契約書の秘密保持条項を確認したい方へ。秘密情報の範囲、利用目的、開示できる相手、秘密保持義務の期間、契約終了後の返還・廃棄、違反時の責任など、サイン前に確認すべきポイントを行政書士が解説します。
契約書の作成・内容確認を検討中の方へ
契約前の不安な段階でも、まずは内容確認からご相談いただけます。
「相手方から契約書を渡された」「このままサインして大丈夫か不安」「ひな形を自社用に直したい」など、契約書に関する不安は早めの確認が大切です。
業務委託・売買契約・秘密保持契約(NDA)など、取引内容に合わせて契約書の確認・作成をサポートします。
※ご相談のみでも問題ありません。契約書の作成・内容確認・修正方針など、状況に応じてご案内します。
秘密保持条項を確認したい方へ
契約書を確認していると、秘密保持条項や守秘義務に関する条項が入っていることがあります。
取引先から秘密保持契約書・NDAへのサインを求められた。
業務委託契約書の中に秘密保持条項が入っている。
秘密情報の範囲が広すぎる気がする。
契約終了後も守秘義務が続くと書かれていて不安。
違反した場合の損害賠償が重くないか確認したい。
このような場合、秘密保持条項はサイン前に確認しておくことが大切です。
秘密保持条項は、取引先から受け取った情報や、自社が開示する情報の取扱いを定める重要な条項です。
一見すると一般的な内容に見えることもありますが、秘密情報の範囲や義務の期間が広すぎると、契約後の業務や営業活動に影響することがあります。
特に、業務委託契約、業務提携契約、取引基本契約、秘密保持契約書・NDAでは、秘密保持条項の内容を理解してからサインすることが重要です。
この記事では、契約書の秘密保持条項を確認したい場合に、サイン前に見るべきポイントを解説します。
秘密保持条項は契約後の業務に影響する
秘密保持条項は、単に「秘密を守る」というだけの条項ではありません。
実際には、どの情報を秘密として扱うのか、その情報を何に使ってよいのか、誰に共有してよいのか、契約終了後も義務が残るのかなど、契約後の業務に大きく関わります。
たとえば、相手方から提供された資料、顧客情報、営業資料、技術情報、価格情報、ノウハウなどが秘密情報に含まれることがあります。
業務委託契約では、業務を行うために相手方の情報を扱うことがあります。
そのため、秘密保持義務自体は必要な内容です。
ただし、秘密情報の範囲が広すぎたり、開示できる相手が制限されすぎたりすると、通常の業務に支障が出る場合があります。
外注先や協力会社に情報を共有できるのか。
従業員や担当者に共有できるのか。
税理士、行政書士、その他専門家に相談するために共有できるのか。
このような点が曖昧だと、業務を進めるうえで不安が残ります。
秘密保持条項は、取引を守るために必要な一方で、範囲や期間を確認しておくべき条項です。
秘密情報の範囲が広すぎないか確認する
秘密保持条項でまず確認したいのが、秘密情報の範囲です。
契約書には、「秘密情報」として扱う情報が定められていることがあります。
たとえば、次のような情報です。
- 営業上の情報
- 技術上の情報
- 顧客情報
- 価格情報
- 企画書・提案書・見積書
- 業務上知り得た情報
- 取引内容に関する情報
- 相手方が秘密として指定した情報
秘密情報の範囲が明確であれば、何を守るべきか判断しやすくなります。
一方で、「取引に関連して知り得た一切の情報」など、非常に広い表現になっている場合は注意が必要です。
範囲が広すぎると、どこまで秘密として扱うべきか分かりにくくなります。
また、すでに公表されている情報や、もともと自社が知っていた情報まで秘密情報に含まれるような書き方になっていると、実務上扱いにくい場合があります。
秘密保持条項を確認するときは、「秘密情報に含まれるもの」と「秘密情報に含まれないもの」の両方を見ておくことが大切です。
秘密情報にあたらない情報も確認する
秘密保持条項では、秘密情報の範囲だけでなく、秘密情報にあたらない情報も確認しましょう。
契約書によっては、次のような情報は秘密情報から除外されると定められていることがあります。
- 開示を受ける前から保有していた情報
- 公知となっている情報
- 開示後に自社の責任なく公知となった情報
- 正当な権限を持つ第三者から入手した情報
- 秘密情報によらず独自に開発・作成した情報
このような除外規定があると、秘密保持義務の範囲が整理しやすくなります。
反対に、秘密情報から除外される情報がまったく定められていない場合、どこまで守秘義務を負うのか分かりにくくなることがあります。
