。
そのため、契約書上の損害賠償条項が広すぎると、実際の報酬額に見合わない責任を負う可能性があります。
損害賠償条項を確認するときは、「この契約金額で、この責任範囲を受け入れてよいのか」という視点を持ちましょう。
直接損害・間接損害・逸失利益を確認する
損害賠償条項では、どの種類の損害まで責任を負うのかを確認することが重要です。
特に、直接損害、間接損害、逸失利益という考え方が関係することがあります。
直接損害とは、契約違反などによって直接発生した損害を指すことが多いです。
一方で、間接損害や逸失利益まで含まれると、責任範囲が広くなる可能性があります。
たとえば、相手方が「本来得られたはずの利益」を損害として主張するような場面です。
契約書で「直接損害に限る」とされているのか。
それとも「直接・間接を問わず」とされているのか。
逸失利益や特別損害まで含まれる内容になっていないか。
このあたりを確認しましょう。
- 直接損害に限定されているか
- 間接損害まで含まれていないか
- 逸失利益まで含まれていないか
- 特別損害や弁護士費用まで含まれていないか
- 損害の範囲が曖昧になっていないか
損害の種類は、契約書の文言だけでは分かりにくいことがあります。
意味が分からない場合は、サイン前に内容を確認しておくと安心です。
損害賠償額の上限があるか確認する
損害賠償条項が重すぎる場合、損害賠償額の上限があるかを確認しましょう。
契約書によっては、損害賠償額の上限を「契約金額を上限とする」「直近〇か月分の報酬額を上限とする」などと定めることがあります。
上限がある場合、責任範囲を一定程度予測しやすくなります。
一方で、上限がない場合、どこまで責任を負うのか分かりにくくなります。
特に、自社が仕事を受ける側の場合、損害賠償額の上限がない契約は慎重に確認した方がよいです。
ただし、上限を設ければ必ず安心というわけではありません。
秘密保持義務違反、故意・重過失、知的財産権侵害などについては、上限の対象外とされることもあります。
そのため、上限があるかどうかだけでなく、どの責任に上限が適用されるのか、上限の例外があるのかも確認しましょう。
損害賠償額の上限は、契約後のリスクを見通すうえで重要なポイントです。
自社だけが重い責任を負っていないか確認する
損害賠償条項では、自社だけが重い責任を負う内容になっていないかも確認しましょう。
相手方から提示された契約書では、相手方の責任は限定されている一方で、自社の責任だけが広く定められていることがあります。
たとえば、自社には「一切の損害を賠償する」と書かれているのに、相手方の責任については明確な定めがない場合があります。
また、相手方の支払遅延や協力義務違反については軽く扱われているのに、自社の納期遅れや業務不履行については重い責任が定められていることもあります。
契約書は、どちらか一方だけがリスクを負えばよいものではありません。
取引内容に応じて、双方の責任のバランスを確認することが大切です。
特に確認したいのは、次のような点です。
- 自社だけ損害賠償責任が広くなっていないか
- 相手方の責任だけが限定されていないか
- 相手方の協力義務や支払義務が定められているか
- 相手方の事情で損害が発生した場合の扱いがあるか
- 責任のバランスが取引内容に合っているか
相手方有利な契約書では、責任のバランスが偏っていることがあります。
サイン前に、自社だけが過度な責任を負っていないか確認しましょう。
免責条項や責任を負わない場面を確認する
損害賠償条項が重い場合は、免責条項や責任を負わない場面が定められているかも確認しましょう。
免責条項とは、一定の場合には責任を負わない、または責任を限定する内容の条項です。
たとえば、天災や不可抗力によって履行できない場合、相手方の資料提供が遅れた場合、相手方の指示に従った結果問題が生じた場合などは、自社だけに責任を負わせるのが適切でないことがあります。
特に、業務委託契約や制作業務では、相手方の協力が必要な場面があります。
相手方から必要な資料が提供されない。
確認や承認が遅れる。
相手方の指示内容が変更される。
このような場合に、納期遅れや成果物の問題をすべて自社の責任とされると不安が残ります。
確認したいのは、次のような点です。
- 不可抗力の場合の免責があるか
- 相手方の資料提供遅れや確認遅れが考慮されているか
- 相手方の指示に基づく対応について責任が限定されているか
- 自社の責任ではない事情まで負担する内容になっていないか
- 損害賠償条項と免責条項が矛盾していないか
損害賠償条項だけを見るのではなく、免責条項、業務範囲、納期、相手方の協力義務もあわせて確認することが大切です。
内容確認を依頼する前に準備するもの
契約書の損害賠償条項が重すぎると感じた場合は、まず契約書のデータを準備しましょう。
Wordデータがあると、修正候補やコメントを整理しやすくなります。
