社内ルール文書を作ろうとしたものの、
「何から手を付ければよいか分からない」
「結局、内容がまとまらず途中で止まってしまう」
このようなケースは非常に多く見られます。
原因の多くは、作成前の整理不足です。
本記事では行政書士の視点から、
社内ルールを作る前に必ずやっておくべき整理事項と、その進め方を解説します。
1.いきなり書き始めると失敗する理由
社内ルール作成で最も多い失敗は、
「とりあえず書き始めてしまうこと」です。
この状態では、
・何をルール化すべきか見えていない
・実態とズレた内容になる
・途中で方向性が分からなくなる
結果として、
未完成、または使われない文書になります。
2.整理① 現在の運用を書き出す
最初に行うべきは、
現時点での運用の可視化です。
■ 書き出すべき内容
・実際にどう運用しているか
・暗黙の了解になっている事項
・人によって対応が違う点
理想ではなく、
「現実」をそのまま出すことが重要です。
3.整理② 「迷った経験」を洗い出す
次に、
過去に迷った・判断に困った場面を振り返ります。
■ 例
・これは誰が判断すべきか迷った
・対応すべきか断るべきか悩んだ
・例外対応で混乱した
これらは、
ルール化すべき有力候補です。
4.整理③ トラブル・ヒヤリ事例の確認
実際に起きたトラブルや、
ヒヤッとした経験も重要な材料です。
・外注との行き違い
・情報の扱いで不安が生じた
・後から説明に困った対応
トラブルは、
「ルール不足」を教えてくれるサインです。
5.整理④ 誰が判断しているかを明確にする
社内ルールでは、
内容以上に判断者の明確化が重要です。
・最終判断は誰か
・例外時はどこに戻るか
・現場判断でよい範囲はどこまでか
ここを整理しないと、
ルールがあっても機能しません。
6.整理⑤ 書く領域・書かない領域を決める
すべてをルール化する必要はありません。
■ 事前に決めるべきこと
・ルール文書で扱う領域
・マニュアルで補う領域
・ルールにしない領域
この線引きを先に行うことで、
文書が膨らみすぎるのを防げます。
7.整理不足で起きがちな失敗
準備不足のまま作ると、
次のような問題が起きがちです。
・理想論だけのルール
・実態と乖離した規定
・守れない内容の固定化
・途中で更新されなくなる
「準備不足」は、
作成後のトラブルにつながります。
8.まとめ|準備が8割を決める
社内ルール文書は、
書き始める前の整理でほぼ出来が決まります。
・現状整理
・迷いやトラブルの洗い出し
・判断者の明確化
この下準備を丁寧に行うことで、
実務に耐える社内ルール文書が完成します。