たとえば、すでに公開されている情報まで秘密情報として扱う内容になっていると、通常の業務に支障が出る可能性があります。
また、自社がもともと持っていたノウハウや資料まで相手方の秘密情報のように扱われると、今後の事業活動に影響することがあります。
秘密保持条項では、「何が秘密情報なのか」だけでなく、「何は秘密情報に含まれないのか」も確認しておきましょう。
利用目的と開示できる相手を確認する
秘密保持条項では、秘密情報を何のために使えるのかも重要です。
通常、秘密情報は契約の目的や取引の検討、業務の遂行など、一定の目的の範囲内で利用することが定められます。
確認したいのは、利用目的が実際の取引内容に合っているかどうかです。
たとえば、業務委託契約であれば、業務を行うために必要な範囲で秘密情報を利用できる必要があります。
秘密保持契約書・NDAであれば、取引の検討や商談のために利用できる内容になっているか確認します。
また、秘密情報を誰に共有できるのかも大切です。
従業員、役員、外注先、協力会社、専門家などに共有できるかどうかを確認しましょう。
外注先や協力会社に業務の一部を依頼する場合、秘密情報を一切共有できない内容になっていると、実務上困ることがあります。
確認したいポイントは、次のとおりです。
- 秘密情報の利用目的が明確か
- 契約目的や業務遂行に必要な利用ができるか
- 従業員や担当者に共有できるか
- 外注先や協力会社に共有できるか
- 専門家への相談のために共有できるか
- 共有する場合の条件が定められているか
秘密情報を守ることは大切ですが、必要な範囲で利用・共有できる内容になっているかも確認しましょう。
秘密保持義務の期間を確認する
秘密保持条項では、秘密保持義務がいつまで続くのかも確認が必要です。
契約期間中だけ秘密保持義務を負うのか。
契約終了後も一定期間続くのか。
期間の定めがなく、無期限に近い内容になっているのか。
この点は、契約後の負担に関わります。
秘密情報の性質によっては、契約終了後も一定期間守秘義務が続くこと自体は珍しくありません。
たとえば、顧客情報、営業ノウハウ、技術情報などは、契約終了後も保護が必要な場合があります。
一方で、すべての情報について無期限に守秘義務を負う内容になっている場合、負担が重く感じられることがあります。
確認したいのは、秘密情報の内容に対して期間が適切かどうかです。
秘密保持義務の期間が「契約終了後〇年間」と定められている場合もあります。
また、営業秘密にあたる情報については、秘密として管理されている限り義務が続くような内容になっていることもあります。
秘密保持義務の期間は、契約書の中でも見落としやすい部分です。
サイン前に、いつまで義務が残るのかを確認しておきましょう。
契約終了後の返還・廃棄義務を確認する
秘密保持条項では、契約終了後や相手方から求められた場合に、資料やデータを返還・廃棄する義務が定められていることがあります。
たとえば、次のような内容です。
- 相手方から提供された資料を返還する
- 秘密情報を含むデータを削除する
- 複製物やコピーを廃棄する
- 返還・廃棄したことを証明する
- 契約終了後は秘密情報を利用しない
このような条項は、秘密情報を保護するために必要な場合があります。
ただし、実務上対応できる内容かどうかは確認が必要です。
たとえば、バックアップデータや社内システムに保存された情報まで完全に削除する必要があるのか。
法令上・税務上・社内管理上、一定期間保管が必要な資料まで廃棄しなければならない内容になっていないか。
業務記録として最低限保管しておきたい情報をどう扱うのか。
このあたりが曖昧だと、契約終了後に対応に迷うことがあります。
返還・廃棄義務は、契約終了後に実際の作業が必要になる条項です。
サイン前に、実務上対応できる内容か確認しておきましょう。
違反時の損害賠償・差止めを確認する
秘密保持条項では、違反した場合の責任も確認しておく必要があります。
秘密保持義務に違反した場合、損害賠償責任を負う内容になっていることがあります。
また、秘密情報の利用や開示の差止めを求められる内容になっていることもあります。
確認したいのは、責任の範囲が広すぎないかという点です。
たとえば、「秘密保持義務に違反した場合、相手方に生じた一切の損害を賠償する」といった条項がある場合、損害賠償の範囲が広くなっていないか確認が必要です。
また、秘密保持義務違反については、通常の損害賠償額の上限から除外されていることがあります。
つまり、契約書全体では損害賠償額に上限があるように見えても、秘密保持違反については上限が適用されない場合があります。