PDFでも内容確認は可能です。
ただし、修正案を作成する場合は、編集できるデータがあるとスムーズです。
あわせて、取引内容や報酬額が分かる資料も準備しておくとよいです。
損害賠償条項が重いかどうかは、契約書の文言だけでなく、実際の取引内容、業務範囲、報酬額、自社の立場によって変わるからです。
準備しておくとよいものは、次のとおりです。
- 確認してほしい契約書のデータ
- 取引内容をまとめたメモ
- 自社が提供する側か、依頼する側かの情報
- 見積書・発注書・注文書
- 報酬・代金・支払条件が分かる資料
- 業務範囲や納品物が分かる資料
- 相手方とのメールやチャットのやり取り
- 特に不安な損害賠償条項のメモ
- 相手方への返答期限
「損害賠償条項が重い気がするが、どこが問題か分からない」という相談でも問題ありません。
ただ、気になっている文言があれば、最初に伝えておくと確認しやすくなります。
たとえば、「一切の損害と書かれている」「損害賠償額の上限がない」「相手方の責任だけ軽くなっている気がする」といった内容です。
返答期限がある場合は、早めに共有しましょう。
期限が近い場合は、損害賠償条項だけでなく、業務範囲、支払条件、解除条項、秘密保持条項もあわせて確認することが大切です。
まとめ
契約書の損害賠償条項が重すぎると感じた場合は、サイン前に内容を確認しておくことが大切です。
損害賠償条項は、契約違反やトラブルが起きたときに、どこまで責任を負うのかを定める重要な条項です。
「一切の損害」「すべての損害」「直接・間接を問わず」といった表現がある場合、責任範囲が広くなっていないか確認しましょう。
特に、自社が業務を受ける側の場合、取引金額や報酬額に見合わない責任を負う内容になっていないか注意が必要です。
確認すべきポイントは、直接損害に限定されているか、間接損害や逸失利益まで含まれていないか、損害賠償額の上限があるか、自社だけが重い責任を負っていないか、免責条項があるかという点です。
また、損害賠償条項は、業務範囲、支払条件、解除条項、秘密保持、成果物の取扱いとも関係します。
一つの条項だけを見て判断するのではなく、契約書全体との関係を確認することが大切です。
内容確認を依頼する場合は、契約書データ、取引内容のメモ、見積書、発注書、業務範囲が分かる資料、相手方とのメール、不安な条項、返答期限などを準備しておくとスムーズです。
ただし、すでに相手方から損害賠償を請求されている場合や、具体的な紛争対応、交渉、損害賠償請求への対応が必要な場合は、契約書の内容確認や修正案作成とは対応範囲が異なることがあります。
「損害賠償条項が重すぎる気がする」
「このままサインすると責任が大きすぎないか不安」
「損害賠償の範囲や上限を確認してほしい」
このような場合は、契約前の段階で早めに契約書の内容確認を相談しましょう。
ご相談から契約書作成・内容確認までの流れ
契約書の作成・内容確認は、取引内容や相手方との関係、契約書の有無によって進め方が変わります。
まだ内容が固まっていない段階でも、まずは現在の状況を確認し、必要な対応と費用の目安をご案内します。
無料相談・状況確認
契約書を新しく作成したいのか、相手方から提示された契約書を確認したいのか、現在の状況を確認します。
取引内容・契約書の確認
業務内容、報酬、納期、契約期間、解除条件、損害賠償、秘密保持など、契約書に反映すべき内容を整理します。
お見積もり・正式依頼
契約書の種類、分量、確認範囲、修正の必要性などを踏まえて、正式な費用をご案内します。
契約書の作成・内容確認
新規作成の場合は取引内容に合わせて契約書を作成し、内容確認の場合は契約書の確認ポイントや修正候補を整理します。
修正・調整
ご希望や取引内容に応じて、文言の修正、条項の追加・削除、分かりにくい表現の調整を行います。
納品・内容説明
完成した契約書や確認結果をお渡しし、重要な確認ポイントや今後の使い方についてご案内します。
※相手方との交渉、紛争対応、損害賠償請求などが必要な場合は、対応できる範囲が異なります。契約前の書面作成・内容確認を中心にサポートします。
契約書の作成・内容確認でお困りの方へ
「この内容で契約して大丈夫か不安」「ひな形をそのまま使っている」という段階でも構いません。
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取引内容を確認したうえで、契約書の確認ポイントや修正・作成の方向性、費用の目安をご案内します。
契約書作成(新規)
16,500円~(税込)
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相手方から提示された契約書でも、そのまま進めず「このまま契約して大丈夫か」を一度ご確認ください。
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