確認したいポイントは、次のとおりです。
- 秘密保持違反時の損害賠償範囲が広すぎないか
- 損害賠償額の上限があるか
- 秘密保持違反が上限の例外になっていないか
- 差止めに関する条項があるか
- 違反した場合の対応が過度に重くなっていないか
- 自社だけが重い責任を負っていないか
秘密保持条項は、損害賠償条項とも関係します。
秘密保持条項だけでなく、契約書全体の責任範囲とあわせて確認することが大切です。
内容確認を依頼する前に準備するもの
契約書の秘密保持条項を確認したい場合は、まず契約書のデータを準備しましょう。
秘密保持契約書・NDAそのものだけでなく、業務委託契約書や取引基本契約書の中に秘密保持条項が入っている場合もあります。
Wordデータがあると、修正候補やコメントを整理しやすくなります。
PDFでも内容確認は可能です。
ただし、修正案を作成する場合は、編集できるデータがあるとスムーズです。
あわせて、取引内容や情報共有の実態が分かる資料も準備しておくとよいです。
秘密保持条項が適切かどうかは、実際にどのような情報を扱うのか、誰に共有する必要があるのかによって変わるからです。
準備しておくとよいものは、次のとおりです。
- 確認してほしい契約書のデータ
- 秘密保持契約書・NDAのデータ
- 取引内容をまとめたメモ
- 自社が情報を開示する側か、受け取る側かの情報
- 業務で扱う情報の種類
- 外注先や協力会社への共有が必要かどうか
- 相手方とのメールやチャットのやり取り
- 特に不安な秘密保持条項のメモ
- 相手方への返答期限
「秘密保持条項が広い気がするが、どこが問題か分からない」という相談でも問題ありません。
ただ、気になっている文言があれば、最初に伝えておくと確認しやすくなります。
たとえば、「一切の情報が秘密情報になっている」「外注先に共有できるか分からない」「契約終了後も無期限に義務が残るのが不安」といった内容です。
返答期限がある場合は、早めに共有しましょう。
秘密保持条項は、サイン後の業務運用にも影響するため、契約前に確認しておくことが大切です。
まとめ
契約書の秘密保持条項を確認したい場合は、サイン前に内容を整理しておくことが大切です。
秘密保持条項は、取引先から受け取った情報や、自社が開示する情報を守るために必要な条項です。
ただし、秘密情報の範囲が広すぎる場合、利用目的が狭すぎる場合、開示できる相手が制限されすぎている場合、秘密保持義務の期間が長すぎる場合などは、契約後の業務に影響することがあります。
確認すべきポイントは、秘密情報の範囲、秘密情報から除外される情報、利用目的、開示できる相手、秘密保持義務の期間、契約終了後の返還・廃棄、違反時の損害賠償や差止めです。
特に、外注先や協力会社に情報を共有する必要がある場合、専門家に相談する可能性がある場合、契約終了後も長期間義務が残る場合は注意が必要です。
また、秘密保持条項は損害賠償条項とも関係します。
秘密保持義務違反について、損害賠償額の上限が適用されるのか、上限の例外になっていないかも確認しましょう。
内容確認を依頼する場合は、契約書データ、NDAのデータ、取引内容のメモ、扱う情報の種類、外注先への共有の有無、相手方とのやり取り、不安な条項、返答期限などを準備しておくとスムーズです。
ただし、すでに秘密情報の漏えいや違反をめぐって相手方とトラブルになっている場合、損害賠償請求、差止め、具体的な交渉が必要な場合は、契約書の内容確認や修正案作成とは対応範囲が異なることがあります。
「秘密保持条項が広すぎる気がする」
「NDAにサインしてよいか確認したい」
「守秘義務の範囲や期間を見てほしい」
このような場合は、契約前の段階で早めに契約書の内容確認を相談しましょう。
ご相談から契約書作成・内容確認までの流れ
契約書の作成・内容確認は、取引内容や相手方との関係、契約書の有無によって進め方が変わります。
まだ内容が固まっていない段階でも、まずは現在の状況を確認し、必要な対応と費用の目安をご案内します。
無料相談・状況確認
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お見積もり・正式依頼
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契約書の作成・内容確認
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契約書の作成・内容確認でお困りの方へ
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